日本市場は引き続きゴールデンウィークによる流動性低下の影響下にあり、突発的材料によるボラティリティの増大には警戒感が残る状況が続いている。
今週は米FOMCが予定されており、FRBのスタンス次第ではドル円や米株式市場に大きな変動をもたらす可能性がある。日米金利差の行方が焦点。
米中貿易摩擦を巡る報道は不定期にリスクイベント化しており、発言や政策に対する市場の反応には継続的な注意が必要となる。
ビットコインおよびWTI原油は、ともにテクニカル的節目に影響されている。両者ともブレイクの可能性に注目。

注目の経済指標とイベント(5/5~5/9)
- ゴールデンウィーク(GW)による市場の流動性低下が続く中、突発的な材料によるボラティリティ上昇には引き続き警戒が必要
- 今週は米FOMCが開催され、FRBの政策スタンスが注目される。日米金利差の動向がドル円の方向感を占う場面に
- 米中貿易摩擦に関する報道が市場のリスク要因として継続中、関連発言や政策動向には注意が必要
- 仮想通貨市場ではビットコインへの動きに注目、さらなる上昇が見られるかが焦点
相場のファンダメンタル
現在、日本市場はゴールデンウィーク(GW)期間中にあり、流動性の低下によって値動きが一方向に振れやすくなる地合いが続いている。そのため、市場参加者の少ない中での材料感応度には引き続き注意が必要だ。特に、米国のトランプ政権をめぐる発言や政策動向は、短期的な市場のリスク許容度に強く影響を与えやすい局面であり、警戒感は払拭されていない。
もっとも、ここ数日間においては、トランプ政権から発せられるメッセージに緊張緩和の兆しも見られ、過度なリスク回避姿勢はやや後退している。
このような中、市場は次の方向感を探るべく、今週予定されている米国および英国の経済指標発表に注目を集めている。特に米国では、FRB政策金利(FOMC)の発表が予定されており、ボラティリティが高まる可能性がある。
流動性が限られる中での指標発表は、予想との乖離があった場合に価格が大きく振れるリスクを伴うため、ポジション調整を含めて慎重な対応が求められる局面といえる。
テクニカル分析
ビットコイン(BTCUSD)
ビットコインの日足チャートを分析する。20日移動平均線(EMA)を下値支持線とする形でもみ合いを続けていたが、現在はその水準から上昇基調を強めている。注目すべきは、1月の高値と4月の安値を基点としたフィボナッチ・リトレースメントの、61.8%戻しの水準を上抜けたことで、同ラインがレジスタンスからサポートへ転換した可能性がありそうだ。
加えて、RSI(相対力指数)は現在70付近で高止まりしており、直近の価格上昇と比較すると少し注意が必要かと思われるが、もう一段の上昇余地も視野に入りつつある。
テクニカル全体としては、上昇トレンド内にあると判断できるが、現在の水準は過去にもみ合いを形成した価格帯に位置しており、ここからの一段高がスムーズに進むかどうかは不透明だ。重なる抵抗帯を前に、上抜けの勢いが持続するかどうかを慎重に見極めたい局面である。

WTI原油(XTIUSD)
原油の日足チャートを分析する。現在の価格は20日移動平均線(EMA)を上値抵抗として意識されており、上昇を試みても同線付近で反落する展開が続いている。足元では、58ドルの節目が下値サポートとして機能しており、4月8日および9日には同水準で反発している。
移動平均線が引き続き抵抗帯として機能し、かつ58ドルがサポートとして意識される場合、価格は徐々に収束し、いずれ上下いずれかに大きく振れる可能性がある。したがって、今後はこのサポートとレジスタンスのいずれかを明確にブレイクし、テクニカル的に支持線・抵抗線として確定するかを見極める必要がある。
短期的には、ストキャスティクスが上昇を示唆しているが、反発するためのエネルギーがやや乏しい状況が続いている。現時点では方向感に欠ける展開となっており、相場が明確なモメンタムを伴って動き出すまで、ポジションの取り方には慎重さが求められる局面といえる。
