ユーロ円、下落基調続き円キャリー巻き戻しに警戒
欧州金利高や原油高によるインフレ警戒が続く一方、日本では金融政策正常化への織り込みが進行している。金融政策期待の差が資金フローを左右する中、株式と為替で方向感が分かれる構造となっている。
本日のテクニカル分析銘柄であるユーロ/円(EUR/JPY)は大幅反落し、日銀の9月利上げ観測の強まりなどを背景とした円買いを受けて179円台へ低下した。欧州金利高がユーロを支える中でも円買いが優勢で、短中期では下降基調が鮮明となっている。
本日は、日本の実質GDP改定値と経常収支が公表予定で、成長と外需の確認が日銀の9月利上げ観測の織り込みを左右する。結果と事前の政策期待に乖離が生じれば、円売りポジションの調整を通じて東京時間の変動幅が拡大する可能性がある。
注目の値動きTOP3
(※直近10日間の平均的な値幅と比較:ATR倍率)
- EUR/JPY(ユーロ/円) ↓ 1.63倍
- USD/JPY(米ドル/円) ↓ 1.59倍
- GBP/JPY(英ポンド/円) ↓ 1.50倍
マーケットハイライト
- ユーロ圏GDPは前期比+0.6%へ上方改定、従来推計の+0.4%から修正
- ドイツ7月鉱工業生産が市場予想を下回り、ドイツ製造業の弱さが改めて意識される
- 米株主要指数は高安まちまち、原油高によるインフレ警戒と金融引き締め観測が併存
- JPN225(日経225連動CFD)は続伸、円高進行にもかかわらず半導体関連株などの買いが支えに
- ドル円は大幅に反落、日銀9月利上げ観測の強まりでドル円は154円台前半まで円高
- ユーロドル・ポンドドルは反発、欧州金利は高水準でドル軟調と併存する動きで底堅く推移した
- ユーロ円は大幅反落、日銀利上げ観測と円キャリー縮小への警戒で179円台前半へ低下
- 豪ドル/米ドル(AUD/USD)は続伸、資源高と豪金利の高止まり観測が支え
- 米ドル/カナダドルは反落、原油上昇とドル軟調が併存
- ゴールド(XAU/USD)は続落、高金利環境の長期化懸念から利益確定売りが先行し軟調な展開
- 原油は上昇、ホルムズ海峡周辺の供給途絶リスク懸念でブレントは98ドル台へ
- ビットコイン(BTC/USD)は反落、株高一巡感と上値の重さから売り優勢
ユーロ/円(EUR/JPY)テクニカル分析
ユーロ円(EUR/JPY)の日足は、中長期の上向き構造を残す一方、短中期では下降基調が鮮明になっている。価格はLinReg(20・50・200)、SMA(200)、KAMA、VIDYAをすべて下回り、LinReg(20・50)も下向きであることから、足元では反発しても上値を抑えられやすい配置である。一方、LinReg(200)はなお緩やかな上向きを維持しており、中長期の上昇構造まで崩れたとは判断しにくい。
クロス構造では、EUR/JPYとUSD/JPYの50日相関は高水準にあり、足元のユーロ円はユーロ固有の要因よりも円相場の影響を強く受けている可能性がある。ただし、USD/JPYの短中期構造自体はなお下向きであり、ユーロ円の地合い改善を示すには至っていない。
また、価格は短中期の回帰線を大きく下回って推移しており、下方向への乖離が拡大している。現時点では回帰線へ戻る動きよりも、下方向への価格変位が優勢となっている。
日独金利差は足元でユーロ円を支える方向に動いている。一方、実際のユーロ円は下落しており、金利差によるユーロ買い・円売り圧力を上回る円買い需要が生じている可能性がある。日銀の追加利上げ観測や円キャリートレードの巻き戻しが続く限り、金利差がユーロ円に有利でも、上値を抑える要因となり得る。

上値では181.250、次いで182.000の回復が焦点となる。181.250を回復できれば急落後の自律反発が続くかを確認しやすくなり、182.000を上回れば短期的な下落圧力が緩和する可能性がある。一方、178.900を明確に下回れば下降基調の継続が意識され、178.125が次の下値確認水準となる。
本日の主な経済指標とイベント(9月8日)
- Boston Blockchain Week 2026(~9/10)
- 8:50(日本時間)、日本・実質GDP(4-6月期 改定値)/GDPデフレーター
- 8:50(日本時間)、日本・経常収支(7月)
- 9:30(日本時間)、オーストラリア・ウエストパック消費者信頼感指数(9月)
- 10:30(日本時間)、オーストラリア・NAB企業景況感指数(8月)
- 14:00(日本時間)、日本・景気ウォッチャー調査(8月)
- 15:00(日本時間)、ドイツ・貿易収支(7月)
- 中国・貿易収支(8月)、発表時刻は未定
※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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