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注目の経済指標とイベント(5/25~5/29)

ウィークリー分析
安藤修安藤修
注目の経済指標とイベント(5/25~5/29)

米国の物価高止まりと堅調な景気指標を背景に、FRBの利下げ開始時期後退が市場の中心テーマとなっている。一方で、原油高によるインフレ圧力と高金利維持への警戒が併存し、各国中銀の政策見通しに対する織り込みが不安定化している。

米国の物価高止まりとFRB利下げ見通しの後退という環境の中で、米国株式相場は構造的な転機を迎えている。NASDAQ 100はAI関連投資の継続と大型企業の盤石さを背景に短中期モメンタムを維持し、30,000円の大台突破へ向けた上値模索が続いている。他方、Russell 2000は中長期の上昇トレンドは継続する一方で、その金利感応度の高さから、高値圏での調整圧力が高まっており、両指数の成長パターンが分岐している状況にある。

今週は米国PCEデフレーターと実質GDPが同時発表となり、「インフレ」と「景気」の再評価が市場変動の中心となる構造である。加えて豪CPIやRBNZ政策金利、ドイツCPI速報値も重なり、各国の利下げ時期に対する織り込み修正が為替・株式双方のポジション調整を拡大させる可能性がある。

注目の経済指標とイベント(5/25~5/31)

日付経済指標とイベント日本時間
5/25(月)米国・英国 休場
5/26(火)米国・ケース・シラー米住宅価格指数(3月)22:00
米国・消費者信頼感指数(5月コンファレンス・ボード)23:00
5/27(水)豪・消費者物価指数(4月CPI)10:30
ニュージーランド・NZ中央銀行(RBNZ)政策金利11:00
米国・リッチモンド連銀製造業指数(5月)23:00
5/28(木)ユーロ圏・消費者信頼感(5月確定値)18:00
ユーロ圏・経済信頼感(5月)18:00
米国・個人所得(4月)21:30
米国・個人消費支出(4月PCEデフレーター)21:30
米国・実質GDP(四半期、速報値)21:30
米国・新規失業保険申請件数21:30
米国・耐久財受注(4月)21:30
米国・新築住宅販売件数(4月)23:00
5/29(金)日本・失業率(4月)8:30
日本・鉱工業生産(4月)8:50
ドイツ・失業率(5月)16:55
ドイツ・消費者物価指数(5月CPI速報値)21:00
カナダ・実質GDP(四半期)21:30
5/31(日)中国・製造業PMI(5月購買担当者景気指数)10:30
中国・サービス業PMI(5月購買担当者景気指数)10:30

重要な指標・イベント

  • 5月27日(水)豪・4月消費者物価指数(CPI)
    豪州ではサービス価格や住宅関連コストの高止まりが続いており、「物価上昇がどこまで落ち着くか」が焦点となっている。直近は米国の金利上昇に加え、中国景気への不安も重なり、豪ドルは買い材料と売り材料が交錯する状態が続いている。今回のCPIは、豪州の金利政策見通しを左右する材料として注目される。
  • 5月27日(水)ニュージーランド・NZ中央銀行(RBNZ)政策金利
    ニュージーランドでは物価上昇率の鈍化が進む一方、住宅関連やサービス分野の価格はなお高水準にある。今回の会合では政策金利だけでなく、「いつ利下げへ動くか」という今後の説明内容が焦点となる。結果次第ではNZドルだけでなく、近い値動きをしやすい豪ドル相場にも影響が広がりやすい。
  • 5月28日(木)米国・個人消費支出(4月PCEデフレーター)
    FRBが特に重視する米国の物価指標であり、今後の金利政策に直結しやすい。最近は原油高と米長期金利上昇が同時進行しており、市場では「インフレ再加速」への警戒が再び強まっている。前週までの強い経済指標を受け、今回も物価の伸びが高止まりするかが大きな注目点となる。
  • 5月28日(木)米国・実質GDP(四半期速報値)
    米国経済の成長ペースを確認する重要指標であり、個人消費や企業の設備投資の強さを通じて、ドル相場や株式市場に大きな影響を与える。足元ではAI関連を中心とした大型投資が景気を支える一方、高金利による消費減速への警戒も強まっている。今回は米PCEデフレーターと同時発表となるため、「景気」と「物価」が同時に確認される点が焦点となる。
  • 5月29日(金)ドイツ・消費者物価指数(5月CPI速報値)
    ユーロ圏最大の経済国であるドイツの物価データであり、欧州中央銀行(ECB)の政策判断やユーロ相場に影響を与える重要指標となる。特にエネルギー価格の安定度やサービス分野の物価動向が注目される。最近はユーロ圏全体でインフレ鈍化が確認されており、その流れが続くかによってECBの利下げ時期への見方も変わりやすい。

相場のファンダメンタル

為替市場では、インフレ指標の高止まりを背景に、FRBの利下げ開始時期をめぐる不確実性が高まる中、ドル買い圧力が続いている。一方、日銀の6月追加利上げの可能性が意識されるものの日米金利差は依然としてドル優位であり、ドル円相場を下支えする構造は残っている。

今週の最大の焦点は、FRBが政策判断で重視する米4月PCEデフレーターである。あわせて発表される米四半期実質GDPでは、個人消費や設備投資の強さを通じて、高金利下でも米景気が底堅さを維持しているかを確認する必要がある。

市場では指標の強弱そのものより、それが中央銀行の政策判断へどう影響するかが重視されている。原油高というコストプッシュ型インフレ圧力は、各国に共通する課題である。その影響度は国ごとに異なり、各国中銀は難しい政策選択を迫られている。このような不確実性が高い環境では、個別指標の結果を受けても市場の反応が一貫しない可能性があり、足元の為替相場は単純な景気観だけでは説明しづらい不安定な値動きが続いている。

テクニカル分析

Russell 2000(US2000)

現在のRussell 2000(US2000)週足は、年次回帰構造ではLinReg(100)が上向きを維持しており、中長期の上昇トレンド自体は継続している。

一方で、短期回帰帯との乖離縮小や相関構造の変化など、統計的にはトレンド推進力と価格形成効率の低下が進行しており、内部モメンタムにはやや不安定さも残されている。

現状は、上昇トレンド内における高値圏での再均衡局面とみられ、強い上放れ局面というより、方向感を維持しながら調整圧力が混在する状態と整理される。加えて、ドル指数や米長期金利の動向は小型株の流動性環境に影響を与えやすく、NASDAQとの相対強弱にも注意が必要となる。

2909.83は重要抵抗帯であり、上抜けが確認されれば統計構造上も上方拡張への可能性が高まる。一方、2615.80割れは高値圏調整の深まりを示す水準であり、さらに2460.94割れでは広範囲調整への転換点となるため、注視が必要である。

【Russell 2000 週足チャート】

NASDAQ 100(NAS100)

NASDAQ 100(NAS100)の週足は、LinReg(20)が上向きを維持しており、長期ドリフトと中期モメンタムは上方向で整合している。特に短中期Slopeの加速が確認されることから、現在は単なる安定上昇ではなく、再加速圧力を伴う上方向構造に位置している。

トレンド強度を計る指標は改善を示しており、価格構造自体は依然として強い。一方、価格変動の構造的な複雑さを表す指標では効率性の低下を示しており、価格方向は維持されているものの値動きのランダム性が上昇している。

ATRベースのボラティリティ指標は拡張方向へ移行しつつあるが、標準化スコアで示される価格水準は依然として統計的過熱水準には達しておらず、現局面は「急騰型過熱」ではなく「持続型高値圏」と整理される。

今後、30000を明確に突破した場合は31250方向への拡張余地が意識されやすい一方、28125を下抜ける場合は短期加速構造の鈍化を通じ、26560近辺への回帰圧力が強まる。今週は、米利下げ時期の市場織り込みがボラティリティ変化として映りやすいため、ドル指数との連動性に注視する必要がある。

【NASDAQ 100 週足チャート】

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。

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