今週は主要インフレ指標が集中する週であり、市場心理はFRB利下げ関連の動向に敏感である。特に米8月CPIはFRB政策運営に直結する最重要指標であり、コア指標が上振れすれば利下げ観測が後退し、下振れすれば大幅利下げ期待が強まる。
ECB政策金利とラガルド総裁会見は景気減速とインフレ鈍化下で行われ、利下げや緩和示唆ならユーロ売り、インフレ警戒姿勢ならユーロ買いの流れに発展する可能性がある。
JPN225(日経平均)はボリンジャーバンド上限に沿った上昇が続き、モメンタムは強いが過熱感に注意。スイスフラン円は過去最高値付近を推移しており、上昇基調を維持する一方で、突破に失敗した場合は勢いの鈍化に警戒が必要である。
注目の経済指標とイベント(9/8~9/12)

重要な指標・イベント
- 9月10日(水)米・8月生産者物価指数(PPI)
インフレ圧力の先行指標として注目され、企業コスト上昇が消費者物価に波及するかを測る材料。予想外の上振れはFRB利下げ観測を後退させドル買い要因、下振れはドル売りにつながりやすい。
- 9月11日(木)ユーロ圏・欧州中央銀行(ECB)政策金利
景気減速とインフレ鈍化が進む局面で政策姿勢が注目される。利下げ決定があればユーロ売り、据え置きでもハト派的な示唆があればユーロ売り圧力、一方でタカ派的な姿勢を示せばユーロ買いへ振れ、相場の方向感を左右する。
- 9月11日(木)ユーロ圏・ECBラガルド総裁定例記者会見
政策金利発表後の記者会見で、景気後退懸念とインフレ動向の評価、今後の政策方針に関する発言トーンに注目。将来の追加緩和に言及すればユーロ売り、インフレ警戒姿勢を維持すればユーロ買いの流れに発展する可能性。
- 9月11日(木)米・8月消費者物価指数(CPI)
FRB政策に直結する最重要指標。コア指標の動向と前月比・前年同月比の数値が焦点。上振れは利下げ観測を後退させドル買い材料、下振れは9月FOMCでの大幅利下げ期待を高めドル売りに作用し、市場ボラティリティが大幅に高まりやすい。
相場のファンダメンタル
先週の為替市場は、インフレ関連指標や労働指標に神経質に反応した。また、米長期金利の変動により市場は不安定な動きを見せた。
今週は、11日発表の米8月消費者物価指数(CPI)が最大の焦点となる。コア指標の動向次第でFRBの政策運営に直結し、上振れは利下げ観測後退でドル買い、下振れは大幅利下げ期待でドル売りに作用する重要指標である。
同日のECB政策金利発表とラガルド総裁記者会見も重要な焦点となる。ユーロ圏は景気減速とインフレ鈍化に直面しており、利下げ決定や追加緩和への言及があればユーロ売り圧力が強まる可能性がある。
市場心理は依然としてFRB利下げ関連のニュースに敏感であり、今後の経済指標や要人発言が投資家心理を左右しやすい局面にある。
テクニカル分析
JPN225 Index(日経平均)
JPN225の週足チャートを分析する。現在の価格は短期的なトレンドライン(破線)に沿って堅調に上昇しており、足元ではボリンジャーバンド上限に沿ったバンドウォークが続いている。
MACDはヒストグラムの拡大が続き、シグナル線も右肩上がりを維持しており、モメンタムの強さが示唆される。さらに、RSIも60台前半で推移しており、買い優勢の地合いが続いていることがうかがえる。オシレーター系指標は総じて、強気バイアスを裏付ける形となっている。
上値の目安は43750、次いで45313が意識される。下方向では40620がサポートとなり、これを割り込むと39060付近までの調整余地が広がる。
今後は、このバンドウォークが継続するか、あるいは価格が+1σを割り込み中央線へ戻る調整局面に移行するかが注目点となる。

スイスフラン/円(CHF/JPY)
スイスフラン円の週足チャートを分析する。現在の価格は短期トレンドラインに沿って推移しており、過去最高値186.03円に迫った後も高値圏を維持している。足元では若干の調整となっているが、陽線が連続し上昇基調の持続が試される局面である。
オシレーターのMACDはヒストグラムが拡大基調を保ち、モメンタムの強さを示している。一方でシグナル線との乖離は縮小傾向にあり、上値抵抗に接近する場面では勢いの鈍化に注意が必要である。さらに、RSIは60台半ばに位置し、買い優勢を示しつつも過熱感はなく、上昇余地を残していることがうかがえる。
価格水準では、上方向は186.03円が直近の分岐点であり、これを突破すると189.06円が次の抵抗帯となる。下方向では181.25円と179.70円が支持帯として機能しやすい。
今後は、短期トレンドラインを維持し186.03円を超えるか否かが焦点となる。また、突破できなかった場合には上昇の勢いが鈍化する可能性もあり、現局面は上昇継続と反落の分岐点にあるといえる。

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