WTI原油、急落後の攻防続く中で次の方向探る
市場では地政学リスク・プレミアムの巻き戻しが進み、株式やその他のリスク資産への資金流入が観察されている。一方で、中東情勢の不確実性は残っており、安全資産需要も並存する構造となっている。
WTI原油は急落したものの、長期的な上昇構造は維持しており、現在はその妥当性を再評価する局面にある。供給不安の後退を受けて需給の見直しが進むなか、市場は新たな均衡価格を探る段階にある。
本日は日銀会合の結果を受けた市場の反応と、FOMCを控えたポジション調整が変動要因となる。中国の景気関連指標や米住宅関連指標の結果次第では景気見通しへの評価が変化し、為替や商品市場を中心に値動きが大きくなる可能性がある。
WTI原油、急落後の攻防続く中で次の方向探る
前日価格変動TOP3
(※為替・株式・商品・暗号資産など主要資産の動き)
- BTC/USD(ビットコイン/米ドル) +3.99%
- JPN225(日経225) +3.49%
- XTI/USD(WTI原油) -3.99%
マーケットハイライト
- 米国とイランが紛争終結の覚書に合意、19日にスイスで署名式を開催へ
- ホルムズ再開観測から原油価格が急落し、エネルギー起点のインフレ懸念が一時後退
- NY連銀製造業景気指数は5.7と市場予想を下回り、ドル売りが優勢
- 本日は日銀政策金利、明日はFOMC政策金利発表を控え、市場は金融政策イベントが続く展開に
- 米ダウが最高値を更新して上昇、原油安と地政学リスク後退で買い優勢
- 日経225は大幅続伸、海外勢による株価指数先物への買いと円安で史上最高値を更新
- ドル円は続伸、株高連動の円売りと金利差意識が継続
- ユーロドルやポンドドル、豪ドルはドル安とリスク選好回復を背景に対ドルで反発
- オフショア人民元は対ドルで上昇、和平期待と米金利低下観測がサポート
- ゴールドは続伸、ドル安と実質金利低下観測で買い継続
- WTI原油は大幅続落、ホルムズ再開観測で供給不安が後退
- ビットコイン反発、リスク資産への資金流入とセンチメント改善が後押し
WTI原油(XTI/USD)テクニカル分析
WTI原油(XTI/USD)は長期的には上昇構造を維持しているものの、短期的には調整圧力が強まっている。現在は、長期上昇トレンド継続か、中期的なトレンド転換かを見極める重要局面にある。
LinReg(20)は明確な下降基調を示し、LinReg(50)もマイナス圏へ転じていることから、短中期トレンドの弱さを示している。また、価格はVIDYAおよび200ALMAも下回って推移しており、足元では売り圧力が優勢である。一方で、LinReg(100)および200SMAは依然として上向きを維持しており、長期上昇構造そのものはまだ否定されていない。
別途統計モデルによる計測では、ATR Ratioは圧縮域に位置しており、市場の値動きは落ち着きつつある。ただし、圧縮状態が長く続く場合には、その後の変動幅拡大につながる可能性がある。ZScore_LRは下方偏位を強めているものの、統計的には極端な売られ過ぎ水準には達しておらず、下落余地を完全には否定できない状況である。
マクロ環境ではドル安と株高が理論的な上支え要因となっている。一方、ホルムズ再開観測に伴う供給不安の後退が、それらを上回る形で原油価格の下押し圧力として働いている。

当面は上値では87.50、下値では78.20が重要な判断水準となる。さらに、87.50を明確に上抜けた場合は、93.50が想定レンジとなる。一方、78.20を明確に割り込む場合は長期上昇構造の毀損リスクが高まり、75.00および74.14が次の下値ターゲットとして視野に入る。市場は供給不安後退を受けた価格再評価を進めており、どちらへ抜けるかによって次のトレンド方向が決まりやすい局面にある。
本日の経済指標とイベント(6月16日)
- 日本・日銀政策金利発表
- 米国・FOMC(1日目)
- 11:00(日本時間)、中国・小売売上高(5月)
- 11:00(日本時間)、中国・鉱工業生産(5月)
- 13:30(日本時間)、豪州・RBA政策金利発表
- 15:30(日本時間)、日本・日銀 定例記者会見
- 18:00(日本時間)、ドイツ・ZEW景況感調査(6月)
- 18:00(日本時間)、ユーロ圏・ZEW景況感調査(6月)
- 21:30(日本時間)、米国・住宅着工件数(5月)
- 21:30(日本時間)、米国・建設許可件数(5月)
※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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