注目の経済指標とイベント(10/5~10/9)
米金利の高水準と原油高に伴うインフレ懸念がドルを支える一方、日米当局の円安けん制がドル円の上値を抑える要因となっている。米国の次回金融政策会合での追加利上げ観測が後退するなか、米景気と物価の動向が、その後の引き締め観測をどう変えるかが焦点である。
今回は、米国の金利見通しと円安けん制が交錯するドル円、中期の下落から反発するビットコインを取り上げる。ドル円は長期の上向き基調を残しながら短期の戻りが弱く、金利面の支えが反発の持続につながるかが焦点である。ビットコインは中期の下落から反発が続いており、87,500ドル付近の上値の節目に近づいている。株式との連動も踏まえ、回復の勢いを週足で確認する。
今週は、米ISMサービス業景況指数を起点に、景況感と価格動向の組み合わせが重要である。米連邦公開市場委員会議事要旨やミシガン大学消費者信頼感指数も判断材料となる。景気の強さと物価見通しの上昇が重なれば追加引き締め観測を補強し、雇用や需要の弱まりと物価圧力の緩和が揃えば、その観測を後退させる可能性がある。
注目の経済指標とイベント(10/5~10/9)
| 日付 | 経済指標とイベント | 日本時間 |
| 10/5(月) | 中国 休場 | - |
| Blockchain Summit 2026 Autumn | - | |
| ニュージーランド・ANZ商品価格指数(9月) | 9:00 | |
| ドイツ・S&P Globalサービス業PMI(9月 確報) | 16:55 | |
| ユーロ圏・S&P Globalサービス業/総合PMI(9月確報) | 17:00 | |
| 英国・S&P Globalサービス業PMI(9月 確報) | 17:30 | |
| 米国・S&P Globalサービス業/総合PMI(9月、確報) | 22:45 | |
| 米国・ISMサービス業景況指数[総合](9月) | 23:00 | |
| 10/6(火) | 中国 休場 | - |
| Digital Assets Week London(~10/7) | - | |
| オーストラリア・ウエストパック消費者信頼感指数(10月) | 8:30 | |
| ドイツ・製造業受注(8月) | 15:00 | |
| 英国・建設業PMI(9月) | 17:30 | |
| ユーロ圏・小売売上高(8月) | 18:00 | |
| 米国・貿易収支(8月) | 21:30 | |
| カナダ・貿易収支 | 21:30 | |
| 10/7(水) | 中国 休場 | - |
| TOKEN2049 Singapore2026(~10/8) | - | |
| Sui Basecamp 2026(~10/8) | - | |
| Digital Asset Summit Asia 2026 | - | |
| 英国・ロイズ住宅価格(9月) | 15:00 | |
| ドイツ・鉱工業生産(8月) | 15:00 | |
| 米国・MBA住宅ローン申請指数 | 20:00 | |
| 米国・FOMC議事録公表 | 翌3:00 | |
| 10/8(木) | 英国・王立公認測量士協会(RICS)住宅価格調査(9月) | 8:01 |
| 日本・国際収支[経常収支/貿易収支](8月) | 8:50 | |
| 日本・景気ウォッチャー調査[現状判断DI](9月) | 14:00 | |
| 米国・新規失業保険申請件数 | 21:30 | |
| 米国・卸売在庫(8月) | 23:00 | |
| 10/9(金) | カナダ・雇用者数増減/失業率(9月) | 21:30 |
| 米国・ミシガン大学消費者信頼感指数(10月) | 23:00 |
重要な指標・イベント
- 10月5日(月)米国・ISMサービス業景況指数(9月)
米サービス業の景況感を示し、50が拡大と縮小の境目である。総合指数に加え、雇用と価格の内訳を確認したい。景況感と価格指数がともに予想を上回れば、追加利上げ観測を通じて米金利とドルを支える可能性がある。一方、景況感の改善と価格圧力の緩和が重なる場合、株式には支援材料となり得る。 - 10月7日(水)【翌8日午前3:00】米国・FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨
9月会合で0.25%の利上げを決めた背景を確認する資料である。焦点は、物価上昇への警戒度と追加利上げの必要性を参加者がどう評価していたかである。引き締め継続を支持する議論が目立てば米金利とドルの上昇要因となり、慎重論が強ければドルの上値を抑える可能性がある。 - 10月8日(木) 21:30 米国・新規失業保険申請件数
週次で公表される労働市場の高頻度指標で、月次の雇用統計を補う。予想を上回る増加が続けば雇用減速への懸念から、追加利上げ観測を弱める可能性がある。予想を下回れば雇用の底堅さを示す材料となる。前週の修正値、4週平均、継続受給者数も確認したい。 - 10月9日(金)カナダ・雇用者数増減/失業率(9月)
カナダの雇用情勢を示し、カナダ銀行の政策見通しを左右する重要指標である。雇用増加が予想を下回り、失業率も上昇すれば、利下げ観測を通じてカナダドルを押し下げる可能性がある。米国側の金利見通しが変わらなければ、米加金利差の拡大が米ドル/カナダドルの上昇要因となりやすい。 - 10月9日(金)米国・ミシガン大学消費者信頼感指数(10月速報)
米消費者心理とインフレ期待を測る指標である。9月の利上げ後だけに、家計の物価見通しがさらに上向くかが焦点となる。特に、1年先と5年先のインフレ期待が上昇すれば米金利とドルの上昇要因となり、株式など金利に敏感な資産には逆風となる。
相場のファンダメンタル
為替市場では、米国の追加金融引き締め観測と、原油高によるインフレ懸念を背景とした米金利の高止まりがドルを支えている。一方、日米当局が円の過小評価への懸念を示し、円売りへのけん制と再介入への警戒がドル円の上値を抑えている。近い会合での追加利上げ期待は一部後退したものの、米金利の高水準と、その後も引き締めが続くとの見方がドルの下支えとなっている。
今週は、米ISMサービス業景況指数、FOMC議事要旨、ミシガン大学消費者信頼感指数が焦点である。サービス業の景況感・雇用・仕入価格に加え、消費者のインフレ期待を確認したい。議事要旨では、9月会合時点の物価・雇用評価と追加引き締めへの姿勢を点検する。
景気の底堅さと価格上昇圧力が市場予想を上回れば、追加利上げ期待を通じてドルを支える可能性がある。反対に、景気・雇用の減速と物価圧力の緩和が重なれば、米金利低下とドル売りにつながりやすい。ドル円では、こうした米国側の材料と、日銀の追加利上げ観測や当局の円安けん制との力関係が焦点である。
テクニカル分析
ドル円(USD/JPY)
ドル円(USD/JPY)の週足は、夏の164円付近から下落し、159円台への戻りを挟んで153円付近まで下押しした。その後は158円台へ反発しているが、159.41円や上方の回帰線・移動平均線は回復していない。長期の上向き基調を残す一方、直近の反発が短期の下落をどこまで修復できるかを確認する局面である。
LinReg(線形回帰線)の13週は下向きである。52週は上向きを保つものの、価格は同線を下回り、過去1年の上昇傾向に対して足元の戻りは弱い。KAMA(カウフマン適応移動平均線)とALMA(アルノー・ルグー移動平均線)の52週も価格の上方で下向き、反発が続きにくい配置である。SMA(単純移動平均線)の260週は遠い下方で上向くが、目先の下げ止まりを判断する節目とは距離がある。
日経225との52週相関は、価格水準で約0.64に対し、リターンではほぼゼロである。両者の価格水準には正の相関が見られるが、週ごとの騰落の連動は弱く、株価の動きによるドル円の方向性の裏付けは乏しい。
現状は短期的に下方向が優勢である。週足終値で154.7円を割り込み、13週回帰線の下向きが続けば、153.12円の再試行が焦点となる。反対に、159.41円を回復し、その時点のKAMAと52週回帰線を上回って定着すれば、戻りの弱さを見直せる。その先は160.94円の突破と13週線の傾き改善が伴うかが、反発の持続力を測る確認点である。

ビットコイン/米ドル(BTC/USD)
ビットコイン/米ドルの週足は、6月の60,000ドル付近から反発し、80,000ドルを上抜けたが、87,500ドル付近には届かず押し戻されている。安値を切り上げ、回復する価格帯を広げてきた一方、上方の抵抗帯では反発の勢いが試されている。中期の下落からの回復が、次の高値更新につながるかを確認する局面である。
LinRegは13週が上向き、52週が下向きである。価格は52週単純移動平均線を回復したが、過去約1年の回帰方向は下向きであり、平均価格の回復と中期的な方向転換には隔たりがある。156週回帰線は上向きながら価格より上に位置する。KAMA・VIDYA(可変指数動的移動平均線)も上向きで、短期の回復が中期の下落をどこまで修復できるかが焦点である。
下段では、ナスダック100との相関がプラス圏にあり、ゴールドとの相関はゼロ付近から小幅なプラス圏へ移っている。観測期間では株式との同方向性がゴールドより明瞭であり、ゴールドと共通する動きより株式市場との連動を確認する意味が大きい。
目先は87,500ドル付近を週足終値で上回り、LinReg13とKAMAの上向きを保てば、反発継続の見方が強まり、90,625ドル付近が次の確認点となる。中期的な転換を評価する際は、高値・安値の切り上げが続くかに加え、52週回帰線の下向きが和らぐかも確認したい。反対に、78,125ドル付近を割り込み、KAMAの下で推移して同線も下向けば、回復の見方を弱め、75,000ドル付近を再び試す展開を考える局面である。

※本記事の情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。また、情報の正確性・完全性について保証するものではありません。
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