ユーロドル、米ドル高が上値抑えるなか方向感を模索
ECBの25bp利上げ決定と米PPIが示した根強いインフレ圧力が意識され、FRB追加利上げ観測と中東の供給リスクへの警戒が市場全体を左右している。欧州金利上昇と米金利高止まりが拮抗する中、原油価格の上昇がインフレ再加速懸念を強め、リスク資産への慎重姿勢が広がっている。
本日のテクニカル分析銘柄であるユーロドル(EUR/USD)は、短期で上昇の勢いが鈍り、中期は上昇基調を維持、長期では方向が揃っていない。ECBの追加引き締め観測が下支えするが、米金利高とドル買いが上値を抑え、ADX低下もトレンドの強さの後退を示している。
本日は21:30の米8月消費者物価指数(CPI)が中心となり、生産者物価指数(PPI)に続いてインフレ圧力の強さが示されるかがFRB政策金利見通しの再評価につながる。発表前後のポジション調整と米金利の織り込み修正が重なれば、流動性の変化を伴って為替・株式の変動幅が拡大する可能性がある。
注目の値動きTOP3
(※直近10日間の平均的な値幅と比較:ATR倍率)
- XTI/USD(WTI原油) ↑ 2.23倍
- AUD/USD(豪ドル/米ドル) ↓ 1.92倍
- GBP/USD(英ポンド/米ドル) ↓ 1.15倍
マーケットハイライト
- 紅海の供給リスク拡大、フーシ派のモカ港制圧で原油は100ドル超へ上昇
- ECBが2会合ぶり0.25%利上げ、預金金利2.50%で独10年債利回り上昇・欧州株は下落
- 米8月PPIは前年比+5.4%、根強いインフレ圧力を受けFRB利上げ観測強まる
- DXY(米ドル指数)は上昇、米PPIを受けたFRB追加利上げ観測がドル買いをけん引
- 米株主要指数は軟調、米PPI上昇に伴う金利上昇と中東地政学リスクの緊迫化が重荷
- JPN225(日経225連動CFD)は続落、中東リスクと原油高によるコスト圧迫懸念で売り優勢
- ドル円は反発、米金利上昇によるドル高圧力が円売りを誘う
- ユーロドルは反落、ECB利上げは織り込み済みで昇材料として作用しにくく上値を抑える展開
- 豪ドル(AUD/USD)は反落、世界的なリスク回避姿勢の高まりとドル高が重石となり軟調
- 人民元(USD/CNH)は元安、米金利上昇によるドル高圧力と中国景気不透明感が重荷
- ゴールド(XAU/USD)は反落、米実質金利の上昇とドル高が非金利資産の魅力を低下させ売り優勢
- ビットコイン(BTC/USD)は続落、米金利上昇によるリスク選好後退と高値圏からの調整売りが継続
ユーロドル(EUR/USD)テクニカル分析
ユーロ/米ドル(EUR/USD)の日足は、超長期では上昇基調を保つ一方、中短期では方向感を探る調整局面にあり、価格はLinReg(520)を下回りLinReg(200)の上方を維持することから上位時間軸の方向性は一方向に定まっていない。
時間軸別では、LinReg(20)がほぼ横ばいとなって直近の上昇の勢いが鈍化する一方、LinReg(50)は上向きを維持しており、中期的な上昇構造の崩れは確認できない。さらに、ADX(14)は8月中旬の48台から15台まで低下し、+DIと-DIの差も縮小していることからトレンドの強さそのものは後退しており、超長期と長期の方向が一致しないなかで、中期は上向き、短期は勢いが鈍化するという階層構造が読み取れる。
このADXの低下は、8月中旬の急伸ローソク以降、ローソク足の値幅がKAMA・VIDYA・SMA(200)・LinReg(20)周辺へ縮小している動きと同時進行している。急伸後の買いの勢いが一服し、現在は次の方向性を模索する局面に移行したとみられる。今後は、1.16880突破によって買い方が再び主導権を握るか、SMA(200)割れによって売り圧力が強まるかを見極める段階にある。
価格はKAMA付近で下げ止まり、VIDYAも下方から緩やかに上向きつつあり、SMA(200)も現在値付近に位置することから、この一帯は押し目買いが機能するか戻り売りに押されるかを見極める攻防領域となっている。
上値は1.16880が焦点で、LinReg(50)とともに終値ベースで明確に上抜ければ1.17190が視野に入り中期上昇への回帰が確認されやすくなる一方、SMA(200)・KAMA周辺を維持できずVIDYA方向へ押し戻される場合は1.15660、さらに1.15360までの調整継続を警戒すべきである。

現時点では上昇再開を先取りするより、値幅収縮後の方向選択と1.16880突破の有無を見極める局面と言える。確認すべきポイントは、1.16880を終値ベースで明確に突破できるか、SMA(200)・KAMAを割り込む場合にローソク足の実体幅が拡大するか、さらにADX(14)が下げ止まり再上昇へ転じるかである。
本日の主な経済指標とイベント(9月11日)
- 7:30(日本時間)、ニュージーランド・ビジネスNZ PMI(8月)
- 8:50(日本時間)、日本・国内企業物価指数(8月)
- 15:00(日本時間)、英国・鉱工業生産(7月)
- 15:00(日本時間)、英国・製造業生産高(7月)
- 21:30(日本時間)、米国・消費者物価指数(8月 CPI/CPIコア)
- 23:00(日本時間)、米国・ミシガン大学消費者信頼感指数(9月 速報)
- 翌3:00(日本時間)、米国・月次財政収支(8月)
※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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