FX基礎知識
Apr 10, 2024

ブルトラップとは?見分け方【回避する方法と活用法】

「ブルトラップ」という用語は、投資家やトレーダーの間でよく使われ、FXや株式市場における陥れられる可能性について警告する合言葉のような存在です。市場はときに予測不能で、トレンドが変動的であるため、ブルトラップを理解し、適切に対処することは不可欠です。

本記事では、ブルトラップの本質から始め、それを見分ける術、そして、ブルトラップを回避するための具体的な戦略や対処法を解説します。また、ブルトラップはトレードに活用することもできます。その具体的な方法もご紹介します。 

この記事を読むことで、トレードや投資においてブルトラップに陥るリスクを最小限に抑え、収益性を向上させるための洞察を得ることができます。市場において成功するためには、リスク管理が不可欠であり、ブルトラップに対する知識はその重要な一環です。 

この記事の内容を活かし、市場の落とし穴を避け、より自信を持ってトレードおよび投資の決断を行えるようになりましょう。まずは「ブルトラップ」の意味や本質を解説していきます。 

ブルトラップとは? 

ブルトラップとは、市場のトレンドが一時的に上昇するように見せかけ、実際には市場が下降トレンドに反転する現象を指します。これは「ダマシ」とも呼ばれます。投資やトレードにおいて非常に巧妙な罠で、多くのトレーダーが強気のポジションを取る誘惑に陥る可能性があります。結果、損失を被ることとなります。 

このセクションでは、ブルトラップの本質的な意味に迫り、その仕組みを詳細に解説していきます。さらに、具体的な実例を挙げて、ブルトラップが市場でどのように発生するかをお伝えします。 

仕組み 

ブルトラップとは、FX市場で起こる「だます」ような動きのことです。ここで大事なのは、市場で価格が急に上がると見せかけて、実は後で大きく下がる罠を仕掛けることです。たとえば、多くの人が価格が上がると予想して、その価格で買おうと指値注文(事前に決めた価格で買う注文)を入れています。しかし、実際には、多くの人が買った後で、急に大量の売り注文が入り、価格が下がってしまうのです。 

このような動きは、特にロンドン市場が開く前後によく見られます。この時間帯は、欧州の金融トレーダーが活動的になるため、市場が不安定になりやすく、ブルトラップが起こりやすいのです。 

さらに、ポンド円やポンドドル、ドル円、ユーロドルなどの通貨ペアは、特に日本時間の午後4時30分前後(夏時間では3時30分前後)に、価格が突然大きく動く傾向があります。これは、市場が一日の中で特に活発になる時間帯であり、そのため価格の大きな変動が発生しやすいのです。 

FXで取引をする際には、このような時間帯や通貨ペアに注意し、急な価格変動に惑わされないよう慎重に行動することが大切です。それにより、ブルトラップの罠にはまるリスクを減らすことができます。 

具体例 

ブルトラップは、FX市場で頻繁に見られる現象で、価格の動きがトレーダーを誤解させることがあります。最も一般的なケースは、価格が急激に上昇するものです。このとき、多くのトレーダーはさらなる上昇を予測し買い注文を入れますが、実際には市場の大きな流れと逆で、価格は突然下がることがあります。 

例えば、以下はポンドドルの15分足チャートです。1.230ドルを上方向にブレイクアウトしていますが、「ダマシ」つまり「ブルトラップ」となり、大量の売り注文によって下落しています。 

ニュースリリースによる価格上昇も同様の罠となり得ます。 

良いニュースが発表された後に価格が上がるものの、その後の要人発言などにより市場が反応し、価格が急落することがあります。また、価格が抵抗線を突破し、市場が強気に見える状況でも、このブレイクアウトが持続せずに価格が下落することがあります。 

テクニカル指標の矛盾もブルトラップのサインです。 

例えば、価格が上昇しているにもかかわらず、RSIやMACDなどの指標が弱気を示唆している場合、これはブルトラップの可能性があると考えられます。 

さらに、市場が新しい高値を更新しても、その後に価格が急落することもあります。予期せぬニュースやイベントによって短期間に価格が急上昇した後に元の価格帯に戻る動きも、一時的な市場の反応であり、真の市場動向を反映していない場合があります。 

これらの例を理解することで、FX市場におけるブルトラップに巻き込まれるリスクを減らすことができます。特に、急な価格変動には慎重に対処し、市場の動きを総合的に分析することが重要です。 

ブルトラップの見分け方 

価格変動の要因は数多くあるため、ブルトラップを完全に見分けることは難しいですが、見分けるのに役立つ指標はいくつかあります。具体的には、以下の3つです↓ 

  • サポートラインやレジスタンスライン 
  •    
  • ローソク足 
  •    
  • 上位足 

それぞれ詳しく見ていきましょう。 

サポートラインやレジスタンスライン 

FX取引において、市場の動きを正しく理解し、ブルトラップを見分けることは、トレーダーにとって大切なスキルです。このためには、サポートラインやレジスタンスラインという二つの重要な概念を理解する必要があります。 

サポートラインとは、価格が下落してもなかなか下回らない水準のことで、市場がこのラインに達すると価格が反転上昇する可能性が高いとされます。逆に、レジスタンスラインは、価格が上昇してもなかなか超えられない水準のことを指し、このラインに達すると価格が反転下降することが多いです。 

これらのラインを突破する動きが起こると、多くのトレーダーは新たなトレンドが始まったと考えがちですが、実はこれがブルトラップの兆候である場合があります。つまり、価格がこれらのラインを突破しても、その後すぐに元の水準に戻る可能性があるのです。 

したがって、サポートラインやレジスタンスラインを突破する動きを見たときは、それが本当に新しいトレンドの始まりなのか、それともブルトラップなのかを慎重に分析することが重要です。 

具体的には、ブレイクアウトしたとしても、すぐにポジションを保有するのではなく、ラインが支持線として機能したことを確認してからエントリーするとよいでしょう。 

下記はユーロドルの5分足チャートです。サポートラインを一度ブレイクした後、反落しましたが、レンジ上限がサポートラインとして機能していることが確認できます。この場合は上昇トレンドが発生する確率が高くなり、ブルトラップになる確率が低くなります。 

この分析には市場の動きに対する深い理解と経験が必要とされます。特にFX取引初心者は、これらのラインを使った分析に慣れるために時間をかけて学習し、経験を積むことが大切です。 

ローソク足 

FX取引では、ローソク足というチャートが重要な役割を果たします。ローソク足は、特定の期間における価格の動きを示すグラフで、市場の心理やトレンドの方向性を理解するのに役立ちます。 

ローソク足の形状や配置を分析することで、市場がどのような状態にあるのかを把握できます。たとえば、「陽線」(価格が上昇したことを示すローソク足)が現れた後に、陽線を包み込むような「陰線」(価格が下降したことを示すローソク足)が続いた場合、これは市場が上昇トレンドから下降トレンドに変わるローソク足の典型です。 

例えば、以下はポンド円の5分足チャートです。186.35円をブレイクアウトした後に、陽線の安値を割る大陰線が出現しています。その後、レンジ上限を下回り、さらに売り込まれ、50Pips以上の下落となりました。 

これを「包み足(アウトサイドバー)」と呼びます。このようなパターンは、ブルトラップの兆候となり得るのです。 

また、特定のローソク足のパターンが「逆張り」のサインを示すこともあります。逆張りとは、市場の大多数が一方向に動いているときに、反対方向に取引を行う戦略のことです。例えば、市場が強く上昇しているときに、突然現れる大きな陰線は、市場のトレンドが変わる可能性があることを示唆しているかもしれません。 

このように、ローソク足はブルトラップを見分けるのに役立つテクニカル指標の一つです。そのため、FX取引を行う際には、ローソク足の形状や配置に注意を払い、市場の動きを正しく理解することが大切です。特に初心者の方は、ローソク足チャートの読み方を学び、経験を積むことが重要となります。 

上位足 

FX取引でブルトラップを見分けるためには、単に短期的な価格の動きだけでなく、より長期的な視点から市場を分析することが重要です。ここで「上位足」という概念が役立ちます。上位足とは、より長い時間枠での市場の動きを示すチャートのことで、例えば日足や週足がこれに該当します。 

短期足(例えば1時間足や15分足)だけを見ると、市場の小さな変動に惑わされやすく、ブルトラップに陥りやすいです。しかし、日足や週足などの上位足を分析することで、市場の全体的なトレンドがより明確になります。これにより、一時的な価格変動が実際には大きなトレンドの一部なのか、それともブルトラップに過ぎないのかを判断しやすくなります。 

また、異なる時間枠のチャート間の相関関係を分析することも重要です。 

例えば、短期足のチャートが上昇トレンドを示しているときでも、日足や週足のチャートが下降トレンドであれば、短期的な上昇はブルトラップの可能性が高いと考えられます。 

マルチタイムフレーム分析とは、これら複数の時間枠を同時に分析することを指します。このアプローチを用いることで、短期的な市場の変動だけでなく、中長期的な市場の動向も把握し、より正確なトレンド分析を行うことができます。FX取引初心者は、これらの分析方法を学び、実践することで、ブルトラップを見分け、より賢明な取引決定を下すことができるようになります。 

ブルトラップの回避方法 

ブルトラップを回避する方法は、トレーダーや投資家にとって市場での成功を追求する上で欠かせないスキルです。このセクションでは、ブルトラップの罠から身を守る具体的な方法をご紹介します。 

また、ブルトラップにはまった場合の対処法もお伝えします。対処する術を身につければ、損失リスクを最小限に抑えることができるようになるでしょう。 

さらに、ブルトラップをトレードに活かす方法も共有します。ブルトラップは損失リスクにもなりますが、利益を最大化させるチャンスにもなり得ます。どのように活かせばいいのか?その具体的な方法を解説します。 

まずは、回避方法から見ていきましょう。 

トレンドを確認する 

FX取引で重要なのは、市場の全体的なトレンドを理解することです。これは、短期的な価格の動きに惑わされず、市場が長期的にどの方向へ動いているかを見極めることを意味します。たとえば、移動平均線などのテクニカル指標を使って市場の傾向を分析します。これらの指標は、価格が上がり続けているのか、それとも下降しているのかを示してくれます。 

市場のトレンドを把握することで、短期間の価格変動が本物のトレンドなのか、それとも一時的なブルトラップなのかを見分けるのに役立ちます。特に、市場の小さな動きに反応して感情的に決定を下さず、冷静に全体的なトレンドを見ることが大切です。トレードするときは、常に市場の長期的な流れを意識し、その上で慎重に取引を行うようにしましょう。 

過去のパターンと比較する 

FX取引で大切なのは、過去の市場の動きを見て、それを今の状況と比べることです。市場は過去にどう動いたかを調べると、今起こっていることが以前にも起きたかもしれないと分かります。これは、ブルトラップという市場が急落する現象を見分けるのに役立ちます。 

例えば、市場が急に上昇した後に急に下落することが過去にもあったら、そのパターンを覚えておくと、同じようなことがまた起きたときに気をつけることができます。さらに、数学的な方法(統計)を使って、ブルトラップがどれくらいの確率で起きるかを調べることもできます。 

過去のデータを見ることは、FX市場でよく動きが繰り返されるので、とても役立ちます。過去の市場の動きを学ぶことで、今起きていることが以前と似ているかどうかを見分けることができます。このようにして、ブルトラップを見分けて、取引のリスクを減らすことが可能です。FXに慣れていない人でも、この方法を学んで使うと、賢く取引をすることができます。 

長期投資の誤差として捉える 

FXでお金を投資するとき、すぐに結果が出るわけではないので、長い目で見ることが大切です。市場の価格は日々上下しますが、これらの小さな変動に一喜一憂する必要はありません。長期的に考えて、その小さな動きをあまり気にしないことが重要です。 

投資をするときには、色々な種類のものにお金を分けて投資すると良いです。たとえば、株だけでなく、国債や不動産、他の国の通貨にも投資することで、もし一つの市場が悪くても他でカバーできます。これを「ポートフォリオの多様化」といいます。これにより、一つの市場の小さな変動が全体に与える影響を減らすことができるんです。 

また、短期間の市場の動きに心を乱されないようにしましょう。市場は毎日変わるので、その都度気にしていたら大変です。大切なのは、長い目で見て、自分の投資の目標をしっかり持つことです。ちょっとした市場の動きは、長期的な目標にとってはあまり影響がないので、冷静に考えるようにしましょう。 

このように、長期的な視点で考えて、色々な投資先に分散して、メンタルを保ち心を落ち着けて取引をすることが、FXで成功するためのコツです。特に初めてFXに挑戦する人は、この長期的な考え方を意識することが大事です。 

ブルトラップにはまった場合の対処法 

FXで投資する際、誰しもがブルトラップに巻き込まれる可能性があります。もしブルトラップにはまった場合どうすればいいのか?その対処法はいくつかあります。 

まず、損切りを早めに行うことが重要です。損切りは、損失が大きくなる前に投資を止める行為で、これによりさらなる損失を防げます。例えば、価格が思った以上に下がったら、その時点で投資をやめ、損失の拡大を防ぎます。 

次に、自分の投資状況(ポジション)の見直しも重要です。現在の市場状況や新しい情報をもとに、投資計画を調整します。市場が変われば、投資戦略の変更も必要です。 

最後に、リスク管理の強化も大切です。リスク管理は、損失をどれくらいに抑えるか、どの程度のリスクを取るかを計画する行為です。ブルトラップにはまった経験から学び、次の投資で同じ失敗を避けるための戦略を立てます。 

FX取引では価格の変動が大きいため、ブルトラップにはまることがありますが、損切りをして早めに対処し、投資戦略を見直し、リスク管理をしっかり行うことで、失敗を最小限に抑えることが可能です。 

補足:ブルトラップをトレードに活かす 

FX取引では、ブルトラップをリスクだけでなく、利益獲得のチャンスとしても活用できます。このためには、特定の戦略をうまく使う必要があります。 

まず、ドテン戦略です。ブルトラップになったことが分かったら、買いポジションを決済し、代わりに新規で売りポジションを保有します。 

次に、市場心理を把握することが重要です。他のトレーダーがどのように考え、行動するかを理解することで、ブルトラップを予測し、利益に変えることが可能になります。 

最後に、ブルトラップ後の市場動向を分析し、リスクが低いエントリーポイントを探します。ブルトラップが発生した後の価格変動を分析し、リスクが少なく利益を出しやすいタイミングを見極めるのです。 

これらの方法を用いて、ブルトラップを利益の機会と見なすことで、FX取引での成果を高めることができます。しかし、これらの戦略にはリスクが伴うため、慎重に行動することが大切です。 

Threetraderでブルトラップを活用 

ThreeTraderにおけるFX取引では、ブルトラップ、市場価格が急落する現象をうまく活用するのが重要です。この現象の兆候を見分け、逆張り戦略を用いることで利益を狙います。市場が上昇すると見せかけて実際には下降する際、売りポジションを取り、収益を得る機会を作り出します。 

市場分析も大切です。ThreeTraderで提供されるチャートや最新ニュースを活用し、市場動向を詳しく調査します。リスク管理は逆張り戦略やブルトラップの活用時に特に重要で、損失を最小化する計画を立てます。 

ThreeTraderの特徴を最大限に利用しましょう。狭いスプレッドにより、市場のレートがダイレクトに反映され、価格変動を正確に把握しやすくなっています。毎朝の市場分析レポート週間レポートを参照し、市場の流れを把握するのに役立ちます。 

さらに、ThreeTraderはMT4という取引プラットフォームを採用しており、カスタムインジケータの利用が容易です。これにより、個々のトレード戦略を精緻に構築しやすくなります。 

ブルトラップを活用するためには、これらの特徴を把握し、市場分析を徹底し、リスクを管理するのが肝心です。ThreeTraderを使い、ブルトラップを上手く活かしてみましょう。 

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まとめ|ブルトラップ 

この記事では、ブルトラップの本質、見分け方、回避方法などについて詳しく説明しました。あわせて、ブルトラップをトレードに活用する方法もお伝えしました。ブルトラップを理解し、見分け回避したり、活用したりできるようになることは、市場での成功に向けた大きなステップです。 

ブルトラップは投資とトレードにおける損失リスクになり得ますが、利益を得るチャンスにもなり得ます。本記事でお伝えした内容を活かし、損失リスクを最小限に抑え、利益を最大化させましょう。