注目の経済指標とイベント(8/4~8/8)

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市場は「強い米経済」と「慎重な利下げ論」の綱引きに敏感で、当面はドル主導の展開が継続しやすい地合い

米指標の上振れとFRBの利下げ慎重姿勢でドル買いが優勢となり、ドル円は4カ月ぶりに大きく上昇、今週はこの傾向が維持されるかが焦点

ポンド円は、BOEの政策判断を控え200円突破が焦点、利下げ観測次第でクロス円主導の変動リスクが高まる

ゴールドは、貿易摩擦の緩和期待から安全資産としての需要が後退しており、テクニカル面でもモメンタム低下が継続し上値が重い展開

Weekly Report【8/3】

注目の経済指標とイベント(8/4~8/8)

重要な指標・イベント

  • 8月5日(火)日本・日銀金融政策決定会合 議事要旨

円安の進行と物価の上振れが意識される中、物価認識の変化に注目。追加緩和や政策正常化のヒントがあれば円相場に影響を与える可能性。

  • 8月5日(火)米・ISM非製造業景況指数

米景気の底堅さを測る重要指標。サービス部門の鈍化が確認されればドル売り圧力に。物価構成や雇用構成の変化にも注目が集まる。

  • 8月7日(木)英・中銀(BOE)政策金利発表

インフレ鈍化と景気減速のはざまで、利下げの有無が焦点。利下げに関する見解や今後の経済見通し次第でポンドのボラティリティ上昇、クロス円含め広く波及。

  • 8月8日(金)カナダ・雇用統計

カナダ銀行の利下げ観測が高まる中での発表。雇用者数や賃金上昇率の動向次第でカナダドルの方向性が決まり、対米ドル相場にも影響を与える可能性。

相場のファンダメンタル

先週の為替市場では、FRBが利下げ見送りの姿勢を維持し、加えて米6月のCPIや雇用指標が予想を上回る内容となったことから、ドル買いが優勢となり、ドル円は大きく上昇した。さらに、8月1日から発動された米国の追加関税をめぐる警戒感も根強く、為替相場全体に神経質な値動きが広がった。

今週は、8月5日の米ISM非製造業景況指数と、8月7日の英中銀(BOE)政策金利発表が主要な注目材料となる。ISM指数が堅調な内容となれば、米経済の底堅さが改めて意識され、ドルの下支え要因となり得る。一方で、BOEの政策判断や声明内容によっては、英ポンドにとって上値の重い展開が続く可能性もある。

依然として市場はFRBの金融政策スタンスに敏感であり、投資家心理は「強い米経済」と「慎重な利下げ論」との綱引きに翻弄されやすい状況が続いている。こうしたなか、ドル主導の相場環境は継続する見通しで、円やユーロなど他通貨はその影響を受けやすい構図となっている。

テクニカル分析

ポンド円(GBP/JPY)

GBPJPYの日足チャートでは、価格が196.88円付近の52EMAおよびチャネル下限で反発する動きを見せている。52EMAはローソク足の下方に沿って緩やかに上昇しており、下値支持線として意識される。

CHO(Chaikin Oscillator)はマイナス圏から0ラインを上抜け、買い圧力が強まる可能性を示している。一方で、ローソク足は上値を抑えられつつ下値を切り下げる展開が続いており、価格行動の間に乖離が見られる。

現状では、価格が200円を突破できるかが焦点であり、反落した場合は196.00円や193.75円が次の下値目処となる。

【GBPJPY/日足】

ゴールド(XAU/USD)

XAUUSDの日足チャートでは、価格がボリンジャーバンド−2σ(3268.06ドル)で一時的に反発しているものの、5月以降続いていた下値切り上げのトレンドを下抜けている。

現在も−2σ付近での攻防が続いており、下方には3205.83ドルの支持水準が控える。一方、上値は3307.33ドルおよび3359.38ドルが意識される。

CHO(Chaikin Oscillator)は下降を続けており、出来高ベースでの買い圧力低下が進行している可能性がある。このことから、一時的な調整局面入りの展開も否定できない。

今回の反発が一過性に留まるか、あるいは−2σを起点とした持ち直しに発展するかが、当面の方向性を見極める上での分岐点となる。

【XAUUSD/日足】

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