【新年特別号】2026年 ドル円、ビットコイン月足分析
【新年特別号】 新年最初のレポートをお届けします。市場は休場で動きは限定的ですが、相場の構造は年をまたいでも連続しています。本号では時間軸を長期(月足チャート)に引き上げ、ドル円とビットコインの現在地を俯瞰します。年初の位置確認として、ご活用ください。
(月足で見るドル円とビットコインの現在地)
地図を広げる前に
大相場となった2025年が終わり、2026年が始まった。月足チャートにも新しいローソク足が加わった。
ところで、普段から月足を確認するトレーダーはどれくらいいるだろうか。日足、長くても週足までという方も多いだろう。しかし、新年の最初には月足を分析してみることをお勧めしたい。月足は1年で12本。そこには相場に参加するトレーダーの心理が詰まっており、2026年がどのように動くかという大局観を見極めるうえで参考になると、私は考えている。
日足や週足を見ていると、どうしても目先の上下に意識が引っ張られる。しかし月足まで引いてみると、数年単位のトレンドや、今の価格がどの水準にあるのかがはっきりしてくる。
相場の格言に「日足に味あり、週足に技あり、月足に富あり」という言葉がある。相場が落ち着いているお正月に見直してみると、月足ならではの「富」が見えてくるかもしれない。
今回は特別編として、新しい材料が出そろう前の静かな時期に、月足チャートを手がかりにドル円とビットコインが今どのあたりにいるのかを確認していく。
2025年の為替(FX)・暗号資産(仮想通貨)市場を振り返る
2025年はドル円などのFX市場、ゴールドを含む貴金属市場、暗号資産、株式市場、どの市場も大相場となった。これほど多くの市場が同時に急上昇した年は、相場の歴史の中でも珍しい。私も長年相場の世界にいるが、記憶に残る1年だったと感じている。
2025年は、日銀の利上げによりドル円相場が大きく動いた。12月には日本の政策金利が0.75%に引き上げられた。これは30年ぶりの水準である。
それにもかかわらず、ドル円は円高トレンドにならず、むしろ円安に振れた。この点が記憶に残っているトレーダーも多いだろう。日米金利差が縮小しているのに円安が進む――この現象の背景には、新たなファンダメンタル要因があると推測できる。
暗号資産の代表格であるビットコインも12万6000ドルまで上昇した。しかし、その後は急激に失速し、8万8000ドル付近まで下落している。まさにジェットコースターのような、投機主導の相場だった。
次のセクションでは、月足チャートを用いてその現在地を確認する。
米ドル/円(USD/JPY)テクニカル分析
USD/JPYの月足チャートを見ていこう。
2025年の値動きは、最高値158.88円、最安値139.89円に収まり、2024年と比べるとレンジ幅はやや落ち着いた。一方向に走り続ける相場というより、価格帯の中でバランスを取り始めた一年だったという印象が強い。
日足のイメージと月足のイメージは違うな、と感じるトレーダーも多いのではないだろうか。日足だと「大トレンドが続いた2025年」と感じている方も多いと思うが、月足にドンチャンチャネルを表示してみると、ほぼレンジ内に収まっている。つまり月足単位で見れば、レンジ相場の一部だったと捉えることもできる。
レンジ相場は、次のトレンドを発生させるためのエネルギーを蓄える期間でもある。2026年に月足単位で再びトレンド相場に移行するのか、注目しておきたい。
ローソク足は通年を通して36EMA(約3年分の指数移動平均)を上回って推移しており、とくに4〜6月にかけては、このラインが中長期の支持帯として意識されていた。月足で見る限り、円安基調そのものが崩れたと判断する場面には至っておらず、価格は引き続き長期平均の上方にある。
ドンチャンチャネル(Donchian Channel/過去12ヶ月の高値・安値)は高値圏を維持している。一方で、ミドルラインと36EMAの距離は年後半にかけて徐々に縮まり、上昇スピードが落ち着いてきた様子がうかがえる。トレンドが終わったというより、上昇の途中で一度足元を固めにきているような動きと受け取っている。
MACDは年後半から低下基調となり、月足レベルでの勢いはやや弱まってきた。ADXも同様に低下しており、トレンドの強さは一服している状態だ。値動きが止まったわけではないが、以前のような加速感は見られなくなっている。
【今後の着目点】
USD/JPYは長期的な円安の流れを保ちながらも、2025年後半以降は「勢いで押し上げる相場」から「価格帯を意識する相場」へと移りつつある。年初の段階では、無理に方向を決めつけるよりも、36EMA付近を軸とした位置関係を確認しながら、次の市場の反応を落ち着いて見ていきたい局面と考えている。

ビットコイン/米ドル(BTC/USD)テクニカル分析
BTC/USDの月足チャートを分析していこう。
2025年は最高値126,293ドル、最安値74,394ドルと、月足ベースでも値幅の大きさが目立つ一年だった。市場の関心と資金流入は強かったが、その分、ポジションの持ち方によっては神経を使う場面も多かったと感じている。
ローソク足は通年を通して48EMAの上方で推移しており、中長期の上昇基調は崩れていない。少なくとも月足で見る限り、ビットコインの構造的な上昇トレンドが否定されたと判断する局面には、まだ至っていない。
ドンチャンチャネル(Donchian Channel/過去12ヶ月の高値・安値)も上向きを維持している。ただし、年後半にかけては上昇一辺倒から下落に転じており、相場が一度バランス調整に入った印象を受ける。それでも、ミドルラインは48EMAを大きく上回っており、長期トレンドは継続中と判断できそうだ。
StdDev(標準偏差:価格のばらつき)は高水準にあり、値動きの荒さは依然として大きい。ADX(24)も上昇基調を保っており、2025年のビットコイン相場は、断続的な調整を挟みながらも、トレンド性を失わずに推移してきたといえる。
【今後の着目点】
BTC/USDは長期的な上昇構造を保ちながら、高いボラティリティの中を通過している。年初時点では短期的な方向を断定するよりも、48EMAやドンチャン・ミドルからの距離感といった長期的な位置関係に注目したい。特に、過去12ヶ月の安値である7万4000ドル付近で反発できるかが一つの焦点になる。押し目買いの動きも出てきそうだが、2025年の急騰相場の調整局面と考えれば、ある程度の調整期間が続く可能性もありそうだ。

ドル円とビットコインの共通点
ドル円とビットコイン。市場はまったく異なるが、月足チャートを並べて見ると、いくつか共通する点が見えてくる。
まず、両市場とも2025年を通して長期移動平均線の上方で推移してきた。ドル円は36EMA、ビットコインは48EMAを上回った状態を保っており、価格水準そのものは高い位置にある。ただし年後半にかけては、どちらも上昇の勢いが少し落ち着いてきた印象がある。トレンドが崩れたというより、「一度、息を整えている」という見方がしっくりくる。
一方で、両者の背景にある時間軸は大きく異なる。ドル円の36ヶ月という期間は、中央銀行の金融政策や企業の中期的な意思決定といった、人間の判断や行動に基づく時間軸だ。これに対し、ビットコインの48ヶ月は、およそ4年ごとに訪れる半減期という、あらかじめプログラムされたサイクルに根ざしている。
こうした異なる時間軸を持つ二つの市場が、ともに長期平均の上にあり、かつ勢いが収束する局面に差しかかっている。単なる偶然として片付けるには興味深い現象だ。金利差、流動性、リスクに対する姿勢など、複数の要因が絡み合う中で、資金がどこに向かおうとしているのか。もう少し時間をかけて見ていく必要がありそうだ。
年初の段階では、方向を急いで決めにいくよりも、まずは位置関係を頭に入れておく。そのくらいの距離感で相場と向き合うのがちょうどいいと考えている。
2026年初の市場概観
2026年最初のレポートでは、月足チャートを用いてドル円とビットコインの現在地を確認した。
ドル円は長期的な円安基調を維持しつつ、年後半以降は勢いよりも価格帯の安定性が意識される局面にある。ビットコインは高いボラティリティを内包しながらも、構造的な上昇トレンドは崩れていない。いずれも「トレンドの途中で一服している」という共通した位置にある。
年初はまず、現在地の把握から。
※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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