注目の経済指標とイベント(8/24~8/28)
米国景気が底堅いのか減速局面にあるのか、市場の評価は定まっていない。それでも、原油高と長期金利上昇の一方で、ビットコインやゴールドにも資金が向かう動きは、景気循環だけでなく、インフレや財政、通貨価値に加え、金融・財政政策の持続性に対する不確実性も意識されている可能性がある。
今週のテクニカル分析銘柄はドル円(USD/JPY)とゴールド(XAU/USD)の週足。ドル円は日米の政策期待の差を、ゴールドはドル・実質金利・地政学リスクを映すため、両者の反応差が今週の市場認識を測る鍵となる。ドル円の調整とゴールドの反発が続く局面では、金利水準そのものより、政策の持続性やドルの価値に対する市場評価が変化している可能性に注目したい。
今週26日の米PCEとGDPは、物価と成長の組み合わせによってFRBの政策期間そのものを再評価させる材料となる。物価上振れと成長維持が重なれば高金利長期化、物価鈍化と成長減速が重なれば政策転換期待が強まり、27日からのジャクソンホール会議では、FRB関係者の発言がこうした政策見通しを強めるのか、それとも修正させるのかが焦点となる。
注目の経済指標とイベント(8/24~8/28)
| 日付 | 経済指標とイベント | 日本時間 |
| 8/24(月) | ニュージーランド・小売売上高(4-6月期) | 7:45 |
| 米国・シカゴ連銀全米活動指数(7月) | 21:30 | |
| 8/25(火) | RBA金融政策理事会議事要旨(8月会合) | 10:30 |
| ドイツ・GDP(4-6月期) | 15:00 | |
| ドイツ・ifo企業景況感指数(8月) | 17:00 | |
| 米国・S&P Cotality Case-Shiller米住宅価格指数(6月) | 22:00 | |
| 米国・FHFA住宅価格指数(6月) | 22:00 | |
| 米国・リッチモンド連銀製造業指数(8月) | 23:00 | |
| 米国・新築住宅販売件数(7月) | 23:00 | |
| 米国・コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(8月) | 23:00 | |
| 8/26(水) | ETH Belgrade 2026(~8/27) | - |
| オーストラリア・ウエストパック景気先行指数(7月) | 9:30 | |
| オーストラリア・CPI(7月) | 10:30 | |
| 米国・MBA住宅ローン申請指数(前週比) | 20:00 | |
| 米国・個人所得・PCE(7月) | 21:30 | |
| 米国・PCE価格指数/コアPCE価格指数(7月) | 21:30 | |
| 米国・実質GDP改定値(4-6月期) | 21:30 | |
| 米国・耐久財受注 速報値(7月) | 21:30 | |
| 米国・EIA週間石油在庫 | 23:30 | |
| 8/27(木) | Bitcoin Asia 2026(香港:~8/28) | - |
| ジャクソンホール会議(米国:~8/29) | - | |
| 日本・工作機械受注(7月) | 15:00 | |
| ドイツ・NIM消費者信頼感指数(9月 Gfk) | 15:00 | |
| カナダ・経常収支(4-6月期) | 21:30 | |
| 米国・卸売在庫 速報値(7月) | 21:30 | |
| 米国・新規失業保険申請件数 | 21:30 | |
| 8/28(金) | 日本・失業率(7月) | 8:30 |
| 日本・有効求人倍率(7月) | 8:30 | |
| 日本・東京都区部CPI(8月、生鮮食料品除く) | 8:30 | |
| ドイツ・失業率(8月) | 16:55 | |
| ドイツ・失業者数(8月) | 16:55 | |
| ユーロ圏・消費者信頼感 確報値(8月) | 18:00 | |
| カナダ・GDP(4-6月期) | 21:30 | |
| カナダ・月次GDP(6月) | 21:30 | |
| 米国・シカゴPMI(8月) | 22:45 | |
| 米国・ミシガン大学消費者態度指数 確報値(8月) | 23:00 |
重要な指標・イベント
- 8月26日(水) オーストラリア・CPI(消費者物価指数、7月)
豪州準備銀行(RBA)は8月会合で政策金利を4.35%に据え置いたが、物価上昇への警戒を続けている。6月CPIは前年比3.8%と前月から低下しており、7月も鈍化が続くかが焦点である。予想を下回れば追加利上げの必要性が低下して豪ドル売りにつながりやすく、上振れすれば追加利上げへの警戒から豪ドル買いが強まりやすい。AUD/USDやAUD/JPYの反応が注目される。 - 8月26日(水) 米国・PCE価格指数/コアPCE価格指数(7月)
米連邦準備制度(FRB)が物価判断で重視する指標である。7月の消費者物価は前年比3.4%へ小幅に低下した一方、FRBは物価上昇への警戒を続けており、7月会合では一部の参加者が利上げを主張した。コアPCEが予想を下回れば、市場の追加利上げへの警戒が後退し、ドルの上値を抑える可能性がある。逆に、上振れした場合は、高金利が長期化するとの見方が強まりやすい。同時刻にGDP改定値も発表されるため、成長率や個人消費の修正方向と合わせて確認する必要がある。 - 8月26日(水) 米国・実質GDP改定値(4-6月期)
7月末に発表された1次速報値は年率1.5%増にとどまり、米国景気の勢いを見極めるうえで注目される。特に個人消費や企業投資の修正方向が重要である。上方修正なら景気減速への警戒が後退し、ドルや株式を支える材料となる一方、下方修正なら景気の弱まりが意識され、金利低下やドル売りにつながりやすい。同時刻にPCE価格指数も発表されるため、物価と景気を合わせて判断する必要がある。 - 8月27日(木)~ 29日(土) 米国・ジャクソンホール会議
世界の中央銀行関係者や経済学者が集まる年次会合で、金融政策の先行きを考える重要イベントである。2026年のテーマは「金融イノベーションと決済・政策への影響」であり、金利だけでなくデジタル金融も焦点となる。米国では7月CPIが3.4%へ低下する一方、小売売上高は減少しており、FRB関係者が物価と景気をどう評価するかが重要である。今後の金利を引き上げる必要があるのか、それとも現在の水準を維持できるのかについて発言があればドル、米国株、ゴールド、ビットコインまで幅広く反応しやすい。 - 8月28日(金) 日本・東京都区部CPI(8月、生鮮食料品除く)
東京都区部CPIは全国の物価統計より早く発表されるため、日本の物価動向を確認する先行材料として注目される。日銀が今後さらに金利を引き上げるかを考えるうえで、食料やエネルギーだけでなく幅広い品目で値上がりが続いているかが焦点である。予想を上回れば追加利上げへの見方が強まり円買いにつながりやすく、下回ればその見方が弱まり円売りにつながりやすい。USD/JPYを中心に日本国債金利の反応も確認したい。
相場のファンダメンタル
為替市場では、米国景気の減速とインフレ再燃への警戒が同時に意識されている。7月の米CPIは前年比3.4%へ鈍化し、小売売上高も前月比で減少したことから景気減速への警戒が意識されている。一方、7月FOMCでは3名が利上げを主張しており、インフレへの警戒も根強い。
また、中東情勢の緊迫化と原油高がインフレ懸念を強める中で、週後半には米長期金利低下とドル安を背景にゴールドやビットコインにも資金が向かい、市場では政策や通貨価値を巡る不確実性も意識されている。
今週は26日の豪州CPI、米国の個人消費支出(PCE)価格指数と4~6月期国内総生産(GDP)改定値、28日の東京都区部CPIが焦点である。米PCEとGDPは同時刻に発表されるため、物価の粘着性と景気の強さを一度に確認することになる。さらに27日からのジャクソンホール会議では、FRB関係者が原油高による物価リスクと景気減速をどう評価するかが注目される。
米国では需要減速の兆しと中東情勢に伴うインフレ圧力が同居し、FRBの政策経路を単純化しにくい状態である。日本は4〜6月期GDPが年率1.1%増と市場予想を下回った一方、円安や中東情勢に伴う物価圧力、財政懸念を背景に国債利回りは上昇している。したがってドル円相場は日米金利差だけでなく、物価の粘着性、原油価格、日米の金融政策見通しを合わせて評価する必要がある。
テクニカル分析
米ドル/円(USD/JPY)
ドル円(USD/JPY)の週足は、長期的な上昇基調を保ちながらも、足短期のモメンタム指標には減速のシグナルが表れている。中長期のトレンドを示すLinReg(156)・LinReg(52)は上向きを維持し、価格もSMA(200)を上回っている。大きな流れは依然として上方向である。
ただし、短期のLinReg(13)は下向きに転じ、価格はKAMA・ALMAを下回っている。これは短期的な買いの勢いが弱まり、戻り局面で売りが出やすい状態を示す。ADX(14)は41.8とトレンドが残る水準にある一方、直近のピークから低下しており、上昇モメンタムは鈍化している。米10年債利回りとドル指数(DXY)が週次で低下している点も、目先のドル円の上値を抑える材料である。
焦点は161.00〜162.50円の価格帯である。このゾーンを明確に回復できれば、短期調整を終えて上昇基調へ復帰する展開が意識される。一方、下値では157.80円が最初の支持帯となる。さらに156.25円を割り込む場合は、調整が一段深まり、中期的な上昇構造にも警戒が必要となる。
現時点では、長期の上昇トレンドを前提としつつ、短期的には追随買いを仕掛けにくい局面である。161.00〜162.50円を回復するまでは上値の重い状態が続きやすく、157.80〜156.25円で下げ止まれるかが、中長期の上昇構造を維持できるかを見極める重要な判断材料となる。

ゴールド/米ドル(XAU/USD)
ゴールド(XAU/USD)の週足は、長期的な上昇トレンドを維持しているが、その途中で生じた直近の下落から切り返す動きが確認されている。LinReg(156)・LinReg(52)は上向きを保ち、価格もSMA(200)を大きく上回っていることから、長期の上昇構造自体は崩れていない。
足元では、価格がKAMA(10,2,30)とALMA(52)を上抜き、両指標も下向きから横ばいへ移行しつつある。これは短期的な地合いが改善し、買いが入りやすくなっていることを示す。一方で、LinReg(13)はなおやや下向きであり、中期調整が完全に終わったと判断するには、上値の抵抗帯を明確に突破する必要がある。
外部環境では、ドル指数(DXY)が週間で下落している。金価格とDXYの52週相関も逆相関圏にあるため、ドル安が継続する場合は、金価格の上昇を後押しする材料となりやすい。
注目される上値は4,550.80~4,687.50ドルの抵抗帯である。このゾーンを明確に上抜ければ、中期調整を終え、長期上昇トレンドが再開するシナリオが意識される。反対に、4,218.80ドルを割り込めば短期反発の失敗を警戒する局面となり、次の支持帯である4,062.50ドル付近まで調整が深まる可能性がある。
現時点では、長期上昇トレンドを前提としながら、短期反発が中期調整の終了につながるかを見極める段階である。4,550.80~4,687.50ドルを明確に上抜けるまでは、上値抵抗への警戒が必要である一方で、4,218.80ドルを維持する限りは短期反発の流れは維持されやすいと考えられる。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
ThreeTraderでは、狭いスプレッドと高い約定力で、幅広い銘柄の取引が可能です。
お得なキャンペーン情報はこちら⇒詳細を見る
