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注目の経済指標とイベント(6/15~6/19)

ウィークリー分析
安藤修安藤修
注目の経済指標とイベント(6/15~6/19)

米国の高金利長期化観測と中東情勢を背景とした地政学リスクが継続するなかで、市場の注目は主要国中銀の政策判断に集まっている。成長鈍化リスクと根強いインフレ圧力が並存する環境にあり、各国中銀が成長と物価のどちらを優先するかが為替市場全体の方向性を左右しやすい状況となっている。

AUD/USDとUSD/CADはいずれも原油を含む資源価格動向とドル需要の綱引きを映す組み合わせとなっている。AUD/USDは長期上昇構造を維持しながら推進力の鈍化が確認される一方、USD/CADは米ドル優位の需給を背景に上昇基調を維持しており、原油高による資源国通貨支援とドル高圧力の力関係が市場の判断軸となっている。

今週は日銀金融政策決定会合、米FOMC、米小売売上高、BOE政策金利発表が集中する重要週となる。特に、日銀の追加利上げ時期や国債買い入れ方針、FOMC後の金利見通しに関する発言次第では、ドル円を中心に為替市場全体で値幅が拡大しやすく、イベント通過までポジション調整が優勢となる可能性がある。

注目の経済指標とイベント(6/15~6/19)

日付経済指標とイベント日本時間
6/15(月)ユーロ圏・鉱工業生産(4月)18:00
カナダ・住宅着工件数(5月)21:15
米国・ニューヨーク連銀製造業景気指数(6月)21:30
米国・鉱工業生産(5月)22:15
6/16(火)日本・日銀政策金利発表
米国・FOMC(1日目)
中国・小売売上高(5月)11:00
中国・鉱工業生産(5月)11:00
豪州・RBA(中央銀行)政策金利発表13:30
日本・日銀植田総裁 定例記者会見15:30
ドイツ・ZEW景況感調査(6月)18:00
ユーロ圏・ZEW景況感調査(6月)18:00
米国・住宅着工件数(5月)21:30
6/17(水)日本・貿易統計(5月)8:50
日本・機械受注(4月)8:50
英国・消費者物価指数(5月・CPI)15:00
英国・小売物価指数(5月・RPI)15:00
英国・生産者物価指数(5月・PPI)15:00
ユーロ圏・消費者物価指数(5月・HICP改定値)18:00
米国・小売売上高(5月前月比)21:30
米国・中古住宅販売成約指数(5月)23:00
米国・週間石油在庫統計23:30
米国・FRB政策金利発表(FOMC)翌3:00
米国・FRBウォーシュ議長 定例記者会見翌3:30
6/18(木)NZ・実質GDP(1-3月期)7:45
英国・ILO失業率(4月)15:00
英国・雇用統計(5月)15:00
スイス・スイス国立銀行政策金利16:30
英国・BOE(中央銀行)政策金利発表20:00
米国・新規失業保険申請件数21:30
米国・フィラデルフィア連銀製造業景気指数(6月)21:30
米国・景気先行指標総合指数(5月前月比)23:00
6/19(金)米国・中国市場休場
日本・全国消費者物価指数(5月CPI)8:30
日本・日銀金融政策決定会合議事要旨8:50
英国・小売売上高(5月)15:00
カナダ・小売売上高(4月)21:30

重要な指標・イベント

  • 6月16日(火)日銀政策金利発表 / 植田総裁記者会見
    現在の市場では、日銀が追加利上げへ向かう時期と国債買い入れ方針が大きな関心事となっている。足元ではドル円が高値圏で推移しており、日本の物価上昇も続いているため、金融政策の今後の方向性が改めて注目される。円相場や日本株への影響が大きく、総裁発言の内容次第ではドル円の値動きが拡大しやすい。今後の利上げ時期や国債買い入れ方針に関する言及に注目したい。
  • 6月16日(火)豪州・RBA(中央銀行)政策金利発表
    豪州では物価上昇率が鈍化傾向にある一方、サービス価格や住宅関連コストの上昇が続いており、RBAが今後の金融政策をどのように運営するかに注目が集まっている。今回は政策金利そのものだけでなく、声明文におけるインフレ見通しや景気認識の変化が焦点となる。内容次第では、資源国通貨全体や市場のリスク選好にも影響を与える重要イベントとして注目される。
  • 6月17日(水)米国・小売売上高(5月)
    米国経済の約7割を占める個人消費の勢いを確認する重要指標である。雇用市場は底堅さを維持している一方で、高金利環境が家計支出に与える影響も意識されている。今回の結果は、米国景気がどの程度の強さを保っているかを判断する材料となる。FOMCを目前に控えたタイミングでもあり、市場心理に直接影響を与える指標となる。
  • 6月17日(水)【18日午前3:00】米国・FOMC政策金利発表 / FRBウォーシュ議長記者会見
    今週最大の注目イベントであり、世界の金融市場全体に影響を及ぼす可能性がある。また、ウォーシュ新議長体制における金融政策の運営方針が試される。雇用市場の底堅さや原油価格の上昇を背景に、インフレ再加速への警戒も残っているため、FRBが年後半の政策運営をどのように考えているかが重要になる。金利見通しや記者会見での発言内容によって、ドル、株式、金、暗号資産まで幅広い市場が反応する可能性がある。
  • 6月18日(木)英国・BOE(中央銀行)政策金利発表
    英国ではサービス価格や賃金上昇率が依然として高く、主要国の中でも物価圧力が残る状況が続いている。そのため、BOEは主要中銀の中で最も利下げに慎重とされており、その姿勢が変わるか注目される。声明文や今後の見通しに変化が見られればポンド相場が大きく動く可能性がある。

相場のファンダメンタル

前週までの為替市場では、米国とイランを巡る地政学リスクと底堅いインフレ指標を受けた高金利長期化観測がドル買い材料として継続した。ECBが政策金利を引き上げ、インフレ抑制方針が鮮明になる中で、米国でも年内利下げ観測が後退し、追加引き締めの可能性も意識されている。

日本では、為替介入実績を伴うけん制発言が続いており、市場参加者は160円前後を当局容認水準と意識して取引を進める展開が続いている。

今週は主要国の金融政策発表が集中する。日銀の追加利上げ時期と国債買い入れ方針、米FOMCの金利見通しとパウエル議長の発言が最大の焦点である。米個人消費(GDP比約7割)の強さを示す小売売上高も重要な判断材料となる。

市場の特徴は、「インフレ高止まり」と「景気減速懸念」が共存する点にある。各国中銀がインフレ抑制を優先すれば、高金利通貨が支援されやすい。一方、成長への配慮が強まれば金利低下期待を通じて、通貨市場に調整圧力が生じる可能性がある。市場がいずれのリスクを優先するかが、今週の中銀政策発表を機に試される。

テクニカル分析

豪ドル/米ドル(AUD/USD)

AUD/USDの週足は長期上昇ドリフト(緩やかな上昇基調)を維持しながら、中期調整フェーズに入っている。

中長期トレンド指標(LinReg(52)、LinReg(20))はプラスを維持する一方、統計指標(Hurst指数、ADX)は依然として持続領域の下限付近で持続優位性を示している。フラクタル構造指標(FDI)も強いトレンド環境を示唆しており、上昇構造そのものは依然として堅牢である。もっとも、短期ダイナミクス(LinReg(8))がマイナスへ転じ、Hurst指数に低下が見られることから、トレンド推進力の鈍化が始まっていることを示唆している。

ボラティリティ指標(短期価格変動幅)は中立圏にあり、市場はエネルギー再蓄積段階へ移行しつつある。統計的過熱感は解消され、モメンタムも中立域に位置する。

外部環境ではドル高・リスクオフ環境に加え豪米金利差の縮小が続いており、内部構造との乖離が生じている。0.7200の回復は調整終了の確認材料となる一方、0.6833割れは構造減速を示唆する。

現局面は長期上昇ドリフトへの回帰可能性を残しながら、均衡帯形成を進める段階にある。

【AUD/USD 週足チャート】

米ドル/カナダドル(USD/CAD)

USD/CAD週足は上昇構造を維持している。LinReg(52)はやや右下がりではあるが、LinReg(20)及びLinReg(8)はともに上向きを保ち、200SMAも上昇方向に整合していることから、基調としてはUSD高・CAD安方向が優勢である。

トレンド持続性指標は持続領域の上限付近で推移している。トレンド優位性は認められるものの、統計的には持続と遷移の境界領域に位置するため、上昇トレンドの継続強度は中程度と解釈される。一方、ボラティリティ指標では圧縮領域にあり、相場エネルギーは放出圧力より蓄積傾向が優勢である。高値圏で推移しているものの統計的な過熱感は限定的であり、現段階では上値追随よりも抵抗帯突破の質が重視される。

外部環境では、米ドル需要の強まりや市場のリスク回避姿勢がUSD/CADの上昇を支える一方、原油価格の上昇は資源国通貨への支援材料となり、上昇圧力を一部相殺している。

今後、1.4100を週足終値で明確に上抜けることが、上昇構造の継続判定の重要な水準である。突破が確認された場合、1.4160方向への上値拡大が市場で意識される可能性がある。一方、1.3825を下回る場合は調整圧力が強まり、さらに1.3760を割り込む場合には上昇構造の信頼度低下が意識される可能性がある。

当面は方向性そのものよりも、抵抗帯突破とエネルギー拡張の有無が重要な観察点となる。

【USD/CAD 週足チャート】

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。

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