米政府機関の一部閉鎖をめぐる不透明感が後退し、市場には一定の安心感が広がった。ドル円相場は財務相による円安デメリット発言を受けて上値が抑制される展開となっている。
ユーロ円は180円付近を試す動きを見せる一方、テクニカル面では過熱感が意識される局面にある。ポンド円は200円を上抜けたものの上値が重く、テクニカル指標はトレンドの減速を示唆している。
今週は、FOMC議事要旨および各国中銀の政策スタンスに影響を与える各国CPIが相次いで公表される。これら主要経済指標の集中公表により、短期的に市場全体のボラティリティが高まる可能性がある。
注目の経済指標とイベント(11/17~11/21)
(※米政府機関の一部閉鎖が継続中のため、予定されている一部経済指標の発表に遅延・欠測の可能性があります。発表有無に関する最新情報をご確認ください。)

重要な指標・イベント
- 11月17日(月)日本・国内総生産(実質GDP)
賃金・消費の回復度合いが焦点。個人消費や設備投資が弱ければ日銀の利上げ先送り観測で円売り、上振れなら早期正常化期待が高まり円買い要因となる可能性。
- 11月17日(月)加・消費者物価指数(10月CPI)
BOC(カナダ銀行)は高金利を維持しつつ利下げ議論が進行中。インフレ鈍化が続けば12月利下げ観測が強まりCAD売り、コアCPIが予想を上回れば利下げ後退観測からCAD買いが優勢となる展開も。
- 11月19日(水)【11月20日午前4:00】米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
委員間のインフレ・雇用見通しの温度差が焦点。利下げペースの鈍化姿勢が確認されればドル下支え、想定以上に緩和的なトーンならドル売り圧力が強まる。
- 11月19日(水)英・消費者物価指数(10月CPI)
インフレが高止まりする中、結果次第でBOEの12月利下げ判断が左右される。上振れなら利下げ先送り観測でポンド買い、下振れなら追加利下げ期待でポンド売り圧力。
- 11月19日(木)ユーロ圏・消費者物価指数(10月HICP)
域内景気低迷の懸念もあり、12月の追加利下げ判断に影響。インフレ再加速なら利下げペース鈍化観測でユーロ買い、鈍化継続なら緩和加速期待でユーロ売り圧力も。
相場のファンダメンタル
先週の為替市場では、米政府機関の長期閉鎖が続く中、上院でつなぎ予算案が可決・署名されたことで経済統計の発表停止懸念が後退し、市場に安心感が広がった。一方で、過熱感から米株が大幅に下落したほか、日本の財務相が円安の「デメリット」を強調したことがドル円の上値を抑える要因として意識された。
今週は、17日に日本の7-9月期実質GDPとカナダCPIが発表される。日本GDPの結果次第では日銀の追加利上げ時期への思惑が変動する可能性がある。カナダCPIは、連続利下げを続けるカナダ中銀の12月会合での利下げ幅を判断する材料として注目される。19日には英CPIとユーロ圏HICPが相次いで発表され、BOEとECBの12月利下げの是非が焦点となる。
市場は、米政府閉鎖解除に伴う経済統計の再開と、それを受けた金利見通しの再評価に神経質な反応を示す局面が予想される。
テクニカル分析
ユーロ/円(EUR/JPY)
ユーロ円の週足チャートを分析する。価格は52週SMAを大きく上回り、中長期的な上昇基調を維持している。また、過去高値の175.43円を突破し、現在は節目の180円付近に接近している。
直近ではローソク足が上昇ピッチを速め、パラボリックSARとの乖離が広がっており、短期的な勢いの強さが確認できる。RSI(14)は74台に達し、過熱感が意識される局面にある。さらに、ADX(14)も高水準で推移し、トレンドの強さを示唆している。
上値は、心理的な節目でもある180円を超えると、181.25円および182.82円付近が視野に入る。一方で、反落時は175.43円、172.26円が下値の目安となる。
今後は、短期的な加熱感を伴う上昇の中で、180円の節目を明確に突破できるかが当面の焦点となる。

英ポンド/円(GBP/JPY)
ポンド円の週足チャートを分析する。直近では200円の心理的節目を再び上抜けたが、価格の伸びは鈍く、上値の重さが意識される展開となっている。
ローソク足は13週SMAの上で推移し、52週SMAとの乖離も広がる中で、短期的な上昇トレンドは維持されている。ただし、ATRは低下傾向にあり、値動きの収束がトレンドの勢い減退を示唆している。
RSI(14)は62後半で中立圏上限に位置し、やや買い優勢を示している。
上値の目安は206.25円、208.12円が目標となり、下値は200.00円および197.49円が目安となる。
今後は200円台を維持しつつ、ローソク足が再び勢いを取り戻せるかが焦点となる。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
ThreeTraderでは、狭いスプレッドと高い約定力で、幅広い銘柄の取引が可能です。
お得なキャンペーン情報はこちら⇒ 詳細を見る


%20(1).jpg)
.jpg)






