注目の経済指標とイベント(12/22~12/26)
今週は米国のQ3GDP確定値や消費者信頼感指数が焦点。利下げサイクルに入ったFRBの次なる一手を占う上で、景気の底堅さを確認する材料となる。
通貨別では、ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)は0.8840で上値が重い一方、スイスフラン/円(CHF/JPY)は強い上昇基調で史上最高値圏を推移。ともにダイバージェンスによる反落リスクに注意が必要。24日の日銀「主な意見」公表や休暇に伴う流動性低下が招く、不規則な値動きに一層警戒したい。
25日(木)以降は欧米主要市場が休場予定となっており、取引参加者の減少による流動性低下が顕著となる見込み。市場は少ない材料でも過敏に反応しやすく、ポジション調整による不規則な値動きには一層の警戒が必要である。
注目の経済指標とイベント(12/22~12/26)

重要な指標・イベント(日付順)
- 12月23日(火)米・消費者信頼感指数(12月コンファレンスボード)
個人消費が米景気を下支えする中、その先行指標として注目される。年末商戦の影響を反映しやすく、足元の消費マインド確認が焦点。結果が強弱どちらに振れるかで米金利観測が揺れ、ドルやゴールド、BTCの選好度にも波及しやすい。期待との乖離幅や将来見通し項目がポイント。
- 12月23日(火)米・国内総生産(四半期GDP)
米国の成長ペースを示す基幹指標で、金融政策の見通しに直結しやすい。利下げ時期や回数への見方が市場の主軸となる中、想定との差が為替とリスク資産の方向性を左右する。強弱次第でドルの基調が変化し、BTCやゴールドへの資金配分にも影響が及ぶ。改定幅に注意。
- 12月23日(火)豪・中央銀行(RBA)金融政策会合 議事要旨公表
豪州景気や物価認識を通じ、今後の金融環境を探る材料として注目される。資源国通貨である豪ドルは世界景気や商品市況と連動しやすく、為替の変動がリスク資産全般に波及しやすい。議論の力点や将来政策への含みが豪ドル、BTCの値動きを左右する。
- 12月24日(水)米・新規失業保険申請件数
労働市場の変化をいち早く映す週次指標。休暇前後は数値の振れが市場心理に影響しやすく、雇用減速が意識されると金利観測を通じてドルが動きやすい。為替の短期変動に加え、BTCやゴールドへの資金移動も起こりやすい。継続的な増減傾向が注目点。
- 12月24日(水)日本・日銀金融政策決定会合 議事要旨公表(10月)
将来の判断余地を探る材料として円相場が反応しやすい。金利正常化への認識に変化が見られればドル円が動意づき、クロス円やリスク資産の評価にも影響する。円高方向への意識が強まる場合、ビットコインや金価格の調整圧力にも注意が向く。
相場のファンダメンタル
前週の為替市場は、米雇用統計や米CPI、ECB理事会を受けてインフレ鈍化が意識され、金利見通しを軸にドルの基調が揺れ動いた。ドル円相場は、賃金やサービス価格の伸びが落ち着くとの受け止めから方向感を欠き、金利見通しを巡って神経質な値動きとなった。
本記事制作時点では未発表だが、19日の日銀金融政策決定会合で示される政策判断は円相場に影響しやすい。政策金利や声明文の表現次第では、為替を通じてリスク資産の評価にも波及しやすい。
今週は、米GDPや米消費者信頼感指数を通じて、年末時点の米景気の底堅さが確認されるかが焦点である。市場全体では、クリスマス休暇を前に参加者減少による流動性低下が進み、材料への反応が増幅されやすい環境である。
金利見通しを起点としたドルの動きが商品や暗号資産へ波及する構図も続いており、結果以上に解釈の違いが相場の振れを生みやすい週となる。
テクニカル分析
ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)
ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)の週足チャートを分析する。ボリンジャーバンド(期間52)はスクイーズ局面を経て拡大に転じており、中期的なトレンド環境は維持されている。ローソク足は+1σから+2σの間で推移し、上向きのバンドウォークが継続している。
ただし、価格は上昇を続けているものの、バンド内での高値の位置は+3σ付近から+2σ近辺へと相対的に切り下がっており、上昇の勢いが徐々に弱まっている様子がうかがえる。
ROC(13)はモメンタムの低下を示す下降ダイバージェンスを形成している。また、Chaikinオシレーター(13,4)も同様に切り下がっており、買い圧力の鈍化がうかがえる。モメンタムと需給の両面に乖離が生じている点には注意が必要である。
上値では0.8840および0.8900が週足ベースのレジスタンスラインとして意識される。一方、調整局面では0.8667、さらに下では0.8610がサポートラインとして機能するかが焦点となる。
現時点では、+2σ近辺でのバンドウォークが維持されるか、それともオシレーター系指標の乖離を背景に調整色が強まるかが分岐点となる。上値追いには慎重さが求められ、各サポートラインでの反応を確認しながら対応していきたい局面である。

スイスフラン/円(CHF/JPY)
スイスフラン/円(CHF/JPY)の週足チャートを分析する。5月以降、ボリンジャーバンド(期間26)の+1σと+2σの間で上昇が継続し、足元では過去最高値圏となる196円付近で推移している。
価格は中期的な上昇基調は維持されているが、高値圏での推移が長期化する中、上昇の勢いにはやや警戒も必要となりつつある。
RSI(13)は72台に達しており、過熱領域に入っている。加えて、Chaikinオシレーター(13,4)は価格の上昇に反して下降ダイバージェンスを形成しており、買い圧力の鈍化を示唆している。
このまま上昇が継続した場合は、心理的節目である200円は強い抵抗帯となりやすい。一方で、調整局面入りとなれば190円付近が下値の目安となる。
今後は過去高値圏での持ち合い形成や反落の可能性も視野に入れ、バンドウォークが継続するかどうかに注目できるだろう。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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