注目の経済指標とイベント(9/15~9/19)

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今週は、主要国の中央銀行が分岐点を迎えるなか、為替市場は経済指標や要人発言に敏感に反応しやすい環境にある。とりわけ、米FOMCは利下げ観測の高まりの中で開かれ、声明文やパウエル議長会見のトーンがドルの方向性を左右する見通しである。

日本では日銀の政策金利発表が注目され、物価や賃金見通しが焦点となる。追加利上げ示唆やサプライズがあれば円相場の変動要因となる。また、英中銀の政策判断はポンド相場に直結し、米ドルやユーロにも波及する可能性があるため注視が必要である。

XTIUSD(WTI原油)は中東情勢や供給懸念が価格を支える一方、米景気減速による需要鈍化が重石となり、需給のせめぎ合いが続いている。USDCADはこうした原油価格との連動性を背景に、米ドル高圧力と資源通貨買いが拮抗する展開となっている。

注目の経済指標とイベント(9/15~9/19)

重要な指標・イベント

  • 9月16日(火)米・小売売上高

インフレ鈍化局面で個人消費の持続力を測る重要指標。伸び鈍化なら利下げ観測が強まりドル売り要因、堅調ならドル買いを誘発。予想との差異がドル円や米金利に直結しやすく、市場ボラティリティを高める可能性。

  • 9月17日(水)【9月18日午前3:00】米・FRB政策金利発表(FOMC)

利下げ観測が高まる中での判断。政策金利の据え置きや利下げ幅が注目点。声明文や経済見通し次第でドルの方向性が大きく変わり、円やユーロにも波及。議長会見のトーンが短期的な市場の変動要因となる。

  • 9月18日(木)英・英中銀政策金利

景気減速と高インフレのはざまでの判断。利下げ見送りならポンド買い、利下げならポンド売りが意識されやすい。特に票割れや議事要旨のトーンに市場が反応しやすく、ポンド円やポンドドルで変動要因に。

  • 9月19日(金)日本・政策金利発表

円安基調の中で注目度が高い。金利据え置き継続なら円売り優勢、引き締め強調なら円買い要因。声明の物価・賃金認識が焦点で、サプライズの余地がありドル円の急変動リスクがある。

相場のファンダメンタル

先週の為替市場は、米国の物価指標の発表を最大の焦点に神経質な展開となった。特に労働市場の減速を背景にFRB利下げ観測が強まった。また、ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)が政策金利を据え置いたものの、ラガルド総裁がインフレ抑制への警戒姿勢を維持したことで、ユーロ安への一方的な進行は限定的となった。石破首相の辞任表明が一時的に円安要因となったが、市場への持続的影響は限定的であった。

今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が最大の注目材料である。利下げ幅やパウエル議長の会見内容がドル相場の方向性を左右する見通しである。また、英BOE政策金利発表と日銀政策金利発表も控え、主要通貨の政策方向性を占う重要な週となる。

為替市場は各国中央銀行の政策分岐点を迎える中で、金融政策の方向性に対して極めて敏感な地合いが続いている。FRBが大幅利下げに踏み切るかどうかによってドル全般の基調が決まる重要な分岐点を迎えており、投資家心理の振れに注意が必要な局面である。

テクニカル分析

WTI原油/米ドル(XTI/USD)

WTI原油の週足チャートを分析する。価格は長期下降チャネル(青)内を推移し、足元では短期的な持ち直しの動きも見られるが、チャート全体としては下向きの構図が続く。

特に13SMA・52SMA・100SMAがいずれも下落傾向を示し、逆パーフェクトオーダーを形成しており、上値は重い。

RSIは40台前半で、明確な方向感に欠ける状況である。

上値の抵抗帯は65.70ドルおよび68.80ドル付近で、これらを突破できなければ戻り売りが強まりやすい。一方、下値の支持帯は59.40ドル、次いで56.30ドルに位置しており、短期チャネル(黄)下限を割り込めば下押し圧力が強まる可能性がある。

現局面は、価格の持ち直しに反転するか、それとも3本のSMAが上値を封じるかが焦点となる。

【XTIUSD/週足】

米ドル/カナダドル(USD/CAD)

カナダドルの週足チャートを分析する。長期的には上昇傾向にあるが、長期チャネル(青)の上限で反落し下降チャネル(赤)に沿った調整基調が続いている。ただし、足元では長期上昇チャネルの下限付近で反発し、持ち直しの動きが続いている。

現在、13SMAが下値を支える一方で、52SMAが上部に位置しており、長期・中期の移動平均線の順序が逆転した状態となっている。ローソク足は、過去に複数回反落していた1.3875CAD付近のレジスタンスライン(黄)に差し掛かっており、これを明確に上抜けられるかが注目される局面である。

RSI(14)は50前後で方向感に欠けるが、価格は再び上昇を試みる動きとなっている。

上値の目処としては1.4030CADおよび1.4160CADが意識される。一方で、下値は1.3670CADおよび1.3550CADがサポートラインとして機能する可能性がある。

今後は、1.3875CADレジスタンスラインおよび52SMAの上抜けの可否が、トレンド形成における重要な分岐点となる。

【USDCAD/週足】

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