先週は中東情勢の緊張緩和を受けてリスクオフが後退し、市場の関心は再び米金融政策へ。
FRB議長の早期指名報道や利下げ示唆が注目される中、今週は米雇用統計やISM指数など重要指標が集中。ドル相場の方向性を大きく左右する週となる見通し。
Weekly Report【6/29】
注目の経済指標とイベント(6/30~7/4)

重要な指標・イベント
- (6/30)英・国内総生産(GDP):弱い数値ならリセッション懸念でGBP売りが進行も。
- (7/1)FRBパウエル議長・ECBラガルド総裁・EoBベイリー総裁が同時刻に発言:異なる通貨圏の政策方針が比較され、クロス円含めた通貨全体に波及。
- (7/1)米ISM製造業景気指数:雇用統計に次ぐ注目指標として米景気と利下げ観測を左右。
- (7/1)ユーロ消費者物価指数:ユーロの需給に直結し、EUR/USDやEUR/JPYに強く作用。
- (7/3)米雇用統計:FRBの金融政策見通しに直結し、ドルの大幅な変動を誘発する可能性あり。
相場のファンダメンタル
先週はイランとイスラエルの停戦合意を受け、中東情勢に伴う過度なリスクオフムードは後退した。これにより市場の関心は再び米金融政策に移行している。トランプ前大統領によるFRB議長の早期指名報道や、FRB高官の利下げ示唆が注目材料である。
今週は米雇用統計の発表を控え、市場の注目度は一段と高まっている。米GDPはコロナ初期以来の低調ぶりを示しており、雇用者数の減少が確認されれば、ドル売りに拍車がかかる可能性がある。
テクニカル分析
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
豪ドル米ドルは現在0.6548ドル付近で推移しており、上昇チャネルに沿って波を描くように緩やかな上昇基調が続いている。今後、終値で高値更新すれば、ダウ理論に基づく上昇トレンドとみなせる。
4月中旬以降、方向感に乏しい展開が続いていたが、ここにきて高値更新によりモメンタムが強まりつつある。特に短期筋のストップロスを巻き込む形で上昇が加速する可能性があり、次のターゲットはラウンドナンバーである0.66ドル付近が意識される。
オセアニア通貨ペアは、比較的に値動きが安定しておりボラティリティは穏やかだが、トレンドが発生すると数週間以上継続する傾向がある。引き続きトレンドの持続性に注目したい。

英ポンド/円(GBP/JPY)
ポンド円の日足チャートを分析する。ポンド円は一目均衡表の基準線が支持線として機能しており、先週は直近高値を上回って、2024年末の水準まで上昇している。高値更新しているため、ダウ理論による上昇トレンドが発生しているとみなせる。
原油高やポンドドルの堅調推移により、対円での相対的なポンドの強さが顕著になっている。現在、10日移動平均線からも乖離しており、どこかで反落する可能性を考慮する必要があるだろう。
195.50円は過去の高値圏でもあり、直上には200円という心理的節目も近い。反落に注意したい相場だ。
