注目の経済指標とイベント(12/1~12/5)
日経平均は5万円台を回復したが、短期的な過熱感や持ち高調整の売りが上値を抑える要因となっている。ドル円は日米金利差や政府の介入警戒感が焦点で、中期的な円安基調の中、短期調整局面が続く。
豪州ではCPIが市場予想を上回りインフレ加速が意識され、豪ドル円は金利差拡大期待と円安圧力を背景に上昇基調となっている。NZでは中銀が利下げを実施しつつも緩和サイクル終了を示唆しており、円安影響から底堅く推移している。両通貨とも、週足ベースでは対円で堅調地合いが続き、強含みの展開となっている。
12月相場入りの来週は米ISM製造業景況指数、ADP雇用統計、米PCEなど重要指標が集中する。特にコアPCEの鈍化ペースが12月FOMCの利下げ判断を左右し、ドル・金利動向に影響を与える可能性が高い。感謝祭明けで市場参加者が戻る中、活発な値動きが予想される。
注目の経済指標とイベント(12/1~12/5)

重要な指標・イベント
- 12月1日(月)米・ISM製造業景況指数(11月)
米製造業の需要回復度合いを測る重要指標で、直近では新規受注や在庫調整の動きが注目される局面にある。特に景気判断の分岐点である50を割るかどうかが重要視される。
- 12月2日(火)ユーロ圏・消費者物価指数(11月HICP)
ECB(欧州中央銀行)の金融政策を決定づける上で最重要視されるインフレ指標。ECBの利下げ開始時期やペースを見極める上で不可欠。ECBの目標値(2%)への接近ペースが注目される。
- 12月3日(水)米・ADP雇用統計(11月)
民間雇用の需給を示す先行指標で、労働市場の過熱度合いを測る材料。直近は雇用増の鈍化が意識されており、米雇用統計の予備情報として市場の関心が高い。
- 12月3日(木)米・ISM非製造業景況指数(11月)
米経済の大部分を占めるサービス業の勢いを測る指標で、消費関連の強弱をつかむ上で重要。これが高止まりしていると、FRBによるインフレ抑制の道のりの遠さが意識される。
- 12月5日(金)米・個人消費支出(9月PCE)
FRBが重視する物価指標で、サービスインフレの伸びが焦点。直近はインフレ鈍化の持続性が意識されており、市場は食品とエネルギーを除いたコアPCEの方向性を最重視する。
相場のファンダメンタル
前週公表された米小売売上高は予想を下回り、景気減速が示唆された。このため、FRBが景気支援のために政策を緩和するとの見方が広がり、早期利下げ観測に注目が集まった。一方、FRB高官の発言に温度差があり、利下げ政策の動向に注目が集まる不確実な状況だった。
今週は、ISM製造業景況指数やADP雇用統計、PCEなど米主要指標が相次ぎ、特にFRBが重視するコアPCEの鈍化ペースが焦点である。インフレの根強さが示されれば、FRBの利下げ時期の見通しが再び慎重化し、逆に景気減速感が示されれば、市場の政策期待がインフレ懸念との板挟みで揺らぎやすい環境である。
市場センチメントは利下げ期待が基調となっており、今週の重要指標には反応が大きくなりやすい地合いが続くとみられる。
テクニカル分析
豪ドル/円(AUD/JPY)
豪ドル円の週足チャートを分析する。足元では価格が心理的節目である100.00円を明確に上抜け、上昇基調が継続している構図である。
13週および26週SMAはともに上向きで推移し、52週SMAを上抜けたことで、中期的な上昇トレンドが示唆される。RSI(14)は69前半と過熱圏手前に位置し、やや買われ過ぎの兆しが見られるものの、上昇モメンタムは維持されている。
上値の目標としては102.49円および104.00円が意識される一方、反落時の下値目安は100.00円、さらに97.60円となる。
今後は移動平均線の傾きとRSIの過熱感を背景に、104.00円台での上値到達が試される場面が焦点となる。

NZドル/円(NZD/JPY)
NZドル円の週足チャートを分析する。直近ではローソク足が26週SMAを明確に上抜け、移動平均線からの乖離を伴いながら強含む展開が続いている。
エンベロープでは+2.0%ラインを超えて推移しつつあり、短期的には買い優勢の地合いが続く構図となっている。オシレーターのウイリアムズ%Rは高水準となっており、モメンタムの継続を示唆する一方、過熱感による反落には一定の警戒が必要となる。
上値目標としては心理的節目となる90.00円、続いて92.00円が意識される。下値については87.45円、さらに86.00円が深めの押し目水準の目安となる。
今後は足元の強いモメンタムを維持できるかが焦点となる。90.00円台の攻防を中心に、今後の方向性を見極めたい。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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