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注目の経済指標とイベント(9/14~9/19)

ウィークリー分析
安藤修安藤修
注目の経済指標とイベント(9/14~9/19)

原油高によるインフレ再加速を背景に、米国と日本で金融引き締め観測が同時に強まっている。市場は追加利上げの織り込みを進める一方、金利上昇による成長鈍化との力関係を再評価する局面となっている。

今回のテクニカル分析銘柄であるドル円(USD/JPY)は長期上昇方向を残すが、中期・短期は下向きで調整が続く。日銀利上げ観測が円を支える反面、米利上げ観測はドルを支え、152.350円付近が重要水準。ビットコイン(BTC/USD)は長期上昇を維持する一方、中期下降の内部で反発しており、金利上昇による流動性縮小が戻りの持続性を抑制する要因となっている。

今週は、米小売売上高やFOMC、BOE、全国CPI、日銀金融政策決定会合など重要イベントが週後半に集中する。各国の物価と景気に対する政策姿勢が現在の利上げ織り込みとずれれば、金利見通しの修正とポジション調整が重なり、主要市場の変動幅を拡大させる可能性がある。

注目の経済指標とイベント(9/14~9/19)

日付経済指標とイベント日本時間
9/14(月)Solana Summit DC(SEC議長基調講演)
ETHTaipei 2026(Institution Day)
日本・鉱工業生産(7月)13:30
日本・設備稼働率指数(7月)13:30
カナダ・消費者物価指数(8月CPI)21:30
9/15(火)中国・小売売上高(8月)11:00
中国・鉱工業生産(8月)11:00
英国・失業率(8月)15:00
英国・ILO失業率(7月)15:00
ユーロ圏・ZEW景況感調査(9月)18:00
ドイツ・ZEW景況感調査(9月)18:00
米国・ニューヨーク連銀製造業景気指数(9月)21:30
9/16(水)European Blockchain Convention 12(~9/17 Barcelona)
日本・機械受注(7月)8:50
日本・貿易収支[通関ベース](8月)8:50
オーストラリア・ウエストパック景気先行指数(8月)9:30
英国・消費者物価指数(8月 CPI/CPIコア)15:00
英国・小売物価指数(8月)15:00
英国・生産者出荷価格(8月)15:00
ユーロ圏・鉱工業生産(7月)18:00
米国・MBA住宅ローン申請指数20:00
カナダ・住宅着工件数(8月)21:15
カナダ・住宅建設許可(7月)21:30
米国・小売売上高(8月)21:30
米国・輸入物価指数(8月)21:30
米国・FOMC政策金利発表翌3:00
米国・ウォーシュFRB議長 定例記者会見翌3:30
米国・対米証券投資(7月)翌5:00
9/17(木)CBC Summit USA 2026(Washington, D.C.)
ニュージーランド・GDP(4-6月期)7:45
ユーロ圏・消費者物価指数(8月 HICP/HICPコア)18:00
英国・BOE(英中銀)政策金利発表20:00
英国・英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨20:00
カナダ・鉱工業製品価格(8月)21:30
米国・フィラデルフィア連銀製造業景気指数(9月)21:30
米国・住宅着工件数(8月)21:30
米国・建設許可件数(8月)21:30
米国・新規失業保険申請件数21:30
米国・中古住宅販売成約(8月)23:00
9/18(金)ニュージーランド・貿易収支(8月)7:45
英国・GFK消費者信頼感調査(9月)8:01
日本・全国消費者物価指数(8月)8:30
日本・全国消費者物価指数(8月 CPI)8:30
英国・小売売上高指数(8月)15:00
日本・日本銀行 政策金利発表未定
日本・日銀植田総裁 定例記者会見15:30
米国・鉱工業生産(8月)22:15
米国・設備稼働率(8月)22:15
米国・景気先行指標総合指数(8月)23:00
9/19(土)ETH Tokyo Week 2026(~9/27 東京)

重要な指標・イベント

  • 9月16日(水)米国・小売売上高(8月)
    米国の個人消費の強さを確認する重要指標である。直近の7月指標が前月比マイナスに転じるなど消費減速の兆候が見られる中、今回の結果は深夜のFOMC政策決定にも直結する市場の関心事である。予想を上回る強い数字が出れば、景気の堅調さを背景に利下げを急がない見方が強まり、ドル買いと米国債利回りの上昇を促す要因となる。一方で軟調な結果となれば米景気減速への警戒からドル売りを誘発し、暗号資産や金などの代替資産への資金シフトを後押しする。自動車を除く消費の広がりが確認点である。
  • 9月16日(水)【翌17日午前3:00】米国・FOMC政策金利発表/FRB議長記者会見
    FOMC(米連邦公開市場委員会)の政策判断は今週最大の焦点である。8月雇用統計が予想を上回り、9月会合での利上げを支持する材料が増えた一方、ウォラー理事は物価上昇が鈍れば据え置きを支持する考えを示している。利上げならドルと米金利の上昇、株式・金・暗号資産への下押し材料となる。定例記者会見における議長のコメントの温度感が価格変動の最大の分岐点となる。暗号資産市場では、流動性供給の拡大期待に反応するため、議長発言の温度感が資金流入の持続性を決定づける。
  • 9月17日(木)英国・BOE政策金利発表/MPC議事要旨
    BOE(イングランド銀行)は政策金利を維持するとの見方が中心であるが、原油高による物価上昇への対応が焦点である。7月会合では9人中3人が利上げを支持し、ベイリー総裁は9月8日に利上げが決まった方向ではないと説明した。ポンド買いの強い推進力となりユーロやドルに対するポンド高を進行させる。逆に早期追加利下げを示唆する内容となればポンド売りを誘発し、主要通貨間での資金移動を活発化させる。ロンドン市場の時間帯に発表されるため、ポンド円やポンドドルの値動きが日本時間の夕方以降の取引にも影響を及ぼす。
  • 9月18日(金)日本・全国消費者物価指数(8月)
    日銀会合の結果発表と同じ日に公表されるため、通常以上に重要度が高い物価指標である。日銀は6月に政策金利を引き上げ、足元では7月実質賃金の前年比増や4〜6月期GDPの上方修正を背景に、追加利上げへの見方が強まっている。物価上昇が強ければ円買いと日本国債利回り上昇を支え、円を使った資金調達の縮小を通じて暗号資産にも影響する。生鮮食品を除く指数の伸びが確認点である。
  • 9月18日(金)日本・日本銀行 政策金利発表/植田総裁記者会見
    日銀の追加利上げが現実的な選択肢となっており、円相場だけでなく世界の株式や暗号資産にも影響する重要イベントである。4〜6月期GDPの上方修正と実質賃金の改善を受け、市場では利上げ観測が強まり、円も大きく上昇している。利上げなら円買いを支え、日本の低金利を利用した海外投資の縮小につながる。政策金利に加え、植田総裁が次の利上げ時期をどう説明するかが最大の確認点である。日本株市場では銀行株や輸出関連株への波及が顕著であり、暗号資産市場でも円キャリートレードの巻き戻しを通じて間接的な影響が及ぶ。

相場のファンダメンタル

為替市場では、日銀の追加利上げ観測と米FRBの利上げ観測が同時に強まり、ドル円相場は直近の160円台から一時152円台まで急速に円高へ振れた。日銀の9月利上げは市場でほぼ織り込まれ、FRBも8月雇用統計やPPIを背景に利上げ確率が6〜7割程度へ上昇した。さらに中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰し、インフレ圧力と景気減速への警戒が併存している。

今週は米8月小売売上高やFOMC、BOE、日銀の政策決定会合と全国CPIが相次ぐ重要イベントが集中する週である。FOMCでは据え置きか追加利上げかだけでなく、その後の政策方針が焦点となる。日銀が追加利上げや引き締め継続の姿勢を示せば、日米金利差の縮小観測を通じて円相場にも影響が及ぶ。

米国の物価圧力、欧州の追加引き締め、日本の金融正常化が同時進行し、政策スタンスの差が為替市場の中心材料となっている。原油高は各国のインフレ見通しを押し上げ、金融緩和を制約する要因となっている。ドル円相場は米金利だけでなく、日銀の政策姿勢や円キャリートレード縮小の影響も受けるため、日米双方の政策見通しを合わせて評価する必要がある。

テクニカル分析

米ドル/円(USD/JPY)

ドル円週足では、LinReg(156)は上向きを維持しており、長期的な上昇方向は残る一方で、価格は同線を下回り、LinReg(13)も明確に下降している。さらに、LinReg(52)・KAMA・VIDYAを下回っていることから、足元では中長期の上昇基調に対して短期の売り圧力が優勢な調整局面と捉えられる。

RSI(14)は39付近、RSI(9)は32付近まで低下しており、売りモメンタムの強さを示す一方、短期的な売られ過ぎ圏への接近にも注意が必要な水準にある。ただし、現時点では反発そのものが確認されたわけではない。

下値では152.350円が次の方向を判断する重要水準で、終値で下回れば150.000円が次の焦点となる。上値では156.250円の回復が下降圧力後退の第一段階となり、さらに157.800円を上抜けば短期調整終了を確認する材料となる。

したがって、現状は反発を先取りする局面ではなく、152.350円を維持できるか、反対に156.250円から157.800円を段階的に回復できるかを確認する局面と考えられる。

【USD/JPY 週足チャート】

ビットコイン/米ドル(BTC/USD)

ビットコイン(BTC/USD)の週足は、長期上昇構造を維持しながら、中期調整の中で短期的な戻りを試す局面にある。LinReg(260)は上向きを保ち、SMA(200)も価格を大きく下回る位置で緩やかに上昇していることから、長期基調そのものは崩れていない。一方、LinReg(52)は下向きで、中期では下降構造が残る。

直近ではLinReg(13)が明確に上向きへ転じ、価格もKAMAとVIDYAを上回っており、短期反発の勢いは強まっている。+DIが-DIを上回るなか、ADX(14)も24近辺まで上昇しており、反発に伴うトレンド強度は回復傾向にある。ただし、強いトレンドが確立したと判断するにはまだ十分な水準ではない。

NASDAQ100とのリターン相関は直近で低下しており、以前に比べて連動性が弱まっている。さらに、BTC/NAS100比率の傾きは下向きで、BTCは株価指数に対して相対的に劣位にある。このため、現在の戻りを単純なハイテク株高への追随とみるより、NASDAQ100の動きだけでは説明しにくい局面と考えられる。

今後は73,440ドル付近とKAMAを維持できるかが焦点となる。維持できれば84,375〜87,500ドル方向への戻りを試す余地が残るが、明確に割り込めば、LinReg(52)が示す中期下降構造が再び前面に出る可能性がある。

【BTC/USD 週足チャート】

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。

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