注目の経済指標とイベント(10/03~11/07)

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FRBの金融政策スタンスが再評価される中、ドル全体の強弱を示すドルインデックスは、上昇圧力の強まりを示している。12月利下げ観測の後退を受け、ドル買い地合いが再燃しつつある。ドル円は金利差を背景に、海外投資家によるドル買い・円売りの取引が増加しており、ボラティリティが一段と大きくなっている。テクニカル的には、短期的な調整局面への備えも必要である。

今週はRBA、BOE、米ISM非製造業指数、米雇用統計といった重要イベントが相次ぐ予定である。特に米雇用統計は、予定通り公表されれば前回までのデータを補完し、労働市場の現状を改めて評価する材料として極めて重要。

注目の経済指標とイベント(11/3~11/7)

(※米政府機関の一部閉鎖が継続中のため、予定されている一部経済指標の発表に遅延・欠測の可能性があります。発表有無に関する最新情報をご確認ください。)

重要な指標・イベント

  • 11月4日(火)豪・中銀政策金利
    インフレ率が依然として目標上限付近にあるなかで、RBAは年内の追加利下げを見送る姿勢を維持しており、声明文のトーンが注目される。タカ派寄りの発言なら豪ドル買い戻しが進み、逆に景気減速懸念が強調されれば豪ドル売りに傾く可能性。
  • 11月5日(水)米・ISM非製造業景況指数
    サービス業が米経済を支える主要セクターであるため、FRBの利下げ時期を占う上で極めて重要。低下が続けば景気減速懸念でドル売りが強まり、逆に予想上振れなら金利上昇を通じてドル買いの反応が見込まれる。(※米政府閉鎖の影響により発表が延期または中止される可能性がある。)
  • 11月6日(木)英・中銀(BOE)政策金利
    インフレ率は鈍化基調ながら賃金上昇が根強く、BOEは慎重なスタンスを継続。市場は、声明内容や議事要旨での委員の投票内訳、今後の利下げ経路に関する記述に敏感に反応。景気減速懸念が強調されればポンド売り、インフレ抑制への警戒姿勢が維持されればポンド買い材料となる。
  • 11月7日(金)米・雇用統計
    FRBの政策判断に直結する最重要指標。非農業部門雇用者数と失業率、平均時給の3つが焦点。雇用の大幅な鈍化は、景気後退懸念から利下げ加速期待でドル売り、予想以上の堅調さは利下げ見通し後退でドル買いに。週末前のポジション調整も相まって値動きが増幅される傾向。(※米政府閉鎖の影響により発表が延期または中止される可能性がある。)

相場のファンダメンタル

先週の為替市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を0.25%引き下げたものの、今後の追加利下げに慎重な姿勢を示したことで、ドル買いが優勢となった。また、日本銀行は金利を0.5%で据え置き、引き続き慎重な姿勢を維持したため、円は売られやすくドル円は円安方向に振れた。

今週は、4日のオーストラリア準備銀行(RBA)政策金利、5日の米ISM非製造業景況指数、6日のイングランド銀行(BOE)政策金利、7日の米雇用統計と、主要イベントが目白押しである。さらに、米政府閉鎖の影響で一部統計の発表が遅れる可能性もあり、相場の不確実性を高めている。

市場は主要国の金融政策の方向性と米経済指標の結果を注視しており、投資家心理は依然として慎重である。新たな材料が出るたびに為替が大きく反応しやすく、短期的には不安定な値動きが続く展開となりそうである。

テクニカル分析

米ドル インデックス(USIDX)

ドルインデックスの週足チャートを分析する。現在は52週SMA、26週SMA、13週SMAが上から順に並ぶ下降トレンド型のパーフェクトオーダーを維持しているが、13週SMAが26週SMAへ接近しており、トレンド転換の兆候が見られる。

ローソク足では、安値圏でトンボ型ローソク足が出現しており、これを起点に短期的な上昇チャネルラインが形成された。短期的な反発基調が鮮明となっている。

RSI(14)は51代後半と中立圏にあり、モメンタム面でも回復の動きが確認できる。

加えて、12月の利下げ観測が後退したことがドル買いを支える材料となった。テクニカル面の反発シグナルとファンダ要因が一致しつつある。

現時点では13週SMAと26週SMAによる下値支持とクロスが焦点となる。チャネル上限を明確に上抜けできれば上昇継続の判断材料となる。金利動向によるドル買い基調も含めて注目したい。

【USIDX/週足チャート】

米ドル/円(USD/JPY)

ドル円の週足チャートを分析する。移動平均線に注目すると、13週SMAと26週SMAがゴールデンクロスを形成し、さらに13週SMAが52週SMAを上抜けようとしている。トレンド転換のサインが強まっており、実際にクロスが完成すれば上昇基調が継続する可能性がある。

価格は緩やかな上昇チャネルライン内で推移しており、154.70円付近が短期的な目標水準となり、上抜ければ156.25円付近が意識される。一方で、151.20円付近が下値の目安となる。

RSI(14)は65台半ばまで上昇しており、短期的な上昇モメンタムが示唆される。

現時点では26週SMAに続き、52週SMAのゴールデンクロスも形成されるかに注目したい。一方、やや高めに上昇しているRSI(14)から、短期的な調整を挟む可能性にも留意が必要である。

【USDJPY/週足チャート】

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(※この情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。)

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