ゴールド、4000ドル攻防続く中で反発余地を探る
市場はトランプ大統領による対イラン攻撃中止表明を受けてリスク選好が回復し、株式などリスク資産への資金流入が優勢となった。ただし、ECBの追加利上げはインフレ圧力の根強さを示しており、利下げ期待を抑制する環境が続いている。
原油価格は地政学リスク後退を受けて急落したが、エネルギー価格上昇の累積的な波及や物流コストの転嫁は依然として残されている。インフレ再燃リスクが十分に織り込まれていない場合、期待先行の相場が調整に転じる可能性がある。
ゴールドは長期上昇トレンドを維持する一方、中期的には調整局面が継続している。テクニカル指標では下向き圧力が優勢である一方、4000ドル近辺の心理的節目と防衛的需要が短期的な下値を限定している。
本日は英国GDPや鉱工業生産、米ミシガン大学消費者態度指数が予定されている。加えてSpaceX大型IPOを控え、市場では成長株やAI関連銘柄への資金流入期待が高まりやすい局面にある。一方、需要動向次第ではハイテク株全体のセンチメント変化につながる可能性もある。経済指標と合わせて、金利見通しとリスク選好の両面から市場の反応を確認したい。
前日価格変動TOP3
(※為替・株式・商品・暗号資産など主要資産の動き)
- JPN225(日経225) +5.03%
- XAU/USD(ゴールド/米ドル) +3.47%
- XTI/USD(WTI原油) -5.95%
マーケットハイライト
- トランプ大統領が対イラン攻撃中止を表明、地政学リスク後退で市場心理が急改善
- 欧州中央銀行(ECB)は政策金利を0.25%引き上げ2.40%、エネルギー高起点のインフレ警戒を強調
- 米5月PPIは予想超えもエネルギー主導、コア鈍化で市場の反応は限定的
- SpaceX大型IPOを控え、成長株物色が再燃しNASDAQへの期待拡大
- 米株は堅調、対イラン攻撃中止と大型IPO期待が支え
- 日経225は大幅上昇、米株高と地政学リスク後退を好感する買い優勢
- ドル円は反落、米利上げ警戒あるも地政学リスク後退に伴うドル売りで一時159円台
- ユーロドルは反発、ECB利上げ決定とドル軟化でユーロ買い優勢
- ポンドドルは反発、ドル安の流れと英金利の高止まり観測から買われる
- 豪ドルは上昇、リスク選好回復と株高連動で高ベータ通貨高
- オフショア人民元は対ドルで上昇、ドル安進行と市場心理改善で反発
- ゴールドは反発、PPI上振れによるインフレ警戒で防衛的需要が支援
- WTI原油は大幅安、対イラン攻撃中止で供給途絶懸念が後退
- ビットコイン反発、リスク選好とドル安進行で資金流入
ゴールド/米ドル(XAU/USD)テクニカル分析
ゴールド(XAU/USD)は長期上昇トレンドを維持する一方、中期的には調整局面が継続している。価格は200SMAを下回り、LinReg(20)、LinReg(50)、LinReg(100)が揃って下降傾斜を示していることから、中短期では下向き圧力が優勢な状況にある。
統計的な乖離度を示す指標では下方偏位圏に位置するものの、極端な売られ過ぎ水準には達しておらず、反転シグナルとしては限定的と考えられる。一方、ADX(14)は45近辺まで上昇し、-DI優位の状態が継続していることから、足元の下落トレンドには依然として高い持続性が認められる。ボラティリティ環境ではエネルギー拡大の兆候が見られ、下方向への再加速にも転じ得る状況が想定される。
もっとも、4000ドル近辺は心理的節目でもあり、急落後の買い戻しが確認されている。また、外部環境では米長期金利低下やリスク回避姿勢がゴールド価格の下値圏での需要を支えている。
上値では4375ドルが初期抵抗帯となり、この水準を回復できればショートカバー主導の反発拡大が視野に入る。さらに4455ドルを上抜く場合、中期調整終了の可能性が高まるだろう。一方、4000ドルを下回る場合、構造支持帯である3906.25ドル近辺が次の下値目安となる。

現時点では長期上昇構造内の調整継続を基本シナリオとしつつ、防衛的需要を背景とした反発余地も併せて警戒したい。
本日の経済指標とイベント(6月12日)
- SpaceX:NASDAQ IPO
- 13:30(日本時間)、日本・鉱工業生産(4月確報値)
- 15:00(日本時間)、ドイツ・消費者物価指数(5月CPI改定値)
- 15:00(日本時間)、英国・月次GDP(4月)
- 15:00(日本時間)、英国・製造業生産指数(4月)
- 15:00(日本時間)、英国・鉱工業生産(4月)
- 23:00(日本時間)、米国・ミシガン大学消費者態度指数(6月速報値)
※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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