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2025年 ドル円、ビットコインを振り返る

経済分析安藤修安藤修
2025年 ドル円、ビットコインを振り返る

【年末特別号】 2025年最後のレポートをお届けします。本号では、ドル円とビットコインの年内相場を振り返ります。ドル円は157円台で上値が重く、ビットコインは最高値から調整中。年明けに向けた整理として、ご活用ください。

2025年 主要イベント・ハイライト

■ 米国金融政策

FRBは9月から3会合連続で各0.25%利下げを行い、12月時点でFF金利は3.50〜3.75%に到達した。一方、FOMCはインフレと雇用のリスク評価で割れる中、2026年の追加利下げは「1回程度」にとどまる慎重な見通しを維持している。

■ 日銀の政策正常化

日銀は1月に0.5%へ、12月に0.75%へと段階的に政策金利を引き上げた。政策金利は1995年以来30年ぶりの水準に到達した。長期金利は一時2%を突破し、「金利のある世界」への移行が進んだ。

■ トランプ関税政策

4月の相互関税発表を皮切りに、8月には日本への15%関税が発動。米中間では関税率が一時145%のまで引き上げられ、関税政策の応報の様相を呈した。不確実性の高まりがリスク資産に影響を及ぼした。

■ 貴金属相場

ゴールドは安全資産としての需要を背景に年間を通じて堅調に推移し、史上最高値を更新した。インフレ懸念や地政学リスク、中央銀行の金購入が価格を下支えした。

■ 暗号資産市場

ビットコインは10月に史上最高値を更新。現物ETFには年間を通じて大規模な資金流入が続き、ブラックロックが主要投資テーマの一つに選出するなど、機関投資家の関心の高さが示された。

ファンダメンタル総括

2025年は、日米の金融政策が転換点を迎えた年だった。米国ではインフレ鈍化を受けて利下げが再開し、日本では17年ぶりの利上げ水準に到達した。ドル円相場は、この日米金利差の変化を織り込む形で推移した。

安全資産とリスク資産の動きも対照的だった。金は地政学リスクや中央銀行の買い需要を背景に史上最高値を更新。一方、ビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれることもあるが、金が史上最高値圏を維持する中、ビットコインは10月高値から調整局面にある。両者の値動きは対照的だった。

米ドル/円(USD/JPY)テクニカル分析

11月以降の上昇基調は年末にかけて一巡し、足元では157.90円を上値として伸び悩む展開となっている。ローソク足は52週SMAを基準としたエンベロープ上限付近で推移しており、パラボリックSARとの乖離が拡大する中で、年内の上昇局面における過熱感が意識されやすい状態にある。

一方、価格は52週SMAを大きく上回る水準を維持しており、中長期的なトレンドの方向性に変化は見られない。ADXは43台と高水準を維持し、+DIが−DIを上回る状況が続いていることから、年内相場においては明確なトレンドが成立していたことが確認できる。

年末時点では、157.90円近辺での上値の重さとモメンタムの落ち着きが同時に観測されており、相場は上昇トレンドの途中段階で一服する形で年を終えようとしている。下方向では154.34円や152.82円といった水準が、年末の値動きの中で意識されてきたゾーンとして整理される。

【評価】年内を通じて形成された上昇トレンドが否定されたわけではなく、勢いが収束する局面に移行したと評価できる。

【USDJPY/週足チャート】

ビットコイン/米ドル(BTC/USD)テクニカル分析

10月に史上最高値12.6万ドルを更新して以降、調整基調で推移している。現在の価格は52週SMAを下回っており、年内の上昇局面はいったん収束した状態と評価できる。52週SMAは横ばいから緩やかに下向きへ転じており、調整色の地合いが意識されやすい構図である。

パラボリックSARはローソク足上方に位置しており、週足ベースでは弱含みの状態が続いている。また、年末にかけてADXは上昇に転じており、相場がレンジ的な停滞ではなく、明確な方向性を伴う調整局面として推移していると察することも可能である。

価格帯では8.7万ドル近辺が現在の価格を支えており、年末時点では10万ドルを目指す動きは確認されておらず、週足ベースの評価は引き続き調整局面に位置づけられる。逆に8.0万ドルを割り込む場合は、調整が一段深まる可能性がある。

【評価】年末時点のビットコイン相場は、過去最高値更新後の調整局面にある。週足の基調は弱含みであり、8万ドルを割り込む場合は調整が一段と深まる展開も視野に入る。年明け以降、8万ドルの支持が試される可能性がある。

【BTCUSD/週足チャート】

総括

2025年の為替市場は、日米金融政策の転換を織り込む形で推移し、ドル円は年内の円安基調が一服する形で年末を迎えている。ビットコインは、10月の史上最高値から調整が続いており、反転の兆しはまだ見えていない。

本号では年内相場の確認にとどめ、2026年の見通しについては年明け以降に改めて整理する。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。

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