注目の経済指標とイベント(9/22~9/26)

X(Twitter)
Facebook
Instagram
LinkedIn
Copy URL

FOMCは0.25%の利下げを決めた。しかし、パウエル議長が「0.5%の大幅利下げを支持する意見はほとんどなかった」と明言したため、市場で進んでいたドル売りは一服し、ドルは持ち直す動きとなった。

ドルと連動性の高いスイスフラン(USDCHF)やドル指数(USIDX)は、いま調整の動きにある。ただし、RSIやモメンタムといったテクニカル指標ではダイバージェンスが見られ、下がりすぎからの反発が期待できる状況だ。

来週は米国のGDP確報値や8月の個人消費支出(PCE)、さらに日銀の議事要旨が発表される予定である。アメリカの利下げ観測と、日本の金融政策が正常化に向かうとの見方がぶつかり合い、ドル相場の行方を左右する重要な局面となるだろう。

注目の経済指標とイベント(9/22~9/26)

重要な指標・イベント

  • 9月25日(木)日本・日銀金融政策決定会合 議事要旨

・政策スタンスや今後の方向性を示す内容に注目。年内利上げ条件や時期への言及が焦点で、円の方向性を左右しドル円を中心に為替全体へ影響を及ぼす可能性がある。

  • 9月25日(木)米・国内総生産(GDP)

・第2四半期成長率の確報値。関税による投資抑制や消費鈍化が懸念される中、予想下振れなら利下げ観測でドル売り、上振れなら利下げ鈍化観測でドル買いにつながる可能性がある。

  • 9月25日(木)米・新規失業保険申請件数

・雇用情勢を週次で把握できる重要指標。失業率の上昇傾向が継続すればFRBの雇用重視姿勢を背景に利下げ観測が強まりドル売り、堅調ならドル買いの流れを生む可能性がある。

  • 9月26日(金)米・8月個人消費支出(PCE)

・FRBが最重視するインフレ指標。関税による物価圧力が意識される中、コアPCEが予想上振れならドル買い、下振れなら利下げ観測拡大でドル売りに直結する可能性がある。

相場のファンダメンタル

今週の為替市場は、FOMCによる0.25%の利下げと、パウエル議長が「0.5%の大幅利下げを支持する意見は広がらなかった」と発言したことで、当初のドル売りが一服し、持ち直す場面があった。さらに、米8月の小売売上高が予想を上回り、景気の底堅さが意識されたこともあり、ドル円は不安定ながらも下値を探りつつ方向感を模索する展開となった。

来週は、米国のGDP確報値と個人消費支出(PCE)が大きな注目材料となる。

GDPが上方修正されれば、景気の強さを裏付けることになり、利下げペースが緩むとの見方につながりやすい。一方、下振れすれば景気減速懸念からドル売り要因となる可能性がある。

特に、FRBが重視するPCEコアの数値は、市場の利下げシナリオを左右しやすい指標である。また、日銀の議事要旨公表では、7月の利上げ後にどのようなスタンスを示したかが焦点となる。

総じて、為替市場は「米国の金融緩和ペース」と「日本の政策正常化期待」という対照的な構図の中で、投資家心理が揺れやすい局面が続いている。経済指標や当局の発言一つひとつに市場が反応しやすい環境にあり、材料ごとの受け止め方に注目すべき場面である。

テクニカル分析

米ドル/スイスフラン(USD/CHF)

米ドル/スイスフランの週足チャートを分析する。現在、価格は長期的な下降チャネルの下限に接しており、戻りを試す構図にある。

100EMA・52EMA・13EMAが順に上から下に並ぶ形で推移しており、中長期的な下落トレンドが継続していることを示唆している。一方、RSIは32台で推移し、Momentumは下値圏から持ち直しの兆しを見せている。これらモメンタム系指標にダイバージェンスが観察される点は注目される。

価格面では、反発が進んだ場合はレジスタンスである0.8090CHFが上値のカギを握る。一方、下落が再開した場合は0.7684CHF、さらに0.7633CHFが次のサポート候補となる。

テクニカル的には、長期チャネル下限と複数の指標が交錯する場面であり、反発継続か再下落か、方向感を探る局面にある。

【USDCHF/週足】

米ドル指数(USIDX)

米ドル指数の週足チャートを分析する。現在、価格は長期の上昇チャネル下限付近に位置しており、重要な支持帯に差し掛かっている。

移動平均線は100EMAを上限に、52EMA・13EMAの順で下方に並び、特に52SMAが100SMAを下回ったことで、短中期的な下落圧力が強まっている。ローソク足の上値は13SMAに抑えられており、反発には明確なブレイクが必要な状況である。

一方、RSIは36台で推移している。Momentumも持ち直しの兆しを見せており、モメンタム系指標ではダイバージェンスが観察される点が注目される。

価格面では、上昇に転じた場合は100.20がレジスタンスとなり、下落継続時は95.73および94.60がサポート候補となる。

チャネル下限に接した現局面では、下方ブレイクの可否が今後の方向性を左右する展開が想定される。

【USIDX/週足】

今週の市場イベントと分析を取引に活かすために

ThreeTraderのスプレッドやレバレッジ、取引時間をご覧ください。

公式ホームページはこちら

(※この情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。)

X(Twitter)
Facebook
Instagram
LinkedIn
Copy URL