注目の経済指標とイベント(12/29~1/2)
年末年始は主要市場が休場・短縮取引となり、取引量の低下や窓開けリスクに注意が必要。
先週は日銀の利上げ後も円安が進み、ドル円は157円台まで上昇。市場は金融政策より日本の財政懸念を意識している。
ポンド円・ユーロ円ともに上昇トレンドが継続しているが、年末は利益確定売りが出やすく、慎重なポジション管理が求められる。
注目の経済指標とイベント(12/29~1/2)

今週のポイント
- 年末年始になるため、主要市場が短縮もしくは休場
- 主要経済指標の発表はなく、市場の取引量が低下
- 過去にフラッシュクラッシュの前例あり、ポジション管理に留意
- 2026年も円安トレンドは継続するか、ファンダメンタルに注目
- 2025年は貴金属市場が急騰したため、2026年は急変動に注意が必要
- 来年は60年に一回の丙午(ひのえうま)に該当、過去には年明けにバブル崩壊
- 周期的な市場の動きにも警戒、日経は調整の動きが発生する時期
相場のファンダメンタル
先週のドル円相場を振り返る。日銀の政策決定会合が最大の材料となった。事前予想どおり、日銀は政策金利を0.75%へ引き上げた。あわせて中立金利の推定値が示されたが、想定より幅が広く、先行きは不透明な内容だった。また、植田総裁は会見で「0.75%でも金融緩和的」と発言した。
この結果、ドル円は円安で反応した。発表直後に157.76円まで上昇し、円売りが強まった。長期金利も上昇しており、市場が円安基調を意識していることがはっきりと示された一週間だった。
今週は株式市場をはじめ、世界の主要市場が休場となるため取引時間には十分注意したい。市場が休場している期間は、年末年始を中心に注文やポジション調整ができない場合がある。そのため、予想外の地政学リスクや突発的な材料が出た場合、大きな窓開けが発生する恐れがある。
過去にはフラッシュクラッシュが起きた例もあるため、ポジション管理には十分な注意が必要だ。
テクニカル分析
英ポンド/円(GBP/JPY)
ポンド円の週足チャートを分析する。ポンド円は円安基調を背景に上昇が継続しており、2024年7月高値の208.12円を上抜け、210円台へ到達した。
今回の上昇局面では、日本の政策金利変更があったものの、為替市場では金利水準そのものよりも、日本の財政状況や中長期的な円の信認低下といった要因が意識されている可能性がある。もっとも、これはあくまで背景要因の一つとして捉えておきたい。
テクニカル面では、ローソク足がボリンジャーバンドの+1σから+2σの間で推移するバンドウォークを形成し、一時的に+2σラインを上回る動きも見られる。これは上昇トレンドが強い局面で確認されやすい挙動である。
RSIは70を上回り高水準で推移しており、短期的な過熱感は否定できない。一方で、MACDはゴールデンクロスを維持しており、中期的な上昇モメンタムは継続していると判断できる。
上値の目安としては212.50円が意識される。一方、調整が入った場合は、直近のブレイク水準である208.12円、次いで206.25円がサポートラインとして機能するかが焦点となる。
現時点では+2σライン近辺での推移とバンドウォークの継続可否が、上昇トレンド維持の分岐点となりそうだ。

ユーロ/円(EUR/JPY)
ユーロ円の週足チャートを分析する。ユーロ円は中長期的な上昇トレンドを維持しており、直近では日銀政策決定会合後の円売りが意識される中で、最高値を更新した。
もっとも、直近の週足では陰線のローソク足が出現しており、高値圏での利益確定売りが入り始めている点には注意が必要だ。これは明確なトレンド転換を示すものではないが、上昇の勢いが一時的に緩和している可能性を示唆している。
テクニカル指標を見ると、RSIは75を上回る高水準で推移しており、上昇トレンドが強い局面にある一方、短期的な過熱感も意識されやすい水準にある。MACDシグナルはゴールデンクロスを維持しており、中期的な上昇モメンタム自体は崩れていない。
上値の目標としては185.90円が意識される。一方、調整局面では、181.25円、次いで179.60円がサポートラインとして機能するかが焦点となる。
年末年始で市場参加者が減少する局面では、積極的な高値追いは入りにくい可能性がある。現時点では、RSIの高止まりが維持されるか、また押し目形成の際にどの水準で下げ止まるかが、年明け以降のトレンド継続を判断する分岐点となりそうだ。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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