注目の経済指標とイベント(06/22~06/26)
日銀の追加利上げ後も日米金利差は大きく、為替市場ではドル高円安基調が維持されている。市場の関心は景気そのものではなく、物価や景況感の結果が各国中銀の政策見通しをどう変えるかに移っており、今週はPCEコアと欧米PMIが相場全体の方向感を左右しやすい。
今週のテクニカル分析では日経225とS&P500を取り上げる。日経225は7万を上回り上昇トレンドの加速局面にあり、S&P500も高値圏への再挑戦が続くなど、日米ともに株式市場は強い上昇構造を維持している。もっとも両指数とも価格は長期平均から乖離しており、米金利見通しの変化をきっかけとした短期的な調整には注意を要する。
今週最大の焦点は6月25日の米PCEコアで、FRBの今後の政策判断を占う重要指標となる。予想を上回ればドル高・米金利上昇を通じて株式や暗号資産の重しとなりやすく、下振れであれば利下げ期待の回復からリスク資産へ資金が向かう可能性がある。
現在の市場では、強い景気指標が必ずしも株高要因に直結せず、米金利高を通じてリスク資産の重しにもなり得る構造が存在する。この構造が強まれば、ドル高・米株調整・暗号資産上値抑制が同時進行し、米金利再上昇局面では高値圏株の調整リスクが高まるシナリオが想定される。
Weekly Report【6/21】
注目の経済指標とイベント(6/22~6/26)
| 日付 | 経済指標とイベント | 日本時間 |
| 6/22(月) | 中国・最優遇貸出金利(6月ローンプライムレート) | 10:00 |
| カナダ・消費者物価指数(5月CPI) | 21:30 | |
| ユーロ圏・消費者信頼感(6月速報値) | 23:00 | |
| Dutch Blockchain Week(6/22〜28) | ||
| 6/23(火) | ドイツ・購買担当者景気指数(6月PMI速報値) | 16:30 |
| ユーロ圏・購買担当者景気指数(6月PMI速報値) | 17:00 | |
| 英国・購買担当者景気指数(6月PMI速報値) | 17:30 | |
| 米国・購買担当者景気指数(6月PMI速報値) | 22:45 | |
| 米国・リッチモンド連銀製造業指数(6月) | 23:00 | |
| 6/24(水) | 豪州・消費者物価指数(5月CPI) | 10:30 |
| ドイツ・IFO企業景況感指数(6月) | 17:00 | |
| 米国・経常収支(第1四半期) | 21:30 | |
| 米国・新築住宅販売件数(5月) | 23:00 | |
| 米国・石油在庫統計 | 23:30 | |
| 6/25(木) | 豪州・雇用統計(5月) | 10:30 |
| ドイツ・GfK消費者信頼感調査(7月) | 15:00 | |
| 米国・個人消費支出(5月PCEコア) | 21:30 | |
| 米国・実質GDP(四半期確定値) | 21:30 | |
| 米国・新規失業保険申請件数 | 21:30 | |
| 米国・耐久財受注(5月) | 21:30 | |
| 6/26(金) | 日本・東京都区部消費者物価指数(6月CPI) | 8:30 |
| 米国・卸売在庫(5月速報値) | 21:30 | |
| 米国・ミシガン大学消費者態度指数(6月確報値) | 23:00 |
重要な指標・イベント
- 6月23日(火)ユーロ圏・購買担当者景気指数(6月PMI速報値)
・ユーロ圏では、ECB会合後の市場では、物価だけでなく景気の弱さがどこまで広がるかにも関心が集まっている。今回のPMIは企業活動の勢いを早めに映すため、ユーロの方向感を左右する。数字が強ければユーロ買いにつながりやすく、弱ければ景気への見方が冷えてユーロ売りが出やすい。株式市場では、景気への安心感と金利上昇への警戒のどちらが強まるかが焦点となる。
- 6月23日(火)米国・購買担当者景気指数(6月PMI速報値)
米国では、金利が高止まりする中で景気がどこまで持ちこたえているかが重要なテーマになっている。PMIは企業の受注や雇用、価格動向を早めに映すため、ドルや米株の反応につながる。強い結果ならドル高・米金利上昇が意識され、暗号資産には上値を抑える材料となる。弱い結果なら、利下げ期待が再び強まり、リスク資産に買いが入りやすい。
- 6月24日(水)豪州・消費者物価指数(5月CPI)
豪州では、RBAが物価を低く安定させる姿勢を続けており、エネルギー価格の上昇が家計や企業にどれだけ広がるかが注目されている。今回のCPIが上振れれば、追加利上げへの意識から豪ドル買いが入りやすい。一方、物価の伸びが落ち着けば、豪ドルの上値は重くなり、豪ドル円や豪ドル米ドルだけでなく資源国通貨全体の見方にも影響する。
- 6月25日(木)米国・個人消費支出(5月PCEコア)
PCEコアはFRBが特に重視する物価指標であり、今週の最重要イベントと位置づけられる。直近では市場の一部で2026年内の利下げ見通しが後退しており、今回の結果はその見方を確認する材料となる。予想を上回ればドル高・米金利上昇・株式や暗号資産の重しとなり得る。下振れなら、利下げ期待の回復を通じて、米株やビットコインに買いが向かいやすくなる。
- 6月26日(金)日本・東京都区部消費者物価指数(6月CPI)
日銀は6月に政策金利を1.00%へ引き上げたばかりであり、東京CPIは次の政策判断を読むうえで重要な先行指標となる。直近は、円相場が国内材料だけでは動きにくく、ドル円は日米金利差の見方に左右されている。物価が強ければ、日銀の追加対応への意識から円買い材料となる。弱い結果なら、円買いの勢いは限られ、ドル円は米国材料に反応しやすい地合いが続く。
相場のファンダメンタル
現在の為替市場では、日銀が政策金利を1.00%へ引き上げた後も、依然として大きい日米金利差を背景に、ドル高円安の基調は根本から崩れていない。昨日のFOMCでは政策金利が3.50〜3.75%で据え置かれたが、FRB内では年内利上げを見込む参加者も増えており、ドル円相場は日本の国内要因だけで一方向に動く状況にはない。米国の金利見通しが、引き続き最大の変動要因である。
今週は、米個人消費支出物価指数と欧米の購買担当者景気指数が市場の手掛かりとなる。中央銀行が重視する米物価指標の減速が確認されれば、利下げ期待からドル高基調は修正されていく可能性がある。一方、企業活動の勢いを素早く映す景気指数が強ければ、高金利が長く続くとの見方が強まる。今週の主要指標は、各通貨の短期的な力関係を左右する材料である。
ファンダメンタルズの観点では、為替市場の焦点は単なる景気の強弱ではなく、その結果が中央銀行の判断をどう変えるかに移っている。景気の底堅さは通常なら安心材料だが、現在は高金利の長期化を連想させるため、ドル高や株式・暗号資産の重しにもなりやすい。今週は、物価の落ち着きと景気の底堅さのどちらを市場が重視するかを見極める週である。
テクニカル分析
日経225(JPN225 Index)
JPN225は週足ベースで上昇トレンドを継続している。価格はLinReg(9)、LinReg(52)、LinReg(200)をすべて上回って推移しており、中長期的な上昇構造に変化は見られない。足元では7万を超え、LinReg(9)を上抜ける形で上方拡張が進んでいることから、単なる上昇局面というより、トレンド加速局面として捉えることができる。
ADX(14)は50近辺まで上昇し、+DIが-DIを大きく上回る状態が続いている。トレンドの強度そのものは依然として高く、買い優勢の地合いは維持されている。価格は短期間で大幅な上昇を達成しており、ボラティリティの拡大も確認されることから、短期的には過熱感を伴う局面に入っている。現時点で明確なトレンド失速の兆候は見られないものの、高値圏では利益確定売りによる一時的な調整リスクには注意が必要だろう。
今後の焦点は、7万の心理的節目を維持できるかにある。同水準を上回って定着する場合は、次の上値目標として7万5000が意識される。一方、調整局面入りとなった場合でも、6万2300付近は重要なサポートとして機能する可能性が高い。さらに5万9300近辺には20週移動平均線が位置しており、この水準を維持する限り、中期的な上昇トレンド継続との見方が優勢となりそうだ。

S&P500(US500)
S&P500(US500)は、週足ベースでの上昇を維持している。価格はLinReg(52)中心線を上回って推移しており、LinReg(200)および20週移動平均線も上向きを維持していることから、中長期的な上昇トレンドに大きな変化は確認されていない。
3月の調整局面では、LinReg(200)を基準とした標準偏差チャネルの下限付近(0.6σ水準)で下げ止まり、その後急速な切り返しを見せた。統計的なレンジ内での反発が確認されたことから、今回の下落はトレンド転換ではなく上昇トレンド内の調整であった可能性が高い。足元では高値・安値の切り上げが継続しており、高値圏への再挑戦局面にあると考えられる。
別途統計モデルによる計測では、トレンド持続性指標は高水準を維持しており、価格変動の持続性が確認されている。また、ボラティリティ指標の短期エネルギー拡張率は通常水準を上回って推移しており、相場エネルギーの拡大が続いている。加えて、ADX(14)は30を上回り、+DIが-DIを上回る状態を維持していることから、現在の上昇トレンドには一定の強度が伴っていると判断される。ただし、価格は上方拡張帯に接近しており、長期平均からの乖離拡大に伴う短期的な調整リスクには留意が必要である。
今後の焦点は7734.0付近の上値抵抗帯を週足終値ベースで突破できるかにある。明確に上抜けて定着した場合は、上方チャネル上限に近い7900.0付近まで上昇余地が広がる可能性がある。逆に、7265.0付近のLinReg(200)を下回る場合は、中長期上昇トレンドの勢いが鈍化し、20週移動平均線が位置する7030.0近辺への回帰シナリオが意識されるだろう。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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