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【2026年】ドル円とビットコインの「現在地」を定点観測

経済分析
安藤修安藤修
【2026年】ドル円とビットコインの「現在地」を定点観測

年始の取引参加者が少ない時期は、相場の「健康診断」に最適です。流動性が低いからこそ見える「本当の均衡水準」を、ドル円とビットコインの日足チャートから紐解きます。

この記事のポイント

なぜ今見るのか:ノイズが少ない今こそ、次の動きの「基準点」が明確になる。

  • ドル円:長期平均の上方、158円を意識した高値圏での均衡。
  • ビットコイン:10万ドルの大台を下回り、調整後の模索が続く。

(嵐の前の静けさを読み解く)

1.静かな相場を「定点観測」する意義

年末年始は取引参加者が減少し、流動性が低下する。多くの市場参加者は年内にポジション調整を終えており、新規の売買は限定的になりやすい。

こうした環境では、価格は大きく動きにくい。しかし、それは観測者にとって絶好の機会でもある。材料に振り回されず、相場がどの水準で均衡しようとしているかを落ち着いて確認できるからだ。

本号では、この静かな局面を利用して、ドル円とビットコインの日足チャートから現在地を定点観測する。相場が再び動き出したとき、この基準点が判断の手がかりになる。

2.法定通貨と暗号資産:対照的な信認の構図

ドル円とビットコイン。この二つを並べて観測するのは、単に値動きを比較するためだけではない。

法定通貨は各国の金融政策や財政状況に左右される。近年、主要国の債務拡大やインフレ対応を背景に、法定通貨の購買力に対する懸念が広がっている。円も例外ではなく、日銀の政策正常化が進む中でも、円の価値をどう捉えるかは市場参加者の間で見方が分かれている。

一方、ビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)は、法定通貨への代替手段として注目を集めてきた。発行上限に制約があり、中央銀行の裁量に左右されにくい点が支持される理由の一つである。

ただし、暗号資産が法定通貨に代わる「信認された価値保存手段」になっているかといえば、まだ道半ばである。価格変動の大きさ、規制の不透明さ、実需の乏しさなど、信認を得るまでには課題が残る。

つまり、法定通貨は信認が揺らぎつつあり、暗号資産は信認を獲得する途上にある。この構図を頭に入れた上で、両市場の現在地を見ていきたい。

3.【USD/JPY】ドル円の日足分析:高値圏での「静かな均衡」

USDJPYの日足チャートを確認する。

価格は200日EMAを上回る水準を維持しており、長期平均から大きく崩れる動きは見られない。日銀の追加利上げ観測や当局の円安牽制など材料は存在するが、年初の薄商いの中で反応は限定的にとどまっている。高水準での均衡が続いている状態だ。

ケルトナーチャネル(20,ATR-1・2)を見ると、直近のローソク足はATR-1帯の中で推移している。加速的な動きは出ておらず、相場は一定の行動範囲に収まっている。

価格水準としては、上方向では158.00円付近が心理的な節目として意識されやすい。この水準を上回ると当局の介入警戒が高まる領域でもある。下方向では154.50円近辺が短期的な安定帯として機能している。現在はこのレンジ内で推移しているが、上値または下値を積極的に試す動きには至っていない。

標準偏差(StdDev)は年末にかけて低下し、足元では横ばい圏にある。値動きの大きさは一巡しており、相場が次の材料を待ちながら均衡水準を固めている段階と捉えられる。

※用語補足(初心者の方向け)

・ケルトナーチャネル:価格の平均値を中心に、最近の値動きの大きさを基準として、価格が収まりやすい上下の幅を示した指標。

・「20」:平均を計算する際の期間(日足なら直近20日)。

・ATR-1帯:平均値から、直近の相場でよく見られる値動きの大きさ分だけ上下に広げた範囲。この範囲に収まっている間は、価格は比較的落ち着いて推移していると考えられる。

・標準偏差:価格の上下動が、どれくらい大きいか・小さいかを数値で表したもの。これが低下している局面では、価格の上下幅が縮まり、相場が落ち着いた状態にあると読み取れる。

【USDJPY/日足チャート】

4.【BTC/USD】ビットコインの日足分析:調整後の「模索フェーズ」

BTCUSDの日足チャートを確認する。

価格は200日EMAを下回る水準で推移している。11月以降の下落と調整を経て、長期平均より低い領域で均衡を探っている状態だ。ドル円が高値圏で均衡しているのとは対照的である。

ケルトナーチャネル(20,ATR-1・2)では、直近のローソク足がATR-1帯の中に収まり、上下への拡散は見られない。短期的な売買は行われているものの、新たなトレンドを生むほどのエネルギーは出ていない。

価格帯としては、10万ドルが引き続き象徴的な節目として意識される。足元では8万7000ドル前後が均衡帯として機能しており、下方向では8万ドル近辺が次の注目水準となる。現時点で急激な下押しを示す動きは限定的だ。

標準偏差は11月下旬のピーク後に急低下し、現在は低水準で横ばいとなっている。急変動の後に訪れた静けさであり、ドル円の緩やかな収束とは異なるパターンである。調整後に相場が呼吸を整えている段階と見ている。

【BTCUSD/日足チャート】

5.二つの市場が示すもの

ドル円とビットコインを同じ日足という物差しで見ると、どちらも静かに推移している。しかし、その静けさの質は異なる。

ドル円は200日EMAの上方、つまり長期平均より高い位置で均衡している。日銀の政策動向や介入警戒といった材料を抱えながらも、年初の薄商いの中で大きな反応には至っていない。高値圏での様子見という状態だ。

ビットコインは200日EMAの下方、長期平均より低い位置で均衡を探っている。急落後の調整を経て、次の方向を模索している段階にある。

ボラティリティの推移にも違いがある。ドル円は10月後半から緩やかに低下し、徐々に収束してきた。一方、ビットコインは11月中旬の急変動後に急低下しており、静けさに至る経緯が異なる。

法定通貨への信認が揺らぐ中、暗号資産への関心は高まっている。しかし、暗号資産が信認された価値保存手段になるには、まだ時間がかかる。この過渡期において、両市場が異なる段階で均衡している点は興味深い。どちらが優位かという話ではなく、それぞれが置かれた位置を把握しておくことが、今後の判断に役立つと考えている。

6.まとめ:年初の現在地を「物差し」にする

年初の相場は、方向を当てに行く局面ではない。この「静かな均衡」を定点観測しておくことで、連休明けに大きな動きが出た際、それが「行き過ぎ」なのか「トレンド転換」なのかを冷静に判断できるようになる。

まずはチャートを開き、現在の価格水準を自分の「物差し」として刻むことから始めたい。

本日はまず、現在地の確認から。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。

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