注目の経済指標とイベント(11/24~11/28)

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今週は米国の主要指標が焦点となる。25日の小売売上高に続き、26日には第3四半期GDP改定値と10月PCEが発表される。いずれもFRBの利下げ時期を占う重要指標であり、結果次第で相場全体への影響が大きくなる可能性がある。

市場ではFOMC議事要旨を受け、ドルの実質金利動向が引き続き注目材料となる。こうした環境下で、ビットコインなどの暗号資産は高金利・ドル高環境が逆風となり、調整局面が継続する可能性がある。

スイスフランは地政学リスクや市場の不透明感を背景に、安全資産として選好される展開が続いている。一方、日本円は日銀の利上げ先送り観測が重石となり、対主要通貨で下落基調が強まっている。テクニカル面では、USD/CHFは下落基調の中で短期反発の兆しが見られ、CHF/JPYは円売り圧力を背景に上昇トレンドがより鮮明になっている。

注目の経済指標とイベント(11/24~11/28)

重要な指標・イベント

  • 11月25日(火)独・国内総生産(GDP)

ユーロ圏最大国の成長率としてECB判断に直結する指標で、直近は経済の停滞が続いており、ユーロ圏全体の景気判断に大きな影響を与える。結果が予想を上回り景気回復の兆候が見られれば、ECBの利下げペース鈍化観測につながりユーロ買い要因となる。逆に予想を下回れば、ユーロ売りが強まる可能性がある。

  • 11月25日(火)米・小売売上高(9月)

米国の個人消費の強さを示す重要指標で、インフレと金利上昇が消費者の支出意欲にどの程度影響を与えているかを把握することができる。消費鈍化が再確認されればドル売りが出やすく、堅調なら利下げ後ずれ観測が意識されドルを支えやすい。

  • 11月26日(水)米・国内総生産(第3四半期GDP)

米経済の活動規模と成長率を示す重要指標で、米経済がどれだけ持続的な成長力を保っているかが焦点。強い結果なら、FRBの金融引き締め効果が限定的であるとの見方から、米ドルの上昇圧力となる。逆に弱ければ、FRBの利下げ開始時期を早めるとの思惑からドル売りにつながりやすい。

  • 11月26日(水)米・個人消費支出(10月PCE)

FRBが重視する物価指標で、特に変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターが焦点となり、インフレ圧力が継続しているかを確認する。予想下振れなら利下げ意識からドル売りが入りやすく、上振れなら金利調整でドル買いが強まる。

  • 11月27日(木)ユーロ圏・欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨

前回の政策金利決定会合におけるECB理事メンバーの議論の詳細が明らかになり、今後の利下げに関するメンバーの見解、景気見通しやインフレリスクに対する慎重派と積極派のバランスが注目される。利下げ開始時期や条件に関する積極的な議論が示されればユーロ売り圧力となる。インフレ再燃リスクを警戒する慎重なトーンが支配的であれば、早期利下げ観測が後退しユーロのサポート材料となりやすい。

相場のファンダメンタル

先週の為替市場は、米FOMC議事要旨で「12月の利下げが見送りとなる可能性」が示され、米金利が上昇したことでドルが買われやすい展開となった。さらに、ビットコインが9万ドルを割り込んで急落し、株式市場にも不安が広がった。ドル円相場はドル高要因と円売り要因が重なり、大きく上昇する場面が見られた。

今週は、米小売売上高や米GDP、米PCEといった重要な指標が相次ぎ、米景気の強さや物価の落ち着き具合が再び注目される。特に、PCEはFRBが金融政策を判断する上で重視するデータであり、結果が弱ければ利下げを意識したドル売りが出やすく、強ければドルが支えられやすい。また、各指標発表後に市場が慎重姿勢を強めれば、ドル高が進む場面も考えられる。

市場は引き続き、投資家心理の揺れが強く影響しやすく、経済指標の結果によって短期的に振れやすい環境である。

テクニカル分析

米ドル/スイスフラン(USD/CHF)

USD/CHFの週足チャートを分析する。足元では下落基調が続く一方、ローソク足が26週SMAを一時的に上抜ける場面があり、短期的な下げ止まりの可能性がある。

26週SMAは52週SMAを下回って推移しており、中長期的な下降トレンド自体に明確な変化は見られない。一方で、パラボリックSARは価格の下側へ転じており、短期的には反発方向を示唆するシグナルが点灯している。

RSI(14)は持ち直しの動きを見せており、モメンタム改善の兆しがあるが、ADX(14)は20を下回っており、明確なトレンドを欠く相場環境が示唆される。

上昇継続であれば0.8200CHFおよび0.8328CHFが上値の目標となる一方、反落時は0.7827CHFや0.7720CHFが下値の目安となる。

現在のチャートからは、26週SMAが相場の分岐点として意識されやすい。今後は、同水準で定着するかどうかが焦点となる。

【USDCHF/週足チャート】

スイスフラン/円(CHF/JPY)

CHF/JPYの週足チャートを分析する。26週SMAが52週SMAを上抜けるゴールデンクロスが形成されており、上昇基調の強さが意識される局面にある。

ローソク足は26週SMA上での推移を維持し、パラボリックSARは価格の下側で推移している。直近では両者の乖離が広がっており、上昇モメンタムの強さを示唆している。

RSI(14)は70を上回って推移し、強い買いの動きが継続している。過熱圏での推移であり、短期的な調整に注意が必要である。ADX(14)は高水準で横ばいで、DIラインも開いた状態を保っており、現在のトレンドが継続しやすい構造が確認できる。

現行のトレンドが維持されれば197.47円や心理的節目の200円が上値のターゲットとなる。一方、調整シナリオでは、189.11円が下値のサポートラインとして意識され、同水準までの押しを想定する必要がある。

足元では高値追いの動きが継続するかが焦点となる。週足ベースで上昇トレンドの持続性とRSIの過熱感のバランスを見極めたい。

【CHFJPY/週足チャート】

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。

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