WTI原油は供給不安緩和で続落、下げ止まりの水準を探る
米サービス業の価格指数が上昇したことでインフレ圧力の根強さが意識され、米金利の高止まりを通じてドルが支えられた。このドル高にフランス財政への懸念も重なり、ユーロは下落した。一方、原油市場では、中東の輸出回復と備蓄放出計画を受けて供給不安が和らぎ、価格は軟調に推移した。
本日のテクニカル分析銘柄であるWTI原油(XTI/USD)は、地政学リスクが残るなかでも、輸出の回復が下落材料となっている。短期は下方向が優位だが、200日平均線が下値の支えとして意識される。87.50ドルで買い支えが現れるかが焦点であり、供給不安の緩和による調整がどこまで続くかを確認したい局面である。
本日は、ドイツ製造業受注、英国建設業購買担当者景気指数、ユーロ圏小売売上高から欧州景気の強弱を探ることになる。米国・カナダの貿易収支では、収支額に加えて輸出入の内訳も重要だ。特に、米国については赤字の増減が需要の強さによるものか、輸出の変化によるものかを見極めたい。
注目の値動きTOP3
(※直近10日間の平均的な値幅と比較:ATR倍率)
- US500(S&P500) ↑ 0.72倍
- NAS100(NASDAQ100) ↑ 0.60倍
- EUR/USD(ユーロ/米ドル) ↓ 0.56倍
マーケットハイライト
- 米9月ISMサービス業PMIは54.9へ低下、価格指数は74.0と2022年7月以来の高水準
- 中東原油輸出は日量1,830万バレルまで回復、供給途絶リスクが後退
- 米株主要指数は堅調、大型ハイテク株高でナスダックは最高値を更新
- JPN225(日経225連動CFD)は続伸、米株の底堅さと為替のドル高・円安推移が下支え
- DXY(米ドル指数)は上昇、米サービス価格圧力とフランス財政不安によるユーロ安が支え
- ドル円は反発、米インフレ圧力による高金利長期化観測がドルを後押し
- ユーロドルは一時1.1161前後と約17カ月ぶり安値、フランス財政不安と仏独国債スプレッド高止まりが重荷
- ゴールド(XAU/USD)はほぼ横ばい、ドル高・高金利と10月利上げ観測後退が拮抗
- WTI原油は続落、中東輸出回復とG7備蓄放出で供給不安が緩和
- ビットコイン(BTC/USD)は8.6万ドル前後で小動き、ドル高水準と金利高止まりのなかで方向感模索
WTI原油(XTI/USD)テクニカル分析
WTI原油(XTI/USD)の日足は、高値から反落した後、100ドル付近への戻りも抑えられ、足元では92ドル台前半で推移している。価格はLinReg20(20日線形回帰線)とKAMA(カウフマン適応移動平均線)をともに下回り、両線も下向きである。戻りを維持できない状況が続いており、短期は下方向が優位な局面にあるといえる。
もっとも、長期の視点では様相が異なる。価格は上向きのSMA200(200日単純移動平均線)を上回っており、長期の上昇基調を支える条件は残っている。一方で、QuadReg50(50日二次回帰線)は端点こそ上向きであるものの、価格は同線を下回っている。QuadReg200(200日二次回帰線)も下向きであるため、長期指標が示す方向は一致していない。したがって、短期の弱さと長期の支えは分けて評価する必要がある。
こうした方向感の混在は、トレンドの強さにも表れている。ADX(平均方向性指数)は15台にとどまり、強いトレンドを示す水準にはない。価格と回帰線が下方向を示していても、一方向への下落が定着したとまでは判断しにくい。また、原油間の価格差を標準化した50日指標は+3.6台にあり、直近平均から上方へ大きく偏っている。ただし、相対的な強弱を判断するには、差し引きの順序を確認する必要がある。

以上を踏まえると、目先の焦点は87.50ドルが支持として機能するかどうかである。日足終値で同水準を割り込み、短期の両線も下向きを維持すれば、下方向優位が一段と強まる。その場合は、200日単純移動平均線、続いて81.25ドル付近で下げ止まれるかが次の確認点となる。反対に、価格が短期の両線を回復し、その傾きも上向きに転じれば、調整一巡の可能性が高まる。その際は100ドル付近が再び上値の確認点となる。
本日の主な経済指標とイベント(10月6日)
- 中国 休場
- Digital Assets Week London(~10/7)
- 8:30(日本時間)、オーストラリア・ウエストパック消費者信頼感指数(10月)
- 15:00(日本時間)、ドイツ・製造業受注(8月)
- 17:30(日本時間)、英国・建設業PMI(9月)
- 18:00(日本時間)、ユーロ圏・小売売上高(8月)
- 21:30(日本時間)、米国・貿易収支(8月)
- 21:30(日本時間)、カナダ・貿易収支
※本記事の情報は、記事執筆時における市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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