注目の経済指標とイベント(6/2~6/6)

X(Twitter)
Facebook
Instagram
LinkedIn
Copy URL

今週は米雇用統計やISM製造業指数が控え、ドルは指標待ちで上下に振れやすい展開に

為替市場は貿易収支や政策金利発表をにらみ、方向感探る神経質な展開

連邦控訴裁が関税停止命令を一時差し止め、米通商政策の不透明感がドルに不安定要素

AUDJPYは移動平均下回り弱気継続、CHFJPYは持ち合い終盤で上抜け警戒

Weekly Report【6/1】

注目の経済指標とイベント(6/2~6/6)

  • 今週は米5月雇用統計やISM製造業景況指数が注目され、結果次第でドル相場が大きく動意づく可能性
  • 米国の関税政策を巡る不透明感は今週もリスク回避の円買いを誘発する要因として相場を左右する可能性
  • AUDJPYは、52日EMAが上値抵抗として機能し下落バイアス強まる可能性
  • CHFJPYは、三角持ち合い形成中で標準偏差低下とA/D堅調により上放れを示唆

相場のファンダメンタル

先週の為替市場は、通商政策を巡る報道と経済指標の強弱により、ドルが上下に振れる不安定な展開となった。

トランプ政権の対EU関税などの通商政策に関する不透明感が市場の懸念を招き、リスク回避的な円買いが優勢となったが、その後に関税発動の延期が報じられると懸念はやや後退し、米消費者信頼感指数が予想を上回ったことも追い風となって、ドルは再び買い戻された。

今週は、米5月雇用統計を中心に、JOLTS求人件数やADP雇用統計といった雇用に関する指標が集中する。雇用指標が弱ければ利下げ観測からドル売り、強ければ米経済の底堅さが意識されてドル買いが再燃する可能性がある。また、製造業の景況感を示すISM製造業景況指数の動向も、企業活動の勢いを測る手がかりとして注目される。

これらの材料を前に、市場は米経済の減速リスクと金融緩和のタイミングを慎重に探る局面に入る。特に、市場環境のわずかな変調が政策期待となり、ドルを軸とした為替相場が再び大きく動意づく可能性がある。

テクニカル分析

豪ドル/円(AUD/JPY)

AUDJPYの日足チャートを分析する。ローソク足はエンベロープのバンドに沿った波動を形成しており、比較的テクニカルな水準に反応している点が特徴的である。現在の価格は、52日移動平均線(EMA:茶色実線)の下に位置しており、直近1週間における反発が限定的であった。このことから、52移動平均線が上値抵抗として意識され始めている可能性がある。

オシレーター系のストキャスティクス、および出来高系のA/Dラインにおいては、高値安値の更新が進んでいるにもかかわらず下降ダイバージェンスが観察されており、モメンタムの鈍化と買い意欲の減退を示唆する。

全体として、現在の局面は移動平均線を意識しながらのエンベロープに沿った「保ち合い」の様相を呈しており、わずかなきっかけで加速する前段階にあるのではないか。

ダイバージェンスと52日移動平均線の下抜けは、下方向展開の可能性を示唆していると考えられる。特に、52日移動平均線を明確に上抜けられない場合、次なるエンベロープ下限を目指す流れに注意が必要である。エンベロープ下限への下落に警戒したい。

【豪ドル/円(AUD/JPY) 日足】

スイスフラン/円(CHF/JPY)

スイスフラン/円(CHF/JPY)の日足チャートを分析する。価格が上下のトレンドライン(青破線)に収束する形で三角持ち合いを形成しており、方向感のない推移が続いている。チャート上にはZigZagライン(赤実線)によるスイングの整理を示しており、短期的な高値・安値の切り下げ傾向も浮かび上がる。フィボナッチ・リトレースメントによる主要水準のうち、38.2%の174.4円付近が現状の収束点となりそうである。

出来高系指標であるA/Dライン(青実線)は高止まりしており、買い圧力が継続して確認される一方、ボラティリティ系指標であるS/Dライン(20期間標準偏差:緑実線)は緩やかに低下しており、相場のエネルギーが内側に蓄積されている様子がうかがえる。典型的な膠着相場であり、いずれ方向性を伴ったブレイクの可能性が高い。

特に、A/Dラインが堅調であるにもかかわらず標準偏差が低下している点は、上昇バイアスが水面下で温存されているシグナルと解釈できる。終値ベースで上方トレンドラインを明確に突破する場合、次の注目水準としてはフィボナッチ100%戻しの176.3円が視野に入るだろう。

【スイスフラン/円(CHF/JPY) 日足】

X(Twitter)
Facebook
Instagram
LinkedIn
Copy URL