注目の経済指標とイベント(9/1~9/5)

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パウエルFRB議長がジャクソンホール会議で9月の利下げを示唆したことで、市場は「利下げへの期待」と「慎重な見方」がぶつかり合う重要な局面にある。

今週は、アメリカのISM非製造業指数と雇用統計が焦点で、特に雇用統計は労働市場の強さと賃金動向を通じてFRBの利下げ判断に直結する最重要指標であり、結果次第ではドル相場が大きく変動するリスクがある。

為替市場では、ユーロ円とポンド円が「インフレ鈍化」と「景気減速懸念」の間で方向感を探っている。テクニカル面では、主要な移動平均線を上回って推移しており、一定の上昇余地を残している状況である。

Weekly Report【8/31】

注目の経済指標とイベント(9/1~9/5)

重要な指標・イベント

  • 9月2日(火)ユーロ圏・消費者物価指数(HICP)

高インフレの鈍化傾向下での発表。コア指標の結果次第でECBの利下げペースに影響し、ユーロ相場の方向感を左右。予想下振れならユーロ売り圧力強まる可能性。

  • 9月2日(火)米・ISM製造業景況指数

米製造業の活動水準を示す先行指標であり、インフレ鈍化下での景気強弱判断材料。予想下振れなら利下げ観測強まりドル売り圧力、好結果ならドル買い要因に。

  • 9月4日(木)米・ISM非製造業景況指数

米経済の7割を占めるサービス業の勢いを示す重要指標。労働市場との連動性も高く、利下げ見通しの判断材料に。予想外の結果は為替に短期インパクトを与える可能性。

  • 9月5日(金)米・雇用統計

インフレ沈静化と成長鈍化懸念のはざまでの発表。雇用維持ならFRBの慎重姿勢継続でドル堅調維持、大幅悪化ならドル全面安の展開も。

相場のファンダメンタル

先週の為替市場では、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議で9月の利下げを示唆したことで、投資家の間に「リスクを取って積極的に投資しよう」というムードが強まった。ドル円相場は一時的にドル売りが優勢となったが、市場全体としてはなお慎重な姿勢を崩していない。

今週は、アメリカの8月ISM製造業・非製造業指数に加え、9月5日に発表される米雇用統計が最大の注目材料である。雇用統計は、インフレが落ち着くのか、あるいは景気が弱まっているのかを判断する最も重要な指標とされている。

市場は、利下げへの期待が高まる一方で、それを裏付ける経済データを慎重に見極めている段階にある。今週の指標結果によってFRBの政策見通しが変わる可能性があり、為替市場にとって大きな転換点となりうる局面である。

テクニカル分析の観点では、主要な移動平均線の位置やサポート・レジスタンス水準が注目されており、市場の方向感を探るうえで手がかりとなるだろう。

テクニカル分析

ユーロ/円(EUR/JPY)

ユーロ円の週足チャートを見ると、長期的なチャネルの下限で反発した動きが確認できる。現在は、それよりも角度の急な短期チャネルに沿って上昇を続けており、この反発した水準が中期的なサポートとして意識されている。

ローソク足は21日、52日、90日の指数平滑移動平均線(EMA)をすべて上抜けて推移している。さらに各移動平均線の間隔が広がっていることから、上昇の勢いが強いことを示している。RSIは一時70付近まで上昇した後に反落し、現在は60台前半で横ばいとなっている。過熱感はやや和らいでいるが、依然として上昇余地は残されている状況である。

今後の注目ポイントは、上値の目安として175円と178円20銭が意識される一方で、下値は168円70銭と165円60銭付近がサポート水準となる点である。現時点では、短期チャネルに沿った上昇が続くかどうかが焦点である。

【EURJPY/週足】

英ポンド/円(GBP/JPY)

ポンド円の週足チャートを見ると、現在は長期チャネルの中央付近で推移している。足元では緩やかに右上がりとなっている短期チャネル内を動いており、三本の指数平滑移動平均線が下値を支える形となっている。ローソク足は直近で21日移動平均線から反発しており、チャネル上限を突破できるかどうかを試す局面にある。

ローソク足は21日、52日、90日の指数平滑移動平均線(EMA)をすべて上回っている。さらに各移動平均線が広がる方向に動いているため、相場は上昇トレンドを発展させつつあると判断できる。

RSIは50台後半で横ばいとなっている。買われ過ぎのシグナルは出ていないものの、上昇が続く余地は残されている。

今後の上値の目安は201円60銭と203円20銭である。一方、下落に転じた場合には193円70銭と192円20銭付近がサポート水準として意識される。現状では、短期チャネルの上限を明確に上抜けられるかどうかが注目点となる。

【GBPJPY/週足】

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