ThreeTrader

注目の経済指標とイベント(8/3~8/7)

ウィークリー分析
安藤修安藤修
注目の経済指標とイベント(8/3~8/7)

為替市場では、ドル円(USD/JPY)は先週、163円台後半から一時158円近辺まで急落し、円買い介入観測が強まった。これはJPY側の突発的な需給要因だが、これとは別に、今週は米景気減速とインフレ再燃の綱引きというUSD側の構造的な材料が控えており、雇用・物価・金利の組み合わせ次第で為替から株式、暗号資産まで幅広い資産の方向性が左右される局面となる。

NASDAQ100(NAS100)は長期上昇トレンドを維持する一方、短中期ではモメンタム低下が鮮明となり、調整局面が続いている。本レポートでは、長期構造が維持されるなかで押し目形成か、それとも中期的な構造変化へ移行するかを判断する重要局面として取り上げた。

VIX(恐怖指数)は18.35と長期統計上では中立圏に位置し、市場全体が極端な楽観・悲観のいずれにも傾いていないことを示している。一方で、16.00割れが定着せず、低ボラティリティ相場へのスムーズな移行はまだ確認できないため、今回は株式市場の先行的なリスクを測る指標として、いつも以上に意識したい。

今週はISM製造業・非製造業景況指数、JOLTS求人件数、米雇用統計が相次ぎ、週後半に向けてボラティリティが高まりやすい日程となる。雇用者数や賃金、価格関連項目の結果次第では利下げ観測や米金利の織り込みが変化し、ドル相場だけでなく株式や暗号資産にも波及しやすい。

注目の経済指標とイベント(8/3~8/9)

日付経済指標とイベント日本時間
8/3(月)ニュージーランド・住宅建設許可件数(6月)7:45
中国・RatingDog製造業購買担当者景気指数(7月 PMI)10:45
ドイツ・小売売上高(6月)15:00
ドイツ・製造業購買担当者景気指数(7月 PMI)16:55
ユーロ圏・製造業購買担当者景気指数(7月 PMI)17:00
英国・製造業購買担当者景気指数(7月 PMI)17:30
米国・製造業購買担当者景気指数(7月 PMI)22:45
米国・ISM製造業景況指数(7月)23:00
8/4(火)米国・貿易収支(6月)21:30
米国・製造業新規受注(6月)23:00
米国・耐久財受注(6月)23:00
米国・JOLTS求人件数(6月)23:00
8/5(水)ニュージーランド・四半期雇用統計(4-6月期)7:45
日銀・金融政策決定会合議事要旨8:50
中国・RatingDogサービス業購買担当者景気指数(7月 PMI)10:45
ドイツ・サービス業購買担当者景気指数(7月 PMI)16:55
ユーロ圏・サービス業購買担当者景気指数(7月 PMI)17:00
英国・サービス業購買担当者景気指数(7月 PMI)17:30
ユーロ圏・卸売物価指数(6月PPI)18:00
米国・ADP雇用統計(7月)21:15
米国・サービス業購買担当者景気指数(7月 PMI)22:45
米国・総合購買担当者景気指数(7月 PMI)22:45
米国・ISM非製造業景況指数(7月 総合)23:00
米国・石油在庫統計23:30
8/6(木)ドイツ・製造業新規受注(6月)15:00
英国・建設業購買担当者景気指数(7月 PMI)17:30
ユーロ圏・小売売上高(6月)18:00
米国・新規失業保険申請件数21:30
8/7(金)ドイツ・鉱工業生産(6月)15:00
カナダ・雇用統計(7月)21:30
米国・雇用統計(7月)21:30
中国・貿易収支(7月)未定
8/9(日)中国・消費者物価指数(7月 CPI)10:30
中国・生産者物価指数(7月 PPI)10:30

重要な指標・イベント

  • 8月3日(月)23:00 米国・ISM製造業景況指数(7月)
    米製造業の受注、生産、雇用、仕入価格を確認する指標である。製造業の景気の先行きを示すバロメーターとして市場に注視されている。今回は関税や原材料価格が企業活動にどう影響しているかが焦点となる。受注の改善と価格上昇の落ち着きが同時に示されれば、米株や暗号資産を支えやすい。反対に価格項目が強ければ、米金利上昇を通じてドル買いが進み、円やビットコインの重荷となる。
  • 8月4日(火)23:00 米国・雇用動態調査(JOLTS)求人件数(6月)
    企業が募集している仕事の数から、人手不足度合いや雇用需要の強さを読み取る指標である。直近の米雇用統計では、6月の雇用者数が5万7,000人増にとどまり、労働参加率も低下したため、雇用の弱まりが一時的かどうかを確かめる材料となる。求人件数が大きく減れば、今後の金利低下を見込んだドル売りが進みやすい。一方、求人が高水準を保てば、ドル円の下値を支え、金や暗号資産の上値を抑える要因となる。
  • 8月5日(水)23:00 米国・ISM非製造業景況指数(7月)
    小売、金融、運輸など、米国経済の中心となるサービス業の動きを映す指標である。製造業に比べて回復が遅れているサービス業の雇用項目が、夏場の消費動向をどう反映しているかが今回の最大のチェックポイントとなる。景況感を保ちながら価格上昇が弱まれば、米株やビットコインに追い風となる。反対に価格項目が再び強まれば、ドル買いと米金利上昇につながりやすく、リスク資産には慎重な視線が戻りかねない。
  • 8月7日(金)21:30 米国・雇用統計(7月)
    雇用者数、失業率、賃金の伸びをまとめて確認できる、今週最重要の指標である。直近のインフレ鈍化を受けて、市場は雇用市場の適度な冷え込みを求めている。新規雇用者数と平均時給の伸び率が予想とどう乖離するかが核心だ。雇用者数や賃金が予想を下回れば、米金利低下とドル売りを通じて、ゴールドやビットコインが買われやすい。一方、雇用と賃金がそろって堅調な結果となれば、ドル円を押し上げる方向に働きやすく、株式や暗号資産の買いを手控えさせる要因となる。過去月の数値修正も、結果次第では相場の反応を変えうるため、あわせて確認したい。
  • 8月9日(日)10:30 中国・消費者物価指数/生産者物価指数(7月)
    消費者物価指数は家計が支払う価格、生産者物価指数は企業間で取引される製品価格を示す。中国では消費の回復力と企業の値下げ競争が注目されており、物価の弱さが続くかが今回のポイントになる。消費者物価が上向き、生産者物価の下落幅も縮小すれば、中国景気への安心感から豪ドルや資源価格を支えやすい。一方、両指標が弱ければ中国需要への懸念が強まり、豪ドル、原油への売りにつながる。日曜日の発表後は暗号資産が先に反応する点にも注意したい。

相場のファンダメンタル

為替市場では、日本当局による円買い介入との見方を伴う急激な円高が大きな関心を集めている。ドル円は163円台後半から一時158円近辺まで水準を切り下げた。本稿作成時点では介入の実施は公式に確認されていないが、短時間に円買いが集中したことで、日米金利差だけでなく当局の対応も意識されるようになった。

今週は米ISM製造業・非製造業指数、JOLTS求人件数、雇用統計が相次ぐ。米国の景気や雇用の強さに加え、賃金や仕入価格が再び上向いていないかが確認点となる。加えて、中国の消費者物価・生産者物価は、豪ドルや資源国通貨を通じて為替市場に影響を及ぼしやすく、週末から週明けにかけての動きに目を配る必要がある。

米国では景気減速への警戒が強まる一方で、原油高を背景としたインフレ再燃への懸念も残っている。弱い指標が出ても、単純なドル安には振れず、雇用・賃金・物価を組み合わせて立体的に判断する必要がある局面だろう。足元では円高が進んだものの、再び円安方向へ戻る場合は再び介入警戒が強まり、ドル円は米指標だけでは説明しにくい値動きとなる可能性がある。

テクニカル分析

NASDAQ 100(NAS100)

NASDAQ100(NAS100)は、LinReg(20・52・156)が引き続き上向きであり、長期的な上昇構造そのものは維持されている。一方、価格はLinReg(20)、LinReg(52)、KAMA(10)を下回り、一時はLinReg(156)およびVIDYA(14)に対しても下回った。短中期では上昇モメンタムが明確に鈍化している。内部統計モデルでも長期トレンドの転換はまだ確認されておらず、現状は下降相場への移行というより、ボラティリティを伴った調整局面とみるのが妥当だろう。

直近の週足では長い下ヒゲが形成され、安値圏では押し目買いや買い戻しが入ったことがうかがえる。一方、外部環境では本邦当局による為替介入観測を背景にドル円の変動が大きくなっており、リスク資産の値動きにも注意が必要である。また、市場心理を示すLogResidual Stressは0ラインを下抜け始めており、足元では弱気圧力へ傾斜している兆候がみられる。

次の下値の焦点は26,560である。同水準を維持し、KAMAやVIDYAを回復できれば、29,690への戻りを試す余地がある。さらに29,690を明確に上抜ければ、30,777が次の上値目標となる。一方、26,560を週足終値で割り込む場合は25,000が次の支持候補となり、単なる調整から中期的な構造変化へ警戒度を引き上げる必要がある。

【NAS100 週足チャート】

VIX(恐怖指数:CBOE Volatility Index)

VIXは18.35で推移し、Log Level ZScore(156)も0近辺にあることから、長期的な統計分布に対して現在の水準は概ね中立圏に位置する。

VIXはS&P500オプション市場が織り込む今後30日間の予想変動率であり、足元では向こう1カ月の不確実性が極端に高くも低くも評価されていない。ただし、3月の急性ストレス局面から低下した後も16.00を下回って定着しておらず、低ボラティリティ環境へ完全に移行したとは言い切れない。

KAMA(10)とVIDYA(14)は20近辺で収束し、LinReg(20)は下向きを維持しているため、短期的には変動期待の低下基調が残る。一方、内部統計モデルでは圧縮の進行が一方向に強まっているわけではなく、再拡大の余地も残されている。

20.30を明確に上抜ければ、オプション市場が今後30日間の変動リスクを上方修正し始めた可能性が高まる。反対に16.00割れが定着すれば、低位の変動期待が定着するシグナルとして評価できる。

【VIX 週足チャート】

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。

ThreeTraderでは、狭いスプレッドと高い約定力で、幅広い銘柄の取引が可能です。

お得なキャンペーン情報はこちら⇒詳細を見る

簡単3ステップ 口座開設&取引スタート

申請フォーム入力

申請フォーム入力

本人確認書類をアップロード

本人確認書類をアップロード

ご入金後、トレード開始!

ご入金後、トレード開始!

最短 5 分で申込完了、取引開始も 即日 から!