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注目の経済指標とイベント(8/17~8/21)

ウィークリー分析
安藤修安藤修
注目の経済指標とイベント(8/17~8/21)

日米協調介入後も、日米金利差を背景とする円売り圧力は根強い。一方、主要国では、インフレ抑制と景気配慮のどちらを優先するかで政策判断が交錯しており、強い指標は金融緩和期待を後退させ、弱い指標は景気懸念を強める構図が続く。このため、政策期待の再評価が今週の相場の主要テーマとなる。

NYダウ(US30)とRussell 2000(US2000)はともに中長期の上昇構造を維持しているが、高値圏で上昇の持続力が問われる局面にある。大型工業株中心のNYダウは200週線からの価格の偏りが大きく、反落リスクが意識されやすい水準にある。一方、小型株中心のRussell 2000は上昇基調ながら勢いが鈍化しており、いずれも高値圏でのポジション調整には警戒が必要な状況だ。

今週は日本GDP・英CPI・FOMC議事要旨・日本CPI・米PMIと、主要国の金融政策期待を再評価する材料が集中する。インフレと景気の強弱が市場の織り込みから外れれば、日米の金融政策見通しが修正され、週後半にかけて為替・株式の値幅拡大につながる可能性がある。

注目の経済指標とイベント(8/17~8/21)

日付経済指標とイベント日本時間
8/17(月)Wyoming Blockchain Symposium 2026(〜8/20)
日本・実質国内総生産(4–6月期 GDP 一次速報)8:50
中国・小売売上高/鉱工業生産(7月)11:00
カナダ・消費者物価指数(7月 CPI)21:30
米国・ニューヨーク連銀製造業景気指数(8月)21:30
米国・NAHB住宅市場指数(8月)23:00
米国・対米証券投資(6月 TIC)翌5:00
8/18(火)オーストラリア・Westpac消費者信頼感指数(8月)9:30
英国・ILO失業率/雇用統計(6月)15:00
ドイツ・ZEW景況感調査(8月)18:00
ユーロ・ZEW景況感調査(8月)18:00
米国・住宅着工件数(7月)21:30
米国・建設許可件数(7月)21:30
米国・輸入物価指数(7月)21:30
米国・鉱工業生産(7月)22:15
米国・中古住宅販売成約指数(7月)23:00
8/19(水)ニュージーランド・生産者物価指数(4–6月期 PPI)7:45
日本・機械受注(6月)8:50
オーストラリア・賃金指数(4–6月期)10:30
英国・消費者物価指数(7月 CPI/コアCPI)15:00
ユーロ・消費者物価指数(7月 HICP 確報)18:00
米国・石油在庫統計23:30
米国・FOMC議事要旨(7月会合分)翌3:00
8/20(木)Coinfest Asia 2026(〜8/21)
日本・貿易収支(7月)8:50
中国・1年物LPR(ローン・プライム・レート)10:00
オーストラリア・雇用統計(7月)10:30
ドイツ・生産者物価指数(7月 PPI)15:00
米国・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(8月)21:30
米国・新規失業保険申請件数21:30
米国・景気先行指標総合指数(7月 LEI)23:00
8/21(金)ニュージーランド・貿易収支(7月)7:45
日本・全国消費者物価指数(7月 CPI)8:30
英国・小売売上高(7月)15:00
ドイツ・非製造業PMI(8月 速報)16:30
ドイツ・製造業PMI(8月 速報)16:30
ユーロ・非製造業PMI(8月 速報)17:00
ユーロ・製造業PMI(8月 速報)17:00
英国・非製造業PMI(8月 速報)17:30
英国・製造業PMI(8月 速報)17:30
カナダ・小売売上高(6月)21:30
米国・非製造業PMI(8月 速報)22:45
米国・製造業PMI(8月 速報)22:45
米国・総合PMI(8月 速報)22:45
ユーロ・消費者信頼感(8月 速報)23:00

重要な指標・イベント

  • 8月17日(月) 日本・実質国内総生産(4–6月期 速報)
    日銀は7月に金利を1.0%で据え置きつつ、2026年度の成長見通しを上方修正した。個人消費や設備投資が予想を上回れば追加利上げ観測から円買いが入りやすい。一方、輸出や消費の弱さが目立てば、円高の進行を抑える材料となる。GDPの内訳を確認する必要がある。
  • 8月19日(水) 英国・消費者物価指数(7月 CPI)
    英国はサービス価格の高止まりが課題で、6月CPIは目標の2%を上回った。イングランド銀行は7月に政策金利を据え置いており、今回の物価が次回判断の材料となる。総合CPIが目標を上回れば、利下げペース減速観測からポンド買い圧力が強まる。逆に物価安定が確認されれば、早期利下げ期待でポンドは上値が重くなる。
  • 8月19日(水)【8/20 午前3:00】 米国・FOMC議事要旨
    FOMCは7月29日に政策金利を3.50~3.75%で据え置いたが、3人の委員は利上げを支持した。米国では雇用の減速度合いと物価の再上昇リスクを市場が同時に測っており、9月以降の利下げ観測が主要テーマとなっている。委員間に利下げ慎重論が多く見られれば、9月利下げの確信度は低下し、米金利上昇を通じてドル高・暗号資産の調整要因となる。
  • 8月21日(金) 日本・全国消費者物価指数(7月 CPI)
    6月の全国CPIの動向に加え、先行指標となる東京都区部の7月CPIでは、生鮮食品を除く指数の前年比上昇率が1.9%へ加速した。全国でも物価上昇圧力が再び強まるかが、日銀の追加利上げ時期を考える材料となる。
  • 8月21日(金) 米国・8月製造業・非製造表PMI(速報)
    製造業・サービス業の景気動向を早期に示す指標で、50が景気拡大・縮小の目安となる。今回の8月速報値が企業活動の底堅さを示すかが焦点となる。市場予想を上回る結果となれば米金融緩和期待の後退を通じてドルを支える可能性がある一方、大幅な下振れは景気減速懸念を強める可能性がある。

相場のファンダメンタル

為替市場では、日米当局による協調介入の余波と米経済指標の結果が交錯している。ドル円は介入後に一時155円台まで下落した後、159円台まで戻しており、介入警戒と日米金利差を背景とした円売り圧力がせめぎ合っている。中東情勢の緊迫化による原油価格の上振れリスクも引き続き意識されている中で、インフレ鈍化と景気減速の両面性が相場の方向感を不透明にしている。

今週は日本の4〜6月期GDP、英国7月CPI、7月FOMC議事要旨、日本7月CPIが焦点となる。日本の成長率と物価が底堅ければ日銀の追加利上げ観測を支えやすく、英国CPIは英中銀の政策見通しを通じてポンドに影響しうる。FOMC議事要旨では、7月会合で利上げを主張した3委員と多数派との温度差、雇用減速をどう評価したかが注目される。

経済構造を概観すると、主要国の中央銀行はインフレ抑制と景気配慮の選択を迫られている。強い指標が利下げ先送りを誘発してドル高を促す一方、弱い指標は景気悪化懸念を高める両面性を持つ。米国の利下げ転換時期と日本の金融正常化ペースの比較から政策期待差が縮小に向かうかが、各主要通貨の底堅さを測る焦点となる。

テクニカル分析

ダウ・ジョーンズ工業株平均(US30)

NYダウ(US30)の週足は、中長期の上昇構造を維持している。LinReg(13・52・200)はいずれも上向きで、KAMAとVIDYAも価格の下方で推移しており、複数のトレンド指標から上昇基調の継続が確認できる。

複数のトレンド指標が上向きを維持していることから、現時点では価格の高値圏推移だけを理由に上昇基調の崩れを想定する局面ではない。

一方、200週移動平均線(SMA(200))からの乖離率は+32.41%まで拡大しており、価格位置としては上方への偏りが大きい。

WTI原油との相関を見ると、価格水準ベースのLevel相関はプラスを維持する一方、騰落率ベースのReturn相関はマイナス圏にある。長期的には両者の価格水準に同方向性がみられるものの、足元の値動きでは連動性が弱く、むしろ逆方向に動く局面が目立っている。代表的な株価指数であるUS30とWTIのLevel相関がプラスである点は興味深いが、長期トレンドを持つ価格系列同士では相関が高まりやすいため、短期的な市場連動性を見るうえではReturn相関を重視したい。

上値では54,700を明確に上抜ければ、高値圏でも上昇トレンド継続が意識され、次の目安は56,250となる。一方、51,560付近を割り込む場合は、上昇ペースの鈍化を示し、調整色が強まる可能性がある。今後は54,700突破の有無と、51,560付近を維持できるかが焦点となる。

US30(NYダウ)の週足テクニカル分析チャート(2026年8月14日時点)。LinReg、KAMA、VIDYA、200週SMA、主要価格水準、WTI原油との相関を表示。
【US30(NYダウ) 週足チャート】

Russell 2000(US2000)

Russell 2000(US2000)の週足は、中長期の上昇構造を維持しながら、高値圏で一段高を試す局面にある。13週・52週・200週のLinRegはいずれも上向きで、価格も3本を上回っていることから、基調は上向きと判断できる。一方、高値圏では直近数週間にわたって上下する場面もみられ、上昇基調を維持しながらも、一方向に上値を伸ばす展開には至っていない。

足元ではLinReg(13)を上回って推移している一方、直近のローソク足を見ると上昇過程と比べて値動きの勢いは強くなく、高値圏で方向感を探る動きとなっている。ただし、中長期の上昇構造が崩れた形ではなく、現時点では上昇トレンドの中で次の方向を探る局面と捉えられる。

上値では3,125~3,200が次の確認ゾーンとなる。一方、下値では2,949.20を維持できるかが足元の上昇構造を見るポイントで、明確に割り込む場合は2,812.50付近が次の確認水準となる。

DXYとのLevel相関はプラスだが、Return相関はマイナス圏にあり、足元ではドル上昇時にRussell 2000の騰落が弱くなる傾向がみられる。このため、上値を試す局面ではドルの動向も併せて確認したい。

【US2000(Russell 2000) 週足チャート】

※ALTテキストRussell 2000(US2000)の週足テクニカル分析チャート(2026年8月14日時点)。LinReg、KAMA、VIDYA、200週SMA、主要価格水準、DXYとの相関を表示。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。

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