注目の経済指標とイベント(10/13~10/17)

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為替市場では、米国の財政・金融両面に不確実性が残る一方、日本の政策転換期待が円売り圧力を強めている。また、米政府機関の一部閉鎖が続き経済指標の発表が遅延する中でも、FRBの利下げペースをめぐる思惑がドル相場の方向性を左右した。

WTI原油は緩やかな下降レンジ内で推移している。一方、VIXは安定水準を維持し、一時的に落ち着いたリスク環境が示唆される。いずれも、各国の政局や地政学的リスク等の影響を受けた急変動の可能性があり、引き続き注視が必要である。

今週は、15日発表予定の米消費者物価指数(CPI)を筆頭に、ユーロ圏消費者物価指数(HICP)など、複数地域の重要指標が集中する。米政府閉鎖が長期化すれば、市場は民間調査や予測データに一層左右されやすくなる。

注目の経済指標とイベント(10/13~10/17)

(※米政府機関の一部閉鎖が継続中のため、予定されている一部経済指標の発表に遅延・欠測の可能性があります。発表有無に関する最新情報をご確認ください。)

重要な指標・イベント

  • 10月15日(水)米・消費者物価指数(CPI)

FRBの政策判断に最も直結する指標であり、年内の追加利下げペースを左右する。足元では労働市場の底堅さとインフレ鈍化の綱引きが続いており、発表直後は主要通貨ペア全体で急激なボラティリティ上昇が見込まれる。

  • 10月16日(木)米・小売売上高

GDPの約7割を占める個人消費の実態を示す中核指標。CPI翌日の発表タイミングのため、インフレと消費の整合性が問われる。予想超ならFRBの慎重姿勢を後退させドル高要因、弱ければ景気減速懸念でドル売りが強まりやすい。

  • 10月16日(木)米・生産者物価指数(PPI)

企業段階での価格変動を示すインフレ先行指標。原材料・中間財コストの上昇が持続すれば将来的な消費者物価への転嫁懸念が高まり、インフレ再燃リスクとしてドル買い材料に。CPI、小売売上高と合わせて評価されるため、両指標の方向性の一致・相違が市場の反応を増幅させる可能性がある。

  • 10月16日(木)英・国内総生産(GDP)

BOEの利下げ判断に影響する英経済の中心データ。足元では英国のインフレ鈍化と景気減速の両面が意識されており、予想を下回る弱い結果なら追加利下げ観測が強まりポンド売り、上振れなら政策据え置き期待でポンド買いの展開に。

  • 10月17日(金)ユーロ圏・消費者物価指数(HICP)

ECBが政策目標とする統一基準のインフレ指標。ユーロ圏ではディスインフレ進行と景気停滞のバランスが焦点となっている。特に、コアHICPやサービス価格の粘着性が注目され、週末要因も重なり短期的なポジション調整の動きにも要警戒。

相場のファンダメンタル

先週の為替市場は、積極財政と金融緩和継続への期待から「高市トレード」と呼ばれる円売りが優勢となり、ドル円は一時153円台まで上昇し約8カ月ぶりの水準に達した。米国では政府機関の一部閉鎖が継続するものの、経済指標や政策期待が支えとなってドルは底堅く推移した。

今週は、15日発表の米消費者物価指数(CPI)が最大の焦点である。FRBの追加利下げペースを占う最重要指標として市場の注目度は極めて高く、結果次第でドル円の方向性が大きく変わる可能性がある。翌日には米小売売上高と生産者物価指数(PPI)、英国GDPが相次いで発表され、17日にはユーロ圏CPIが控えている。

景気減速懸念とインフレ再燃リスクが交錯し、投資家心理は一方向に傾きにくい地合いである。市場は各国指標の結果に即座に反応しやすく、政策発表と経済実態の乖離があればポジション調整が急速に進む展開が予想される。

テクニカル分析

WTI原油/米ドル(XTI/USD)

WTI原油先物の週足チャートを分析する。価格は長期下降チャネル内で推移しており、足元では上値の重い展開が続いている。

移動平均線は2024年9月以降、200SMAが最上位に位置し、52SMA、13SMAの順で下方に配列されており、長期的な下向きトレンドを示唆している。また、MACDもゼロラインを下回った状態が継続しており、上昇転換の兆しは見られない。

上値の節目としては、まず69.10ドル、次いで72.90ドルがレジスタンスとして意識される一方、下値は57.50ドルおよび56.00ドル付近が支持帯の目安となる。

短期的には下降チャネル内での推移が継続するかが焦点となり、当面は52SMAの突破可否が方向感を探る上で重要な手がかりとなる。

【XTIUSD/週足】

VIX(Volatility Index)

VIXの週足チャートを分析する。現在のVIXは16.73と、16付近(Rule of 16)で推移しており、-0.5σ付近に位置している。ボリンジャーバンド(52週)は横ばい基調のまま穏やかな帯域を描き推移している。

この構図は、リスク後退と安定化が進行しているものの、4月の高ボラティリティ余韻が長期平均として残存していることを示唆している。

下段のROC(5)は現在6.76とゼロを上回り、モメンタムはやや上向きへ転じているが、勢いは限定的で急変の兆しは見当たらない。一方、ATR(10)は1.48まで低下が続いており、直近の市場では価格変動幅の縮小が鮮明となっている。

全体として、市場ボラティリティは安定化の途上にあり、長期平均は依然高止まりしているものの、直近の水準はリスクイベント後の落ち着きを示している。

今後は、低位で安定推移を続けることで長期平均も徐々に中立的な水準へ収束していくか、あるいはROCやATRの再上昇を伴う形で局面転換に進展するかが注目される。

【VIX/週足】

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