注目の経済指標とイベント(10/20~10/24)

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今週の為替市場は、米政府閉鎖の継続が市場の主要な懸念要因となる。統計発表の遅延が続けばドル相場は方向感を欠きやすく、投資家心理の不安定化が懸念される。また、米中通商摩擦の再燃や中東情勢の緊迫化が地政学的リスクを高め、安全資産への資金流入を促している。

24日に予定される米9月CPIは、FRBの年内利下げペースを占う上で最も重要な指標である。発表が延期されれば、同日に公表予定のミシガン大学消費者信頼感指数やPMIが代替的に注目される。

オセアニア通貨は、ともに利下げ観測が浮上する中で、政策転換点を探る局面にある。豪ドル円は上昇基調を維持しながらも勢いを欠き、NZドル円はレンジ圏での持ち合いが続く。世界的な金利低下局面で、相対的なリスク資産選好のバロメーターとして注目されている。

注目の経済指標とイベント(10/20~10/24)

(※米政府機関の一部閉鎖が継続中のため、予定されている一部経済指標の発表に遅延・欠測の可能性があります。発表有無に関する最新情報をご確認ください。)

重要な指標・イベント

  • 10月24日(金)米・9月消費者物価指数(CPI)

  FRBの金融政策を左右する最重要インフレ指標。予想上振れは利下げ余地後退としてドル買い、鈍化は利下げ継続期待からドル売り圧力となる。米ドルの軟化傾向が続く中、追加利下げ観測を背景に注目度が極めて高い。

  • 10月24日(金)米・10月ミシガン大学消費者信頼感指数

  ミシガン大学が独自に調査・公表するため、米政府閉鎖の影響を受けずに発表される。インフレ期待項目を含むことからFRBの政策見通しに影響を与え、CPI発表が延期される場合の代替指標となる。

  • 10月24日(金)米・10月購買担当者景気指数(PMI)

  民間調査会社公表のため、米政府閉鎖の影響を受けない指標。企業部門の景況感を反映し、景気の減速サインはドル売り、改善はドル買いに繋がる。FRBが金融政策判断の参考にする先行指標として信頼性は高い。

  • 10月24日(金)日本・9月全国消費者物価指数(CPI)

  日銀の金融政策修正タイミングを探る上で重要な指標。上振れは金融引締め観測で円高圧力、下振れは緩和継続期待から円安方向となる。米国指標の不確実性と相対的に、アジア時間における主要な指標として市場からの注目が集まる。

相場のファンダメンタル

前週の為替市場は、米政府閉鎖により重要統計の発表が相次いで延期となり、ドル相場は方向感を欠く展開となった。一方で、米中貿易摩擦の再燃やFRB高官の利下げ支持発言を背景に、全般的なドル売り基調となった。また、ゴールドの高値更新など安全資産への資金シフトが継続した。

今週最大の焦点は、延期されていた米9月CPIの24日発表である。さらなる延期の場合、ミシガン大学消費者信頼感指数やPMIなど民間調査がインフレ動向を測る重要な代替指標となる。日本でも9月全国CPIの発表を控え、日銀の金融政策正常化観測と相まって円相場への影響が注視される。

ファンダメンタルにおいて「データの欠如そのもの」がリスク要因となるという異例の事態が、今週の市場環境を特徴づける最大の要素となりそうだ。米政府閉鎖という政治リスクとインフレ指標の遅延が重なることで、市場は材料不足から不安定なボラティリティを伴う局面が続く可能性がある

テクニカル分析

豪ドル/円(AUD/JPY)

豪ドル円の週足チャートを分析する。価格は2025年4月の安値圏で反発し、その後は堅調な上昇基調を維持している。

足元では21日EMA(青)が75日EMA(緑)に接近し、ゴールデンクロス形成が視野に入る。一方、先々週に高値を付けたローソク足が陰線となっており、前週は包み足を形成し売り圧力の強さが示された。これは一般的にはトレンド転換のシグナルとみなされている。

RSI(14)は50台半ばの水準で中立圏に位置しており、モメンタム面での方向感はでていない。ROC(12)は弱気のダイバージェンスが確認されるが、この乖離は上昇モメンタムの鈍化を示唆しており、今後の上値追いに対する慎重な見方を促す材料となっている。

上値の目標としては101.55円および103.10円が意識され、これらの水準を明確に突破すれば、上昇トレンドの再加速が示唆される。一方で、反落局面では95.30円および93.75円がサポートラインとして機能する可能性がある。

今後は21週EMAの75週EMA上抜けの成否に加え、ROCによるダイバージェンスの解消が、トレンド持続の鍵を握る要素となる。

【AUDJPY/週足】

NZドル/円(NZD/JPY)

NZD/JPYの週足チャートを分析する。現在、21日EMAが75日EMAを下回り、3本の移動平均線が収束する形となっている。価格は75日EMAと200日EMAに挟まれた狭いレンジ内での横ばい推移が継続しており、方向感を欠いている。

RSI(14)は40台半ばのやや弱含みな水準で推移し、ROC(12)もマイナス圏に突入している。これらは、価格変化の勢いが後退していることを示しており、当面は上値の重い展開が予想される。

上値の目安としては、89.00円および89.80が目標となる。一方、下落局面では84.40円、次いで83.20円付近が意識される。

今後の方向性の明確化には、収束した移動平均線からのブレイクアウトによる、もう一段の動きが求められる。また、ROCのマイナス圏からの回復も相場好転の条件となる。

【NZDJPY/週足】

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(※この情報は市場の動向をご紹介するもので、投資の推奨や勧誘を行うものではありません。)

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