米FOMCでは利下げ示唆や経済見通しに市場が敏感に反応する可能性
米中関税協議や中東地政学リスクが市場の不確実性を高め、円買い圧力が意識されやすい展開
ゴールドは史上高値の3,500ドル接近で、上抜けの勢いが続くか注目
イスラエルがイランを先制攻撃、ゴールドと原油価格が急騰中
イランの反応次第では中東リスクがさらに上昇する可能性あり
Weekly Report【6/13】
注目の経済指標とイベント(6/16~6/20)

- 日銀およびFOMC政策内容が今週の為替市場の重要材料となる見通し
- 中東リスク再燃がゴールド・原油相場に影響し地政学要因が意識される地合い
- 米中関税協議の不透明感がリスク回避的な反応を示す可能性
- ゴールドは3,500ドル水準を上抜けられるかが焦点となる展開
- WTI原油は強い上昇継続も過熱感強く、調整リスクに警戒
相場のファンダメンタル
先週の為替市場は、米中貿易協議の進展期待や日銀の追加利上げ観測、米国の関税政策の不透明感が重なり、ドル円は週後半に円高方向へ。特に日米の金利差や政策見通しが投資家心理を揺さぶり、リスク選好が一時後退した。米中首脳の電話会談や資源価格も影響。
今週は、17日の日銀会合と18日のFOMCが注目イベント。金融政策の方向性や経済見通しが為替相場に大きな影響を与える見通し。
金曜日の午前中に、イスラエルがイランを先制攻撃したという報道があった。そのため、安全資産であるゴールド、原油価格は急騰。地政学的リスクが高まっており、緊張感のある相場が継続している。
テクニカル分析
ゴールド/米ドル(XAU/USD)
XAUUSDの日足チャートを分析する。ゴールドは現在、過去最高値圏での推移を続けており、過去最高値付近の3,500ドルが意識される。52移動平均線(SMA:青線)が支えとなっており、価格は標準偏差チャネル(±1.0~±2.0)に沿って安定した上昇軌道を形成している。
下段オシレーター指標のMACDは、MACDラインとシグナルが並行しながら上昇しており、トレンドの勢いに一定の安定感がある。一方で、図下段の標準偏差(StdDev:緑曲線)は横ばいからやや収束傾向を見せており、短期的にはエネルギーの蓄積局面とも解釈される。
今後は3,515ドル台を明確に上抜けるかどうかが焦点であり、突破となればテクニカル的には上値目標として3,515.63ドル水準が直近のレジスタンスとなる。また、下値は3164.06ドル付近となるであろう。

WTI原油/米ドル(XTI/USD)
WTI原油の日足チャートを分析する。
足元の価格は6月に入り上昇基調を強め、現時点では長期トレンドライン(青破線)を越えるところまで来ている。地政学リスクの影響を受け強い上昇基調となっているが、上値には心理的節目の80ドル、84.36ドル付近にはテクニカル的な節目がある。
一方で、オシレーター系の指標では、ストキャスティクスが80を超えており、買われすぎ水準にある。また、MACDも高水準で推移しており、上昇トレンドの継続を示唆するが、200日移動平均線(青実線)がローソク足を下から支える構図となっており、下値は比較的堅い印象。下落時の目安としては、直近の押し安値である65.6ドル付近が意識される。
総じて、強い上昇基調にはあるものの、過熱感が強まっており、80~84.36ドルのレジスタンス帯ではいったんの調整局面に入るシナリオも想定される。
