米・英の祝日明けで流動性が回復する5/27以降は、指標発表の影響が一段と強まりやすい地合いに
今週は米GDPやFOMC議事要旨など内容次第でドル相場が大きく振れる展開も
ビットコインは複数のテクニカル節目が重なる抵抗帯に接近しており、値動きの転換に注意
ゴールドはダブルトップ後もダイバージェンスの出現により、上昇基調に変調の兆し
注目の経済指標とイベント(5/26~5/30)

- ムーディーズによる格下げ、大型減税法案可決による米財政赤字拡大懸念からドル売り地合いに
- ドル相場は方向感を欠きやすく、速報性の高い経済指標や要人発言に振られやすい地合い継続
- ビットコインはフィボナッチ161.8%の重複レジスタンス接近で短期的な調整リスクに警戒
- ゴールドはダブルトップ後も上昇続くが、CCIにベアリッシュ・ダイバージェンス出現
相場のファンダメンタル
先週は、ムーディーズによる米国債の格下げが市場心理を圧迫した。一方、下院で大型減税法案が可決され、米当局者がドル安誘導を否定する発言もあり、ドルに対する見方が修正され、相場は方向感を模索した。
今週は、耐久財受注やGDPの下方修正があれば景気減速懸念が強まり、リスク回避のドル売りが進む可能性がある。一方、消費者信頼感指数やFOMC議事要旨が強気なら、米経済の底堅さや利下げ後ずれ観測を背景に、ドル高・金利上昇も想定される。
労働市場を含む経済指標次第で市場ムードは大きく変化し、ドル相場を中心に速報性の高い材料に敏感に反応する地合いが続く見込みである。
テクニカル分析
ビットコイン/米ドル(BTC/USD)
BTC/USDの日足チャートを分析する。現在の価格は、直近の2つの波動に基づくフィボナッチ・リトレースメントの161.8%に接近している。これら2つの161.8%水準は近似しており、その重なりによって形成される緑色の帯は、強力なレジスタンス帯として機能する可能性が高い。直近のローソク足は上ヒゲを伴いながら帯域の下限に迫っており、買い圧力の強さがうかがえるが、現時点では帯域内には達していない。
RSI(14)は70を上回って推移しており、過熱感がある。ローソク足も急角度で上昇しており、モメンタムの過熱が懸念される。現在は上昇チャネル(青破線)内で推移しており、トレンドは上向きであるが、急伸による反動や利確売りが出やすい相場。
反落や調整に転じるリスクに警戒。

ゴールド/米ドル(XAU/USD)
XAUUSDの日足チャートを分析する。ゴールドは上昇基調を維持しつつも、直近で2度の高値トライに失敗しダブルトップを形成した後も上昇が続いている。現在はフィボナッチ61.8%の3,316ドル付近が短期レジスタンスとして機能している。一方、52日移動平均線が下値を支え、押し目買い意欲も見られる。
CCI(14)は高値更新中に下降傾向を示すベアリッシュ・ダイバージェンスを観測。トレンド転換の明確な兆候はないものの、モメンタムと移動平均のバランスは拮抗しており、今後の動向には注意が必要だ。
ダブルトップとCCIのダイバージェンスは上昇勢いの弱まりを示唆し、52日移動平均線を下抜ければトレンド転換のサインとなり、下方調整圧力が強まる可能性が高い。
