ゴールドは上昇構造維持、4600ドル近辺の価格帯に注目
米国株はS&P500が9週連続で上昇し、日経平均とTOPIXも過去最高値を更新した。地政学リスク後退と企業業績期待が相場を支える構図が続いている。利下げ時期を巡る不透明感は概ね織り込みが進む一方、ゴールドの反発やビットコインの出遅れが示すように、市場内部では成長とインフレの評価が完全には収束していない構造となっている。
ゴールドは200SMAを上回って推移しており、長期上昇構造を維持している。一方で、短期的には上値が抑制されている局面にある。4600ドル近辺には複数の均衡価格推定指標が集中しており、調整局面の継続・終了を判定する上での重要な価格帯となっている。
本日は中国、欧州、米国で製造業PMIが相次いで公表され、米ISM製造業景況指数は週明けの価格形成を左右しうる材料として注目されている。足元の株高は景気減速懸念の後退を織り込む形で進んでいるとみられるため、市場予想を下回る場合には、リスク資産全体でボラティリティ上昇が意識される局面となりうる。
前日価格変動TOP3
(※為替・株式・商品・暗号資産など主要資産の動き)
- XAU/USD(ゴールド/米ドル) +0.98%
- NZD/JPY(NZドル/円) +0.93%
- XTI/USD(WTI原油) -1.02%
マーケットハイライト
- 米イラン停戦延長観測で地政学緩和、株高・原油安の流れ継続
- 中国製造業PMIは前月から0.3ポイント悪化の50.0、非製造業(サービス業)は50.1へと改善
- VIXは続落、マクロ環境の安定で市場の警戒感が後退
- 米S&P500は9週連続の上昇、原油価格の急落とテクノロジー株への資金集中で上値拡大
- 日経225は続伸、海外勢主導の買い継続でTOPIXとともに過去最高値
- ドル円は159円台前半で横ばい、米金利低下と日米金利差意識が拮抗
- ユーロドル続伸、ドル軟化とECBのインフレ警戒姿勢がユーロを支える
- 豪ドル上昇、中東情勢をめぐるセンチメント改善でリスク感応型通貨の需要が押し上げ
- オフショア人民元は対ドルで上昇、ドル安進行と中国需要期待が下支え
- ゴールドは続伸、米実質金利低下と中東情勢不透明感で買いが継続
- WTI原油は続落、米・イラン停戦期待で需給懸念後退
- ビットコインは小幅上昇、米株高・リスクオンの流れに追随し堅調
ゴールド/米ドル(XAU/USD)テクニカル分析
ゴールド(XAU/USD)は200日SMAを上回って推移しており、長期的な上昇構造は維持されている。一方で、線形回帰線(LinReg)は短期足・中期足ともマイナス圏にあり、短期的な上値抑制が示されている。
独自算出の内部指標であるHurst指数は一定のトレンド特性を維持しているものの、ATR Ratioは低下基調にある。このことから、現局面はトレンド加速よりもエネルギー蓄積が進む圧縮局面を示唆している。
XAU/XAGレシオは下落基調から持ち直しの兆しを示しており、銀に対するゴールドの相対優位が回復しつつある。一方、XAU/VIXの逆相関が継続していることから、現状では市場の恐怖感そのものが価格形成を主導している状況とは言い切れない。株式市場でリスク選好が続く中でもゴールドが底堅さを維持している背景には、実質金利や流動性要因が影響している可能性がある。
価格推移の観点からは、4600ドル近辺に複数の平滑化・回帰系指標が集中しており、市場参加者がフェアバリューとして認識しやすい水準となっている。この水準は単なるレジスタンスというよりも、市場参加者のコスト認識が収束する価格均衡帯として機能している可能性が高い。
そのため、価格が4600ドルを回復するかだけでなく、その上で定着できるかが調整終了を判断するうえでの重要な確認材料となる。一方で、4375ドルを下抜けた場合は調整延長の可能性が高まり、次の主要サポートレベルである4098.9ドル近辺への到達が想定される。

当面は、4600ドル付近での価格定着の有無と、ボラティリティ再拡大の有無が、現局面を評価するうえでの重要な確認材料となる。
本日の経済指標とイベント(6月1日)
- 10:45(日本時間)、中国・RatingDog製造業PMI(5月購買担当者景気指数)
- 16:55(日本時間)、ドイツ・製造業PMI(5月購買担当者景気指数・改定値)
- 17:00(日本時間)、ユーロ圏・製造業PMI(5月購買担当者景気指数・改定値)
- 17:30(日本時間)、英国・製造業PMI(5月購買担当者景気指数・改定値)
- 18:00(日本時間)、ユーロ圏・雇用統計(4月)
- 22:45(日本時間)、米国・製造業PMI(5月購買担当者景気指数・改定値)
- 23:00(日本時間)、米国・ISM製造業景況指数(5月)
※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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