注目の経済指標とイベント(7/27~7/31)
今週はFOMC、日銀、英中銀と主要中銀の政策判断が重なり、市場全体が金融政策の方向性を見極めようとする週である。経済指標そのものの結果以上に、その内容が各中銀の政策見通しをどう変えるかが、資金の流れを左右しやすい一週間となる。
今回は米国株の代表指数であるNYダウ(US30)とS&P500(US500)を分析対象とした。両指数ともに長期上昇トレンドを維持しているものの、高値圏では上昇が続くかどうかが焦点となっている。良好な株式市場の地合いが相場を下支えする一方、米金利の高止まりや利益確定売りが上値を抑える要因となっており、強いトレンドと調整圧力がせめぎ合う展開となっている。
最大の注目はFOMCと米GDP・PCEコア、さらに日銀金融政策決定会合である。政策金利の据え置きが見込まれる中でも、声明文や記者会見、展望レポートで示される今後の政策姿勢次第では、ドル円や米国株を中心に値動きが大きくなる可能性がある。
注目の経済指標とイベント(7/27~7/31)
| 日付 | 経済指標とイベント | 日本時間 |
| 7月27日(月) | ドイツ・IFO企業景況感指数(7月) | 17:00 |
| 米国・耐久財受注(6月) | 21:30 | |
| 7月28日(火) | 米国・米連邦公開市場委員会(FOMC) 1日目 | – |
| 米国・ケース・シラー米住宅価格指数(5月) | 22:00 | |
| 米国・リッチモンド連銀製造業指数(7月) | 23:00 | |
| 米国・消費者信頼感指数(7月 コンファレンス・ボード) | 23:00 | |
| 7月29日(水) | オーストラリア・消費者物価(四半期 CPI) | 10:30 |
| オーストラリア・消費者物価指数(6月 CPI) | 10:30 | |
| 米国・MBA住宅ローン申請指数 | 20:00 | |
| 米国・米連邦公開市場委員会(FOMC) 政策金利発表 | 翌3:00 | |
| 米国・ウォーシュFRB議長 定例記者会見 | 翌3:30 | |
| 7月30日(木) | 日本・日銀金融政策決定会合(1日目) | – |
| ユーロ圏・域内総生産(四半期 GDP) | 18:00 | |
| ユーロ圏・失業率(6月) | 18:00 | |
| ユーロ圏・経済信頼感(7月) | 18:00 | |
| ユーロ圏・消費者信頼感(7月) | 18:00 | |
| 英国・BOE(英中央銀行)金利発表 | 20:00 | |
| 英国・英中銀金融政策委員会 議事要旨 | 20:00 | |
| ドイツ・消費者物価指数(7月 CPI) | 21:00 | |
| 米国・個人所得(6月) | 21:30 | |
| 米国・個人消費支出(6月 PCEコア) | 21:30 | |
| 米国・実質国内総生産(四半期 GDP) | 21:30 | |
| 米国・新規失業保険申請件数 | 21:30 | |
| 7月31日(金) | 日本・日銀金融政策決定会合 政策金利発表 | – |
| 日本・日銀展望レポート | – | |
| 日本・失業率/有効求人倍率(6月) | 8:30 | |
| 日本・東京都区部消費者物価指数(7月 CPI) | 8:30 | |
| 日本・鉱工業生産(6月) | 8:50 | |
| オーストラリア・卸売物価指数(四半期 PPI) | 10:30 | |
| 中国・製造業購買担当者景気指数(7月 PMI) | 10:30 | |
| 日本・植田日銀総裁 定例記者会見 | 15:30 | |
| ドイツ・失業者数/失業率(7月) | 16:55 | |
| ユーロ圏・消費者物価指数(7月 HICPコア指数) | 18:00 | |
| カナダ・月次国内総生産(5月 GDP) | 21:30 | |
| 米国・雇用コスト指数(四半期) | 21:30 | |
| 米国・シカゴ購買部協会景気指数(7月) | 22:45 | |
| 米国・ミシガン大学消費者態度指数(7月) | 23:00 |
重要な指標・イベント
- 7月29日(水)【翌3:00】米国・FOMC政策金利発表 / 【翌3:30】ウォーシュFRB議長記者会見
6月会合の金利据え置きを受け、利下げを急がない姿勢が示されればドルや米金利が上昇し、株式や暗号資産の下押し要因となる。反対に利下げへ近づく内容ならドル売りとリスク資産買いが進みやすい。議長発言の細かな表現変化が資金の流れを左右する。 - 7月30日(木)英国・英中銀政策金利発表/MPC議事要旨・金融政策報告
6月に3.75%据え置きを決めた英中銀が、景気減速と物価上昇の板挟みで判断を示す。委員の投票内訳や将来見通しの変更が焦点だ。利下げに慎重ならポンド買い、景気配慮を強めればポンド売りとなり、日英の金利差が意識されるポンド円は値動きが拡大しやすい。 - 7月30日(木)米国・四半期実質GDP速報値 / 6月個人消費支出(PCEコア)価格指数
経済成長を示すGDPとFRBが重視するインフレ指標のセットである。FOMCの翌日に発表され、市場の判断に直結する。GDPの下振れは成長鈍化懸念、PCEの上振れはインフレ再燃への警戒を強める、株式やドル円の売買が活発化する重要な判断材料となる。 - 7月31日(金)政策発表時刻未定/日本・日銀政策金利発表、展望レポート、植田日銀総裁記者会見
6月に金利を1.00%へ引き上げた日銀は、今回は金利の据え置きが基本シナリオと見られる。注目は「展望レポート」における物価見通しや、植田総裁の会見でのトーンである。追加の利上げに対する姿勢が意識され、円相場や国内外の株式市場の大きな変動要因となる。 - 7月31日(金)ユーロ圏・7月消費者物価指数(HICPコア速報値)
6月会合で預金金利を引き上げたECBの政策判断に直結するインフレ指標である。物価が目標の2%へ順調に向かっているかが焦点となる。予想を下回れば追加の利下げ観測が高まりユーロ売り要因に、上回れば利下げ遅れへの警戒からユーロ買い要因となる。
相場のファンダメンタル
ドル円相場は、中東情勢の緊迫化に伴う原油高と米金利上昇への警戒がドルを支え、約40年ぶりとなる163円台まで上昇した。一方、日本政府による円安けん制や為替介入への警戒に加え、日銀が追加利上げに柔軟との見方が円売りの勢いを抑えている。
今週はFOMC、英中銀、日銀の政策会合に加え、米GDPとPCE物価指数、ユーロ圏HICPが集中する。FRBがインフレ抑制を優先すれば米金利とドルを支えやすいが、景気減速への配慮を強めればドル高圧力が和らぐ可能性がある。英中銀と日銀についても、政策金利そのものより今後の変更に対する姿勢が焦点である。
市場では指標の強弱だけでなく、その結果が各国中央銀行の政策判断をどう変えるかが重視されている。強い米指標が金融緩和の先送りを意識させればドル高要因となる一方、弱い指標が利下げ期待を強めればドル安につながりやすい。原油高による物価圧力と景気減速懸念のどちらを政策当局が重く見るかが、通貨間の方向性を左右する週である。
テクニカル分析
ダウ・ジョーンズ工業株平均(Dow Jones Industrial Average)
US30の週足は、長期上昇構造を維持しながら、高値圏で上昇基調の持続性を見極める局面にある。短期・長期の回帰線はいずれも上向きを維持し、ADX(14)は37.22と高水準で推移していることから、トレンドの方向性は引き続き明確と判断される。
一方で、値動きの勢いはやや落ち着いており、上昇基調を維持しつつも、短期的には一段の加速よりも高値固めの展開が意識されやすい。
価格は過去1年間の高値圏で推移しているものの、足元では極端な過熱感は確認されない。ただし、長期移動平均線からは大きく上方に位置しており、中長期的には利益確定売りや平均回帰による調整リスクには留意したい。
外部環境では、VIXの低下が株価の下支え要因となる一方、米10年債利回りの高止まりやドル高は上値を抑える要因となる。また、US30は米国株全体との連動性を維持しているものの、足元ではUS500やNAS100に対して相対的に伸び悩む動きもみられる。
今後は、直近高値に位置する53,380付近を明確に上抜けられるかが上昇基調継続の焦点となる。一方、50,600~49,740付近はサポートとして意識されやすく、この水準を維持できるかが押し目形成か調整局面入りかを判断するポイントとなりそうだ。

S&P500指数(US500)
S&P500(US500)の週足は、長期的な上昇トレンドを維持しつつ、高値圏で上昇の勢いが継続するかを見極める局面にある。
価格はLinReg(13・52・156)の上方で推移し、短期・中期・長期の回帰線はいずれも上向きを維持している。また、KAMA(10)とALMA(52)も上昇基調を示しており、中期的な上昇構造に大きな変化はみられない。
一方、直近は7624.6付近で上値を抑えられ、短期回帰線(LinReg(20))近辺で高値保ち合いの動きとなっており、次の方向性を探る展開が続いている。
上方では7624.6を明確に上回れば7810.0が次の焦点となる。一方で、VIXとの相関はReturn、Levelともにマイナス圏を維持しており、市場心理が悪化する局面では下押し圧力が強まりやすい。こうした環境では、7229.3が中期上昇構造を維持する重要な支持帯となり、これを割り込む場合は7015.0付近まで調整余地が広がる可能性がある。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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